バブアーの魅力は何といってもオイルコートされた深い艶と質感にあります。
何年も着続けることで、自分だけの一着として仕上がっていく過程は何物にも代え難いものです。
しかし、オフシーズンの間に上手に保管しておかないとカビの温床になってしまうこともあります。
そうなってしまった場合のカビや汚れの除去方法、カビを発生させない保管方法をご紹介します。
バブアーのオイルドジャケットにカビが!
もともと、バブアーのジャケットは耐久性に優れています。
バブアーのオイルドジャケットは、北海の海上で働く水夫や漁師にために防水性や耐久性を高めるために、ワックスで生地をコーティングしたジャケットを作ったのが始まりです。
このような経緯のあるジャケットなので、雨の日にレインコートのように扱っても全く問題ありません。
おしゃれ着というよりは、野山へ出かけるときに着ていくアウトドア向きのジャケットなのです。
日本でも、アウトドアシーンやライダースジャケットとしても愛用されています。
しかし、近年ではタウンユースとして使用するユーザーも増えてきています。
そもそもアウトドアに適したジャケットなので、街着にするには扱いが難しく、苦労している方も多くみられます。
特に日本の気候は湿気が多いため、ジャケットがカビてしまうことが多いのです。
このオイルコートされたジャケットを、長い期間クローゼットなどの密閉された場所に保管しておくと、あっという間にカビが付いてしまいます。
シーズンがきて使おうとしたときに、取り出してみたらカビだらけになっていたなんて、とてもがっかりしてしまいますよね。
せっかくお気に入りの一着ですからできるだけ手入れをして長く使いたいものです。
ジャケットについたカビを除去する方法はないのでしょうか。
ジャケットに付いたカビを除去する方法
一度発生してしまったカビは、ジャケット全体に広がっていることが多いため、全てを自分で除去するのはとても大変です。
「目立つ部分だけでも」と市販のカビ取り剤などを使ってしまうと生地にしみ込んだオイルがムラになったり生地が傷んでしまいます。
カビは取れたけれど、生地がムラだらけになってしまったら格好がつきません。
少しでもカビが付いているのを見つけたら、一度丸洗いして落とすことがカビを除去する早道です。
丸洗いと言っても十分な注意が必要です。
バブアーのジャケットにはオイルが塗りこめられているため、当然他の洗濯物と一緒にはできません。
自宅の洗濯機には入れられませんので、自分で洗濯をする場合には手洗いすることになります。
バブアーのジャケットの洗い方には2通りあり、ひとつはオイルをすべて取る方法、もうひとつはオイルを多少残す方法です。
ひとつめのオイルを取り除く方法は、特別な溶剤が必要になるので専門のクリーニング業者などに任せる必要があります。
またオイルを洗い落としてしまった場合、再びオイルを塗る(リプルーフ)工程が発生しますので、洗浄とリプルーフを依頼することになります。
ふたつめの方法は、石鹸を使って水洗いする方法で、水溶性の汚れは落ちますがオイルは落ちきることなく生地に残ります。
カビや臭いを除去したい!バブアーのジャケットはクリーニングに出せる?
前項でお伝えしたように、バブアーのジャケットについたカビを除去するためにはジャケットを丸ごと洗浄しなければなりません。
自宅で、洗浄・リプルーフをするというユーザーもいるようですが、オイルドジャケットは特殊な衣料なのでなかなか大変な作業になります。
それではクリーニングに頼めばいいのでは?と考えるところですが、扱いが難しい特殊なオイルドジャケットなので、一般のクリーニング店では持ち込んでも断られてしまう場合もあります。
また、店によってはドライクリーニングをしてもらえることもあるようですが、この洗浄方法だとオイルを落としてしまうためリプルーフしなければなりません。
衣料用のワックスオイルを持っていて、リプルーフまで引き受けてくれるお店もあるようです。
しかし、洗浄でカビや臭いを除去することはできても、リプルーフに使うオイルがバブアー専用のものではないため仕上がりに差が出ます。
元のような艶や色合いにまで戻すには、オイルドジャケットなどの特殊衣料を扱うクリーニング店か専門業者に任せるのが確実です。
カビを完全除去するには…バブアー公認のメンテナンスサービスを利用する
ジャケットについたカビや臭いを取りたい、もとの色艶を取り戻したいと思うなら、バブアー公認でジャケットのメンテナンスサービスを行っている、ラヴァレックスを利用することをおすすめします。
ドライクリーニングからリプルーフ、リペア(生地の裂けや穴の修繕)まで、専門の職人が担っています。
特殊衣料品を扱うクリーニング業者に依頼するのもひとつですが、ラヴァレックスはバブアー公認となっている分、こちらに任せることで細やかなケアをしてもらえます。
クリーニングの流れを簡単にご紹介します。
【クリーニング依頼の流れ】
①クリーニング・修理依頼書に必要事項を記入
必要事項を記入します。
現状確認としてジャケットの状態を書き込む個所もありますので、目視で確認できる範囲で詳しく記しておきます。
②現品を発送
生地を傷つけないよう、やわらかく畳みます。
オイルが包装した紙などに付くのを防ぐためにビニールになどに包んで梱包しましょう。
③発送後にクリーニングカルテが届く
送ったジャケットと依頼書を元にクリーニングカルテが作成されます。
クリーニング料金の見積もりも記載されているので確認しましょう。
④クリーニング依頼
クリーニング期間は依頼する時期によって変わります。
ジャケットを着るシーズンの前後は、受注が多くなるため長くかかってしまうこともあります。
⑤クリーニング済みのジャケットが到着
ジャケットの他に、メンテナンス後の保管方法についての案内も入っています。
今後のケアの参考にしましょう。
ジャケットの状態により、オイル染みや生地の傷み、金具の欠落が起こる可能性があり、クリーニングカルテが届いた時、それらの修理の希望の有無も確認されます。
また、カビがついたジャケットの場合、カビの除去をするために、通常の洗浄の他に特別洗浄をする必要があります。
それらの確認ができたうえで現品を送りクリーニングが開始となるので必然的に時間がかかります。
また、修理を含むクリーニング料金が高いと感じてしまうかもしれません。
しかし、一度頼めばカビだらけだったジャケットが、元の状態にまでよみがえります。
今後も長く付き合うものになるはずですから、一度試してみるのも良いかもしれません。
カビを発生させないために…使用後の手入れ
大切にしたいバブアーのジャケットにカビが生えてしまうと、カビを除去するために大変な労力や時間がかかります。
このような事態を避けるためにも、普段からの手入れを欠かさないようにしましょう。
手入れのポイントをまとめてみます。
●濡れた場合は自然乾燥させる
●汚れた部分は水で絞ったスポンジでたたくようにして落とす
●使用後はジャケット全体を軽くブラッシングしてほこりを落とす
これらの手入れをするだけでもジャケットのもち方が随分違ってきます。
ジャケットが濡れてしまって乾かす時には、直接熱を当てないようにしましょう。
オイルが乾燥してしまい生地が傷みます。
時間がかかりますが、自然乾燥させてください。
また、汚れを落とす場合はお湯ではなく必ず水を使います。
お湯を使ってしまうとオイルが落ち、色ムラの原因になります。
使用後のほこり取りも重要です。
ほこりが長い時間ついたままになると、オイルの抜けが早まり質感や色味にも影響が出ます。
カビを発生させないために…オフシーズンの保管法
シーズン中は着るたびに、ほこりを落とすなどの手入れを欠かさず行いましょう。
暖かかくなってきたら使うことがなくなるので、クローゼットへしまうことになりますが、ここでも注意が必要です。
そもそも最初にカビが付いているのを見つけたのは、クローゼットではありませんでしたか?
できれば密閉された場所は避けて保管してください。
バブアーのジャケットには独特の匂いがありますから、収納場所には気を遣う必要があります。
他に場所が見つからない場合には、ジャケットに不織布などの通気性の良いカバーをかけて保管します。
何もかぶせずにおくと、他の衣類にオイルや匂いが付く可能性があります。
他の服に付いてしまったオイル・匂いを除去するのはほぼ不可能です。
一度しまってもそのままにせず、時々クローゼットから取り出して状態をチェックします。
同時に陰干しをし、カビが付くのを防ぎましょう。
湿気が生地にこもることのないよう、乾いた状態を保ちましょう。
こまめに手入れをして愛用の一着に仕上げよう
バブアーのオイルドジャケットは扱いが難しく手間のかかる品物ですが、時間をかけて手入れをしていくことで一生物になる価値あるジャケットです。
身に付けて楽しみ、しっかりと手入れをして長く使えるものにしていきましょう。