アウトドアにあったら便利なキャンプ用のケトル。
「ちょっと休憩にコーヒーでも一杯」とお湯を沸かそうかと思ってふと中を見ると、なんとカビが!
こういう経験はありませんか?
アウトドア用のケトルって家庭用のヤカンと違ってちょっとお値段張りますし、できることなら使い続けたいですよね。
ケトルに付いたカビは取れるのか、そして取り方はどういったものがあるのか一緒に見ていきましょう。
緑色や黒色をしたカビの取り方
まず、カビと一言で言っても、その種類はざっと3万種もあります。
ここではケトルに発生すると考えられるものから見ていきましょう。
ケトル内部の底に発生するほか、前回使って残ったお茶の葉などに生えてしまうこともあります。
発生したカビはどんな色をしていましたか?
まずは、黒色や緑色をしていたり、何かモコモコしたものが浮いていた場合のカビの取り方をお教えします。
発見したのがご自宅でなく、アウトドアで洗剤がない環境であった場合でも安心してください。
最初に、残っていた水分やごみがあれば捨てます。
そのあと、ケトル内部のカビを洗い流すか、ウエットティッシュなどでふき取ります。
使用済みのウエットティッシュはビニール袋などに密封して破棄してください。
次にケトルに水をなみなみ注ぎ、沸騰させてからしばらく煮立たせます。
これだけでカビは死滅します。
ちなみに、ふき取るときは間違ってもティッシュなど乾いたものは使わないでください。
綺麗に取れないうえ、カビの胞子を周囲にばらまいてしまうことになります。
また、熱湯をかけるだけではカビ菌は死滅しません。
必ず煮立たせましょう。
ご自宅で発見したのなら、食器用洗剤で洗ったあと沸騰させ、最後にキッチンハイターなどで漂白すれば大丈夫です。
最後に、手を洗うのを忘れないでくださいね。
ケトル内にカビが発生する条件
取り方を把握したところで、再びカビが発生しないためにできることは何でしょうか。
カビが発生する条件から見ていきましょう。
・湿度80パーセント以上
・温度20~30℃
・汚れ
・酸素
これらの環境が、カビを招いてしまいます。
真夏や梅雨の時期だけでなく、意外に春にも発生してしまうこともあるので、早めの対策が必要です。
キャンプから帰宅するとつい面倒臭くなって、キャンプ用品一式をカバンに押し込んだままにしてしまうことって、よくありますよね。
保管方法によってはケトルだけでなく、他のキャンプ用品にもカビが生えてしまいます。
汚れたまま、濡れたままにせず洗ったあとは、よく乾かしてから保管しましょう。
しまう棚は、編み目式のラックをおすすめします。
密封しないことで湿気もこもりませんし、中に何が入っているか一目でわかるので便利です。
また、キャンプ用品をしまう部屋はこまめに掃除と換気をしましょう。
温度や湿度もカビの発生条件に関係してきますので、温度計湿度計もあれば管理が十分に行き届きますね。
ケトルがカビ臭いときの取り方
「カビ臭い」などと言いますが、実はカビ自体には臭いはありません。
カビが繁殖するときにできる老廃物が、カビの臭いの元となるのです。
基本的にはカビの臭いは、カビの原因となるものを除去することでなくなります。
カビは菌ですから、根付いてしまったときには死滅させるしかありません。
ケトルに付いてしまったカビの臭いを取るには、これらが有効です。
・熱湯消毒
・消毒用エタノール
・塩素系漂白剤(キッチンハイターなど)
「なんだかケトルがカビ臭い」と感じたとき、気になるのは健康に影響があるのかどうかですよね。
カビは繁殖の際、胞子を空気中に放出します。
カビの周辺に漂う胞子を吸い込むことで、気管支喘息やアレルギーの原因となるのです。
また、カビの胞子が食品に付着した場合は食中毒も引き起こしてしまいます。
小さなお子さんのいるご家庭では、心配ですよね。
ですから、ケトルなどキャンプ用品の保管方法や場所はとても重要になってくるのです。
普段の生活で使わないものですから、押し入れなどにしまうことが多いかと思います。
ですが、密封された部屋は空気がこもりがちですね。
定期的に扇風機などで新鮮な空気を送り、意識的に換気してください。
できてしまってからの取り方を知ることも重要ですが、できないようにすることも心がけましょう。
ケトル底の白いカビと思わしきものの正体
次にケトルに発生しやすい、白いカビと思わしきもののお話です。
ケトルの底を覗くと、白いカビのようなものが生えてしまった経験はないでしょうか。
しかし、「黒いカビの取り方で洗っても洗っても取れない!」なんてことはありませんか。
これは捨てるしかないのでしょうか?
いいえ、実は白いカビと思っているものの正体は、水に含まれるカルシウムやマグネシウムなどのミネラル分が石炭化したものの可能性があります。
つまりこの場合はカビではなく、カルキなのです。
ケトルだけでなく、ご家庭でしたらシンクや浴槽にも同じものが付いていることがあります。
結論から言うと、このカルキが付いた状態で作ったお湯を飲んでも人体には害はありません。
衛生上の問題は何もないので、取れないからといってケトルを捨てる必要もないということです。
ただ、すぐに取らないといけないものではないのですが、カルキが付いた状態では熱伝導率が悪くなってしまいます。
お湯も沸きにくくなりますし、ケトルの寿命は短くなります。
見た目もよくないのでできたら取ってしまいましょう。
クエン酸と重曹を使ったカルキの取り方
ケトルの内部の白いカビだと思っていたものが、カルキだとわかったところで、取り方をご説明します。
カルキは、食器用洗剤で洗っただけでは落ちません。
以下の材料をご用意ください。
・クエン酸 20g
・重曹 大さじ2
・水
・スポンジ
取り方としましては、
1、水をケトルになみなみ注ぐ
2、沸騰したらクエン酸と重曹を入れて混ぜる
3、10分ほど煮立たす
4、火を止めたら蓋をして1,2時間から一晩おいておく
5、水を捨ててケトル内をスポンジで洗う
以上になります。
重曹は発砲作用でクエン酸の効果を高めてくれるうえ、研磨作用もあります。
なくても大丈夫なのですが、あった方がより効果的です。
それに臭いも除去してくれますよ。
注意点として、スポンジは柔らかいものを選んでください。
メラミンスポンジや、スチールたわしなどはケトル本体に小さな傷をつけ、逆にカビの繁殖場所となってしまいます。
ちなみに、クエン酸でなくても同じ酸性のお酢でも代用できます。
ただ、お酢のにおいがケトルに移ってしまうことがあります。
お酢のにおいが気になるようでしたら、重曹だけでもう一度煮立たすとにおい除去になりますよ。
ケトル内にカルキが発生する理由
水に多く含まれるミネラル類の結晶は、熱が加わることでカルキ(石炭)になります。
特に硬水は、ミネラルウォーターと呼ばれるだけあって、豊富に含まれています。
日本でも地域によってはミネラルが多いところもあるので、一概に硬水がカルキの原因だと言えません。
ケトルに付いたカルキは、例えばうっかり水を全部蒸発させて空焚きしてしまったときにできてしまいます。
アウトドアだと、焚き火などにかけっぱなしにしてしまうこともありますよね。
そして、石炭化したことに気付かないで、次の水を入れて使い続けてしまいます。
すると、どんどんカルキは蓄積していくのです。
特に、アウトドア用のケトルは毎日使うものでもないので、発見が遅れます。
ですので、使い終わったケトルは、中をチェックしてください。
カビとは違い、熱を加えただけでは除去できませんので、カルキの取り方には手間がかかります。
キャンプから帰ったときなど、タイミングを決めて除去を習慣づけるのもいいですよ。
ケトルにカビを作らせないためにすること
ケトル内部にできたカビ。
キャンプ中に発見してしまったら、せっかくのアウトドアが台無しですよね。
緑や黒のカビは取り方よりも、発生させないことが大切です。
ちょっと大変ですが、健康のために管理を怠らないようにしましょう。
逆にカルキはお湯を作るたびに、どうしてもできてしまうものです。
こちらはできてしまったら、取るようにしましょう。
いずれにしてもキャンプを彩ってくれるケトルですから、長い間使っていきたいですね。