最近人気の出ているショルダーバッグ・サコッシュ。
袋状・長方形と、形に違いがありますがどれもマチが無いのが特徴です。
シンプルで身に付けやすく、アウトドアシーンで活用している人も多いようです。
今回は、そんな人気のサコッシュについてまとめてみました。
シンプルなのに便利なショルダーバッグ・サコッシュ
サコッシュの語源はフランス。
「袋」を意味する単語ですが、一般的には自転車のロードレース中にレーサーに補給物資を渡す時に使われるバッグを指します。
一秒以下のタイムを争うレース中に素早く渡すため、収納量とアイテムの取り出しやすさを重視した作りになっています。
薄く軽い素材で作られているのが最大の特徴です。
このように自転車レースで活用されていたアイテムですが、機能性・デザイン性に優れていることから、いまではさまざまなメーカーが独自のサコッシュを販売しています。
細かな違いはありますが、基本的には薄くて軽いという形状は変わりません。
そのような特徴を活かせるのが、アウトドアシーンでの使用です。
サコッシュは、多くのハイカーやキャンパーに愛用されています。
本来のサコッシュは紐部分の調整ができないのですが、アウトドア向けのサコッシュはショルダーベルトがついていて、体格や用途に合った調整が可能です。
他のショルダーバッグとの違いはここ!サコッシュの特徴
サコッシュの特徴は、そのシンプルな形状にあります。
ボディバッグやウエストポーチなどはしっかりとしたマチがある分、しまうアイテムが多い時にはとても邪魔に感じてしまいます。
サコッシュは、ショルダーバッグのように肩から掛けてサブバッグとして使われますが、サコッシュにはマチが無く、長方形の袋状のものがほとんどです。
内容量に限りがある分、かさばらない程度に収まるので身に付けていても煩わしさはありません。
そして、基本的に薄い素材で作られているので、収納物がない時に身に付けていてもかさばりません。
柔らかいナイロン生地で作られているものが多く、手の中に握りこんでしまえるほど小さく畳めるものもあります。
生地の特性により摩耗に強く、物が引っ掛かりにくいので、何よりストレスなく出し入れができます。
使ってみるとその違いは明らかです。
そしてサコッシュを手にしてみると、その軽さに驚きます。
重さがあるバッグは、アウトドアで持ち歩くには不向きですから、シンプルで軽く持ち運びやすいサコッシュは、アウトドアに最適のアイテムと言えます。
他のショルダーバッグにはないサコッシュのメリット
出かけた先に魅力的な景色や動植物があった時、カメラやスマホを取り出して写真を撮ろうと思いますよね。
カメラやスマホをショルダーバッグやザックにしまって背負っていたとしたら、取り出すまでに
・バッグやザックを下ろす
・カメラを取り出す
・写真を撮る
・カメラをしまう
・バッグやザックを背負う
といった5つの動作が必要です。
一方、サコッシュにカメラをいれて持ち歩いていた場合には
・カメラを取り出す
・写真を撮る
・カメラをしまう
たった3つの動作ですんでしまいます。
肩から下げているサコッシュに手を入れるだけなので対象から目を離すことなく、立ったままこの動作を行うことができます。
立ち止まることもないかもしれません。
たった2動作の違いですが、しゃがんでザックを下すことが無い分、体への負担が小さくてすみます。
直前までの動きを邪魔せず、少ない動作でアイテムの出し入れができることが、サコッシュの最大のメリットと言えます。
実際にサコッシュのメリットを引き出す使い方をご紹介します。
●カメラを入れておく
野外に出ると取り出す機会が格段に多いアイテムです。
シャッターチャンスを逃さないためにも常にサコッシュにいれて持ち歩きたいものです。
●地図やコンパスを入れる
トレイルや登山で活躍する地図やコンパス。
ルートの確認に時間をとられないためにもサコッシュに入れておくことをおすすめします。
●行動食を入れる
野外での活動は体力を使います。
行動食をサコッシュに入れておけば歩きながらでも補給ができます。
●貴重品を入れる
キャンプ中、サイトを離れるときの貴重品袋にもなります。
日本が発祥!ハイカーサコッシュの歴史
ここまで述べてきたように、サコッシュはアウトドア、とりわけ野山を行動する中でそのメリットを最大限に発揮するアイテムです。
このようなトレッキングやハイキングといった野外シーンで活躍するサコッシュを「ハイカーサコッシュ」と呼びます。
このハイカーサコッシュが日本発祥だということをご存知でしたか?
最初のハイカーサコッシュは、UL(ウルトラライト)ハイカーと呼ばれるシンプルで軽量な装備を身に付けてハイキングやトレッキングを楽しむ人たちの手によって作られました。
最初は現在あるものとは違い、ショルダー部分の調整などができないシンプルなものだったそうです。
ULハイカーの中にはMYOG(Make Your Own Gear)というULシーンにおけるギア自作をする人が多くいます。
その入門アイテムとしての認知が進むとともに、ハイカーアイテムのメーカーからも製品として発表され、いまでは登山の定番アイテムとして定着しています。
このような経緯でアウトドアシーンでの活用を目的として誕生したハイカーサコッシュですが、間もなくファッションシーンでも取り扱われるようになります。
違いを実感!ハイカーがサコッシュを選ぶワケ
ハイキングやトレッキングといった山歩きに持ち歩くアイテムは、カメラ、スマートフォン、地図やコンパス、行動食など、必要な時にすぐに取り出して使いたいものばかりです。
サコッシュが登場する以前には、こういったアイテムをしまうのにウエストポーチやフロントバッグなど、さまざまなものが活用されてきました。
これらのバッグは、収納は十分ありますが、身に付けた時の重さや取り出しづらさがあり、手軽なアイテムとは言い切れません。
今では、ショルダータイプで身に付けやすいことと軽い構造から、ハイカーの間では、もっぱらサコッシュの使用が基本となっています。
基本的に作りやデザインがシンプルなため、自分用に改良するというハイカーも少なくありません。
ショルダーの調整にはじまり、他のバッグとの干渉が無いように、自分の体にぴったり合うよう作り替えていきます。
複雑な構造のバッグでは改良もままなりませんが、サコッシュは自作できるくらい簡単な構造をしています。
そのため、気に入ったタイプのものを入手してから自分好みに作り替えるのが主流です。
まったく同じサコッシュでも、使う人によってさまざまな違いが出るのも面白いところです。
違いを見分けて自分にぴったりのサコッシュを手に入れる
サコッシュの基本は、四角い袋にショルダーベルトがついた形です。
メーカーはほぼ、この形を変えずに様々な機能を足したサコッシュを販売しています。
サコッシュ選びには、まず、自分がどのような用途で使うのかをイメージしておくことが大切です。
タウンユースかアウトドア用かで、だいぶ機能に違いがでます。
アウトドアで使うのだとすると、何を入れて持ち歩くのか、ほかに持つバッグがどのようなものかによってもショルダーの長さやサコッシュ自体の大きさが変わってきます。
買った後で自分で作り替えるのもいいですが、まずは自分の思い描く用途に合ったものを選びましょう。
なかなか決められなかったりイメージがうまくできないときは、他のハイカーの使い方を参考にしてみるのもいいでしょう。
販売されているサコッシュの中には、肩から掛けた時に袋部分が揺れてしまわないように小さなループが付いていて、体やザックに固定できるものもあります。
また内部にキーループの付いたものもあります。
自宅のカギはもちろん、落としたくない貴重品を付けておけるので安心です。
また、各メーカでカラーが豊富にあるのもうれしいポイントですね。
よく吟味して、自分に合ったサコッシュを見つけましょう。
シンプルで便利!サコッシュはもうひとつのポケット
サコッシュにはよく使うもの、緊急性の高いものを入れておくと、素早く取り出すことができてとても便利です。
ここで主にご紹介したのはナイロンでできたシンプルなものでしたが、ほかにも容量の大きなもの、身に付けるだけでなくザックに取り付けられるものなどいろいろな特性を持ったものがあります。
用途に応じたものがきっと見つかるはずです。