アウトドアスポーツの、崖を登るクライミングや険しい山に登る登山では、ヘルメットは欠かせません。
ヘルメットは滑落や転倒した際に、大切な頭部を守ってくれる大事な装備のひとつです。
また、メーカーによって、機能性やデザインも様々あります。
中でも、フランスのアウトドアメーカー、ペツルのヘルメットは、衝撃からの保護性能が高く、レスキューや林業など山で働いている人にも愛用されています。
そこで今回は、アウトドアに関する装備を数多く取り扱うメーカー、ペツルをピックアップしてご紹介します。
アウトドアメーカーで知られるペツル
ペツルは、創業者フェルナンド・ペツルによって誕生しました。
彼は、十代の時に洞窟を探検するケイビングに夢中になり、ケイビングへの情熱をきっかけに、友人と装備の考案、制作を始めました。
当初、制作された装備は、垂直な場所や暗闇で活動するために必要なハーネスやヘッドランプなどです。
現在は、ハーネスひとつとっても軽量で高性能なクライミング向き、仕事などの日常用、さらには女性用、子供用など、デザインや機能性で選べるようになっています。
他にも、ヘルメットやロープ、カラビナなど足元から頭の上まで揃い、充実したアイテムを取り扱っています。
また、クライミングやキャニオニングはもちろん、高所作業やレスキュー、林業などの場へと広がっているメーカーです。
ニーズにしっかり応えた本気のアイテムの生みの親本人が、自然界をこよなく愛した人と知れば、細部にまでこだわっている理由に納得です。
アウトドアだけでなく林業でも活用されているペツルのヘルメット
林業作業は、いろんな作業があります。
植林をしたり、木の成長に合わせて枝を切ったり、何十メートルもある木を切り倒す作業などがあります。
さらに、山の斜面を重機で縫うように上がります。
最近では、そのような林業の世界で活躍する若年層がどんどん増えており、同時に事故件数も増えています。
そのため、以前よりも安全性が求められてきています。
林業作業では標準装備のひとつであるヘルメットは、頭を守るための基本です。
細い木の枝が落ちて頭に当たっただけでも致命傷になってしまうことがあります。
そこで、落下物だけでなく、左右前後の保護性能にもこだわったペツルのヘルメットをご紹介します。
【PETZL (ペツル):SIROCCO(シロッコ)】
参考価格:1万4040円
サイズ:S/M(48-58cm)、M/L(53-61cm)
重量:S/M(160g)、M/L(170g)
素材:EPPフォーム (シェル)、ポリカーボネート (クラウン)、EPS フォーム (ライナー)、ポリエステル (ウェビング)
認証:CE EN 12492, UIAA
(交換用フォーム、保護カバー付き)
シロッコは、軽さと保護性能の両方を求める人にオススメです。
頭部を広範囲に渡ってカバーし、衝撃を吸収するライナーでしっかり守ります。
この構造は、ペツルの特徴である4つの構造のうち、ハイブリット構造が採用されています。
このデザインは、落下物だけでなく、滑落などの衝撃から守るために、シェルの形状が変形することで頭部をより保護する作りになっています。
そして、重さ170gと超軽量なのも魅力的です。
長時間被っていても肩首が疲れにくいので嬉しいですね。
さらに、通気孔も付いているので、蒸れるのを防ぎます。
また、眼を守るためにペツルのバイザーの取り付けが可能です。
シロッコ以外では、女性の髪をひとつに束ねたヘアースタイルでも結び目が邪魔にならないようデザインされたヘルメットもあります。
そちらのヘルメットもご紹介します。
【PETZL (ペツル):ELIA (エリア) 】
参考価格:7890円
サイズ:レディース(50-58cm)
重量:285g
素材:ABS樹脂(シェル)、発泡ポリスチレン(ライナー)
ヘッドバンドシステムによって低めのポニーテールでも簡単に着脱しやすく、女性の小さな頭にもよくフィットします。
また、衝撃に強いハードシェル構造になっています。
林業向けに規格を満たすペツルのヘルメット
ペツルのヘルメットには、日本の産業用のヘルメットの規格「保護帽の規格(飛来・落下物用、墜落時保護用)」を満たした商品があります。
ここでその商品をご紹介しましょう。
【PETZL (ペツル):VERTEX BEST(バーテックス ベスト)】
参考価格:1万2000円
サイズ:53-63cm
重量:455g
認証:CE、ANSI Z89.1-2009 Type I Class E、保護帽の規格 (飛来・落下物用)
バーテックス ベストは、高所作業や林業、レスキューの現場で使用するのを目的にデザインされました。
特徴は、頭頂部に6本のウェビングハンモックを取り付けていることで、頭部によくフィットします。
また、シェルが変形することで強い衝撃を吸収します。
さらに、調整システムのダイヤルを回して頭がヘルメットの中心に来るように調整できるので、360度、中の空間が均等になり安定します。
フォームには、厚さが違う2種類があり、自分のサイズに合わせられます。
あご紐には、墜落した際にヘルメットが外れてしまうリスクを軽減するデザインが施され、強度は50daN以上あります。
通気孔は、電気を通しにくくするためや、溶解金属から保護するために備わっていません。
サイドには、チェーンソーなどの騒音から耳を守るイヤーマフが取り付けられるサイドスロットが付いています。
正面にはヘッドランプを取り付るスロットやベルトクリップも完備しています。
そして、眼を守る保護カバーを取り付けるためのネジ穴もあります。
ここには、ペツルのバイザーや、顔全体を覆うビゼンを取り付けられます。
カラーは、全部で7種類あります。
この商品は、なかなかネット上では販売されていないプロフェッショナル製品のため、取扱店を調べた上での購入になりそうです。
手にするのが少々面倒ですが、保護性能の高いヘルメットを求める人にはぴったりです。
林業で使用するヘルメットに装備をプラスする
先ほどの、ペツルのバーテックス ベストには同社のバイザーやビゼンが取り付けられるとご紹介しましたが、他のヘルメットにも取り付け可能な装備をご紹介します。
シロッコやエリアなどには、基本的に眼や顔を守るバイザーのビジョン(参考価格:7700円)が取り付けられます。
ヘッドランプは、超コンパクトで軽いイーライト(参考価格:3600円)や、近距離反射に適した長時間の照射が可能なティキナ(参考価格:2900円)がオススメです。
ワイドな光で手元を照らしてくれます。
より快適に作業に打ち込みたい方は、ヘルメットの下に速乾性抜群でフィットする作業用帽子を被れば汗を吸収してくれるので快適です。
ペツルでも取り扱っていますが、こちらは近くの作業着を売っているような店で1000円ぐらいで販売しているもので十分だと思います。
こだわる方は、ペツル製のシームレスのライナー(参考価格:3674円)や、寒さと風から頭部や耳を守ってくれるビーニー(7798円)など目的に合わせて選ぶといいでしょう。
これらの追加装備があれば、林業や高所作業などにも役立つと思います。
ヘルメットの安全面を考える
何度も言うようですが、林業や高所作業には危険が伴います。
安全に作業を行うためにも万が一を考えて、ヘルメットなどの装備をきちんとメンテナンスすることが大切です。
ペツルのプラスチック製品と繊維製品の耐久年数は、製造日から数えて最長10年です。
しかし、10年経たなくても、鋭利な角にぶつけたり、極端に高い温度や低い温度のところで使用したり保管していると、強度に影響してしまいます。
できれば、ペツルのヘルメットは、少なくとも12ヶ月ごとに詳しい点検を行うことをおすすめします。
ヘルメットは、ペツルの製品に限らず大きな傷や割れ目、化学製品による損傷、シェル自体にひび割れが見られた場合などは直して使用するのではなく破棄しましょう。
命に関わる作業だからこそ、日々の点検は重要なのです。
林業でヘルメット以外に必要な作業装備
林業の作業をするには、ヘルメット以外に必要な装備があります。
眼を守るフェイスカバーや聴力を守るイヤーマフ、丈夫な手袋、森の中でも目立つジャケット、そして、チェーンソーなどによるケガを防ぐための防護ズボン、チェーンソーブーツなどです。
チェーンソーは木を伐採するのに便利な道具ですが、チェーンソーによる事故が多発しており、平成27年の10月25日から、林業や木造製造業の人は特殊な繊維を織り込んでいるチェーンソー作業防護衣の着用が義務化されています。
そこで、オススメの防護ズボンをご紹介します。
【スチール:ファンクションエルゴ 防護ズボン】
参考価格:1万9224円
サイズ:44ー50
森林作業用防護作業服のファンクションエルゴは、各部分に伸縮素材や高耐久性素材を使用しており、切断防止クラス1となっています。
デザインもオシャレで、カーキ色に蛍光オレンジの差し色が映えてかっこいいですね。
その他にも、高所作業時に必要となるハーネスやカラビナはペツルでも数多く取り扱っています。
ヘルメットは林業の基本の装備
林業などの作業には、それに合った服装があります。
中でもヘルメットは大事な頭部を守る、基本の装備です。
見た目がカッコいいとか安かったではなく、安全性を考えて選びましょう。
もちろんハーネスやカラビナ、ロープなどの装備も同じです。
そして、装備や道具は、日々のメンテナンスを忘れないようにしてください。
安全に作業を終えることが一番です。
そして、今回紹介したペツルのヘルメットは、安全の基準を満たしているものもあります。
性能面から、検討に値するでしょう。