週末になると、大勢の山ボーイや山ガールが登山を楽しんでいます。
今、まさに登山ブームの真っただ中と言えるでしょう。
登山は、誰もが楽しめるレジャーとして定着していますね。
山の中でテントで一晩過ごすことは、登山の醍醐味の一つです。
使用する登山用のテントには、ある条件が求められます。
購入後に後悔しないためにも、初心者は事前に条件を知っておきましょう。
登山テントを選ぶポイントと、おすすめの登山テントをご紹介します。
- 登山用テントとキャンプ用テントには違いがある!
- 大人数で登山する場合は2~3人用のテントを複数個用意するのがおすすめ
- 登山テントの購入を失敗したくないならここもチェックしておこう!
- 下山後の登山テントのお手入れも忘れずに!
- 初心者はこれを押さえておこう!おすすめの登山テント
- モンベルのステラリッジテントもおすすめ
- 低予算で済ませたい方におすすめテント「モンベル クロノスドーム1型」
- 定番登山用テント「MSR フリーライト1」の驚きの軽さ
- オールシーズンテントの定番なら「MSR アクセス1」
- 「ヒルバーグ ウナ」は、いつかは使いたいハイエンド登山用テント
- さらにハイレベルな登山を目指すなら「ヒルバーグ スタイカ」がおすすめ
- UL登山におすすめの「スノーピーク ラゴPro.air1」で超軽量化!
- 山での時間を有意義なものに!適した登山テントを持っていこう!
- 軽さや強度など、目的に応じて優先順位を決めよう
登山用テントとキャンプ用テントには違いがある!
登山人口が多い国はどこかご存知ですか。
実は、ドイツ、イギリス、イタリア、日本と言われています。
特に日本の場合は、レジャー登山の人口が非常に多いです。
日本は、登山しながら植物や景色が楽しめる、恵まれた登山環境なのです。
テントを張り、大自然に囲まれながら眠りについて、朝日と共に起床することは、日常ではなかなか味わえない経験ですよね。
忙しい毎日で心身供に疲れがたまっている人は、リフレッシュの意味も込めて登山がおすすめです。
山の中で寝泊りするにはテントが必要になるわけですが、実は登山用のテントとキャンプ用のテントには違いがあります。
大きな違いは、重量と機能です。
一般的なキャンプは、キャンプ場まで車で行けます。
車が荷物を運んでくれるので、必要と思われる荷物を重量を気にせず持っていけますよね。
しかし、山の中でのテント泊は、テントなどの装備を全部自分で背負って移動させなければいけません。
重量があればあるだけ自分の体に負担がかかり、体力を消耗してしまいます。
ですから、登山用のテントは、軽くてコンパクトサイズであることが重要なのです。
また、山の突然の天候の変化にも対応できる機能がなくてはいけません。
風雨に弱いテントでは崩壊の危険もあり、安全に夜をあかすことは不可能です。
ゆえに、丈夫なポールであったり、防水性や耐久性に優れた素材のテントを選ぶ必要があります。
大人数で登山する場合は2~3人用のテントを複数個用意するのがおすすめ
登山用のテントと一口に言っても、テントには色々な種類やブランドがあります。
テントの選択肢が沢山あることは喜ばしいことではありますが、知識を持っていない初心者にとっては、どれを選ぶべきかわかならくなってしまいますよね。
テントは身を守る大事なアイテムでもあるため、決して安くはありません。
購入後に「必要だったのはこのタイプではなかった!」と後悔しないためにも、これから登山用のテントを選ぶ際にチェックすべきおすすめポイントをご紹介していきます。
<人数>
まず、登山に参加する人数によって、何人用のテントが必要か決めましょう。
一緒に行く人の体格によっても違いますが、例えば5人以上になる場合には、大きなテントを一つ持っていくよりも、2~3人用のテントを何個か持って行くほうがおすすめです。
そうすることにより、仲間で荷物を分散して運搬できますよ。
登山テントの購入を失敗したくないならここもチェックしておこう!
登山テントを選ぶ際にチェックすべきポイントはまだありますよ。
<テントの種類>
登山テントを購入する際に迷ってしまうのが、「シングルウォール」と「ダブルウォール」のどちらにするかです。
この2種類のテントは、それぞれ得意としている分野が異なるので注意が必要です。
シングルウォールは、軽かったり設営が簡単なメリットがあります。
しかし、多くの登山者が使用していて主流となっているのが、「本体+フライシート」を使用するダブルウォールタイプです。
メリットとしては、防水性がアップすることと、土間空間ができることにより、荷物を置くことができることです。
特に、荷物が多くなってしまいがちな女性にもおすすめです。
雨などの天候による影響が少ないので、初心者も最初はこちらのタイプを選ぶといいでしょう。
<使用する季節を考慮する>
販売されている多くのテントは、冬を除いた3シーズン使用できるタイプです。
オプションとして、寒さや雪対策のギアを買い足せば、冬山でも使用できます。
登山のハイシーズンの夏に主に使用したい場合は、通気性に優れたテントや、入り口や通気窓に防虫ネットがついているテントを選びましょう。
少しでも快適に過ごせるような工夫が施されているタイプのものを選ぶことも大切です。
下山後の登山テントのお手入れも忘れずに!
無事に登山も終了し、楽しい思い出作りができたその後は、登山で使用したテントのお手入れをしましょう。
何もお手入れしないと、テントが傷む原因になってしまいますよ。
命を守ってくれる登山テントは常に快適で、持っている機能を発揮できなくてはいけません。
ですから、お手入れをしっかりして、次の登山の際にもテントを良い状態で使用できるようにしましょう。
まず最初に、朝、テントを撤収する前に、フライシートと本体を分けてしっかり乾燥させておくことが大切です。
水分を含んだテントは重くなるので、移動も大変になります。
水分を除去してテントの軽量化をはかるためにも、乾燥させる一手間を加えることをおすすめします。
下山してからも、収納袋から出して乾かすことが重要です。
フライシートに泥汚れなどの目につく汚れが付着している場合は、濡らしたスポンジで軽く洗い、雑巾で優しく拭き取りましょう。
それでも落ちない頑固な汚れには、薄めた中性洗剤を使用してみましょう。
ペグやポールの泥汚れも、しっかり落としておいてくださいね。
初心者はこれを押さえておこう!おすすめの登山テント
それでは、ここからは、数ある登山テントの種類の中から、初心者におすすめの登山テントをご紹介していきます。
●「ヘリテイジ:エスパース デュオ アルティメイト(1~2人用)」
使用する登山者が安心を感じながら、山を楽しめる装備の創造を目指しているヘリテイジ。
そんなヘリテイジは1981年に東京で誕生しました。
アイデアを素早くサンプリングや具現化をするために、1997年に長野県安曇野に移転しました。
ドーム型で自立性のあるエスパーステント、ゴアテックスウエアなどの登山用品を生み出しています。
特に、エスパーステントは従来までの自立性のないテントとは異なり、居住性、収納性、重量を大きく改善しました。
それから何度も改良が行われ、のちに山岳テントの代名詞とまで言われるようになったそうです。
ヘリテイジのテントは、グランドシートとレインフライにPU防水加工と撥水処理が施されています。
そのため、急な雨にもしっかりと対応できます。
ポールには、軽くて丈夫なDAC製アルミ合金中空ポールが採用されています。
・重量は約1.55kg(ペグは別 0.1kg)
・サイズ:間口210×奥行き130×高さ115cm(内寸高110cm)
・セット内容:テント本体、フライシート、ポールセット、予備バラポール1本、収納袋(本体、ポール、ペグ)、自在付き張り綱4本(装着済み)、ペグ8本、取り扱い説明書
モンベルのステラリッジテントもおすすめ
もう一つ初心者におすすめしたい登山テントに、モンベルのステラリッジテントがあります。
その理由を以下にご紹介しますね。
●「モンベル:ステラリッジテント」
モンベルの店舗は、大型のショッピングモールやアウトレットモールでよく見かけますよね。
日本を代表する、日本発のアウトドアメーカーとして有名です。
モンベルでは、アウトドアに関するウエアやギアの開発、製品化、販売を行っています。
ご紹介するステラリッジテントは、モンベルのオリジナルテントです。
ステラリッジテントの主な特徴は、軽い・高機能・リーズナブルな価格にあります。
ステラリッジテントには2型(2人用)・3型(3人用)・4型(4人用)・6型(6人用)があります。
「1秒でも早く設営可能で、1gでも軽く!」という考えをもとに作られているため、初心者にも扱いやすいです。
また、生地には引き裂き強度にも優れている「バリスティック」が使用されています。
そのため、見た目に薄くても実際には強いため、強風が吹いても安心できます。
ポールはスリーブに通すだけで、スリーブエンドに固定されます。
ですから、例え初心者であっても、強い風が吹いている時でも、たった1人であっという間に設営できますよ。
ただし、フライシートは別売りなので注意しましょう。
低予算で済ませたい方におすすめテント「モンベル クロノスドーム1型」
「モンベル(=mont-bell)」と言えば日本のアウトドアブランドで、上質で安価なことは有名です。
登山ウェアや寝袋、ザックなどを製造・販売しているモンベルは、もちろん登山用のソロテントも製造・販売しています。
そのモンベルの定番テントであり、おすすめのテントは「クロノスドーム 1型」です。
「クロノスドーム」は3シーズン用ダブルウォール式ドーム型のシリーズです。
「1型」とはソロテントであることを表し、2人用の「2型」、4人用の「4型」と展開されています。
クロノスドームといえばその価格が有名で、1人用で¥21,000(+税)と非常に安価です。
そのため、エントリー用として購入する方も多いアイテムです。
安価ではありますが、その性能は優れています。
重量は1.95kgと、軽量テントの目安となる2.0kgを下回っています。
本来であれば鋭角に交差するはずのポールを直角に交差させる「バーティカル・クロス・システム」により、居室を広々使える構造になっています。
難燃性素材を用い、ガスバーナーによる火災対策も取られています。
なお、詰めれば成人男性2人を収容することもできます。
夏山でテント泊デビューをするなら、安価で高性能な「モンベル クロノスドーム」はいかがでしょうか。
定番登山用テント「MSR フリーライト1」の驚きの軽さ
「MSR」と言えば、登山ギアを購入するうえで欠かすことができないブランドです。
テント以外にもスノーシューやアバランチギア類、ガソリンストーブなどあらゆるギアを取り扱っています。
そのMSRでおすすめのソロテントは「フリーライト1」です。
フリーライトは、3シーズン用のダブルウォール型テントで、ハブとスイベルで連結された一体型ポールで自立します。
このフリーライトの大きな特徴と言えば、メッシュインナーでしょう。
インナーテントの上半分がすべてメッシュパネルを採用し、高い通気性を誇ります。
これによりテント内部が結露せず、寝袋や装備が濡れてしまうのを防ぎます。
高い通気性のおかげで、夏場でも快適に就寝できることでしょう。
このメッシュインナーと独自の一体型ポールにより、重量は890gと、脅威の軽さを実現しました。
前の項でご紹介した「クロノスドーム」の半分以下の重量です。
なお、ソロテントとして紹介したクロノスドームは厳密には「1~2人用」のテントです。
それに対し、フリーライト1は正真正銘のソロテントで、インナーテントの広さはぴったり一人分程度です。
最低限必要な機能は持ちつつ驚きの軽さを実現した「MSR フリーライト1」で、装備の軽量化を目指しましょう。
オールシーズンテントの定番なら「MSR アクセス1」
3シーズンテントは安価で軽量ですが、いざ冬山へステップアップするとなると、新たに冬山でも使えるテントを購入する必要が出てきます。
今後、冬山登山へステップアップしたいという気持ちや予定があれば、「軽量な」オールシーズンテントの購入がおすすめです。
そこでおすすめのアイテムは、「MSR アクセス1」です。
「アクセス1」は、前の項でご紹介した「MSR」のオールシーズン向けソロテントです。
ダブルウォールの自立式テントで、強風と積雪に耐えうる堅牢な構造をとります。
ハブを用いた独自の一体型ポールで、設営に手間がかからない点も大きな魅力です。
さて、このアクセス1はオールシーズンテントにも関わらず重さはたったの1,370gしかありません。
前の項でご紹介した3シーズンテントの「モンベル フリーライト」よりも軽く、高い剛性を持ちます。
ドアの上部はメッシュパネルを用いており、ベンチレーションとしての役割を持ちます。
¥70,000(+税)という価格は決して安くはありませんが、オールシーズンを1つでこなし、軽さや設営の容易さなどを考えれば妥当な価格ではないでしょうか。
「ヒルバーグ ウナ」は、いつかは使いたいハイエンド登山用テント
「ヒルバーグ(=HILLBERG)」と言えばハイエンドなテントブランドの定番で、「いつかは使いたい」と憧れている方も多いのではないでしょうか。
今日では、登山先のテントサイトでヒルバーグのテントを目にする機会も増えました。
そんなヒルバーグのテントを購入するなら、「ウナ」がおすすめです。
ウナは自立式のオールシーズン向けダブルウォールソロテントで、スカンジナビアの言葉で「小さい」を意味する言葉から名づけられました。
その名の通り、小さくコンパクトでシンプルな構造を取ります。
なんと、ウナには前室がありません。
そのため、名前の通り設営面積が「小さく」、地形によらずあらゆる場所へ設置することができます。
なお、ウナはポールで自立したアウターテントからインナーテントが吊り下げられた構造を取り、アウターテントとインナーテントが接続された一体型の構造をしています。
そのため、設営に要する手間が非常に少なく、悪天候時でも素早く設営できます。
¥89,000(+税)と非常に高価なアイテムですが、過酷なフィールドで性能を実感できることでしょう。
さらにハイレベルな登山を目指すなら「ヒルバーグ スタイカ」がおすすめ
「スタイカ」は、前の項でご紹介した「ウナ」と同じく、スウェーデンの老舗ブランド「ヒルバーグ」から発売されています。
その「ウナ」は、バックパッキングを前提としたオールシーズンラインナップ「RED LABEL」に属しています。
それに対して「スタイカ」は、極限状態のオールシーズン・オールウェザーに対応し得る「BLACK LABEL」に属しています。
まさに、「最高峰」とも呼べるテントです。
スタイカでは、高い引き裂け強度を誇る「Keron1800」という生地を用いています。
岩場や氷、クランポンといった雪山用の装備をひっかけても簡単に裂けることがなく、裂けても大きく裂け広がらない強い生地です。
ポールは直径10mmの太い物を用いています。
これにより、強風や積雪にも屈しない強靭なテントとなりました。
そして、「ウナ」と同様にアウターテントからインナーテントが吊り下げられた一体型の構造をとるため、設営は容易です。
厳冬期のアルプス登山など過酷なフィールドで使用するなら、どんなテントよりもおすすめのアイテムです。
UL登山におすすめの「スノーピーク ラゴPro.air1」で超軽量化!
新潟の燕三条で生まれた老舗アウトドアブランド「スノーピーク」はご存知でしょうか。
キャンプやライフスタイルに即したアイテムが多い印象のスノーピークですが、登山に適したテントも発売されています。
それが「ラゴPro.air1」です。
ラゴPro.air1は非自立式のダブルウォールソロテントで、3シーズン用です。
設営に用いるポールは専用の物だけでなく、トレッキングで用いるポール(ストック)を代用することも可能です。
そのため、ポール分の荷物を減らすことができ、今日注目が高まるUL登山にもおすすめのアイテムです。
重さは800gで、今回ご紹介した中で最も軽いテントです。
なお、専用の設営ポールを用いてもたったの950gしかありません。
UL登山や、単純に荷物の小型化・軽量化を目指すなら強くおすすめするアイテムです。
山での時間を有意義なものに!適した登山テントを持っていこう!
登山の楽しみの一つに、テント泊がありますね。
普段は見られない山の絶景をテントから眺めることができるのは、至福の時間とも言えます。
登山テントは高機能なだけでなく、コンパクトで軽量な運搬しやすいものがおすすめです。
みなさんの用途に適した登山テントを選んで、思い出深い登山にしましょう。
軽さや強度など、目的に応じて優先順位を決めよう
今回ご紹介した通り、3シーズン用では軽量のアイテムが多く、オールシーズンの物になれば重くなる傾向があります。
しかし、反対に、オールシーズンテントの強度は、3シーズンテントの強度をはるかに凌駕しています。
用途や目的に合わせて、求める機能の優先順位を決めてアイテム選択をするとよいでしょう。
そうしてテント泊登山デビューを果たし、さらに登山を深く楽しみましょう!