一般的なアウトドアの楽しみ方といえば、自然の中でテントを設営したり焚き火をおこしたりしながら、非日常を味わう事にあると言えるでしょう。
しかし、「アウトドアはこうあるべきもの」なんて別に決まっていません。
人それぞれの形があっていいと思います。
屋外に電化製品を持ち出して、不便なく自然の空気を満喫するのだって十分にありでしょう。
ここでは、キャンプ時にコンセントを増設して電化製品を使う方法をご紹介します。
アウトドアで電気ってアリ?屋外でも電化生活しよう!
アウトドアといえば、木や炭・化石燃料などを燃料にして火を起こして、自然の中で暮らすというのが一般的でしょう。
しかし、アウトドアには様々な楽しみ方があります。
電化製品をフル活用して、不便さを感じることなく自然を堪能するというのも、決して間違ったキャンプではないと言えるのではないでしょうか。
近年は消費電力の小さい小型冷蔵庫や、「楽座クーラー CLECOOL V」という屋外に持ち運べるクーラーもあります。
また、近年はインスタグラム等のSNSが流行しており、キャンプを楽しんでいる写真をリアルタイムでネット上に共有したいという方もいらっしゃることでしょう。
スマートフォンでたくさんの写真を撮影して共有しようと思ったら、充電が必要になってしまう事態も想定できますよね。
そんな時に、コンセントが使えると非常に便利です。
ここからは、屋外で電化製品を使うための方法として、発電機や車に増設したコンセントを利用する方法に加えて、電気自動車(EV)をアウトドア用電源として使う方法についてご紹介していきます。
屋外でコンセントを使うといえば発電機!
屋外でコンセントが必要な電化製品を使おうと思ったら、まず思いつくのは発電機を使う事ではないでしょうか。
ガソリンやカセットガスを燃料にしてエンジンを回し、発電を行う発電機は、屋外で電源を得る方法としてポピュラーと言えるでしょう。
しかし、発電機のデメリットとして、かなりの騒音が発生してしまうことが挙げられます。
ただでさえ静かなキャンプサイトで発電機を使おうものなら、周囲の方に非常に迷惑をかけてしまうことでしょう。
そのため、発電機はどこでも使えるものではなく、整備されたキャンプサイトというよりは、人里離れた場所での野営に使うようになるかもしれません。
また、非常に高価であることもデメリットです。
新品で20万円程度の予算は見ておいた方がいいことから、キャンプのためにと軽々と手を出せるものではないでしょう。
このように、キャンプで発電機を使うのは案外ハードルが高いのです。
しかしそれでも屋外で発電したい場合には、既に皆様が所有しているであろうエンジンを使うことで、コスト面については解決できます。
つまり、乗用車を発電機代わりに使うのです。
次の項では、乗用車にあるシガーソケットを利用してコンセントを増設する方法をご紹介します。
車にコンセントを増設!?シガーソケットインバーターを使おう
自動車に乗っている時にスマートフォンを充電しようと思うと、シガーソケットにUSBコネクターを噛ませるという方法で充電しているという方が多いのではないでしょうか。
このことからわかるように、自動車のシガーソケットからは、ある程度の電気を引っ張ることができるのです。
先ほどの例ではUSBとして電源を取りましたが、シガーソケットを利用してコンセントを増設するには、シガーソケット用の「AC100Vカーインバーター」という製品を購入しましょう。
ACは交流のことで、100Vですから家庭用のコンセントと同じ電圧がとれます。
しかし、電流はそれほど大きくありませんから、ドライヤーやIHコンロなどの大電流を使う家電は動かせません。
せいぜい150Wくらいに収まるような、冷蔵庫やサーキュレーターなどのちょっとした電化製品を動かすにとどめておいた方がいいでしょう。
その際に、自動車の外でもコンセントを使えるように、シガーソケットを延長したりコンセントの延長ケーブルを用意しておくと便利ですね。
シガーソケットが無い車両にお乗りの方も心配は不要です。
車のヒューズボックスからシガーソケットを増設することができるキットもありますので、そういった方法を駆使してアウトドアに電源を引いてみましょう。
バッテリーケーブルで外にコンセントを増設!
先ほどは車のシガーソケットを利用して屋外にコンセントを増設する方法をお伝えしました。
しかし、せいぜい150W程度までしか使えないとなると、少し不安が残りますよね。
もっと大量の電気を使いたい場合には、自動車のバッテリーから電気を拝借しましょう。
車のボンネットを開けると、中にはバッテリーが入っています。
このバッテリーに直接電線を接続することで、300W程度までの電気を使えるようになります。
使用するのは、BESTEK社から製造されているAC100Vカーインバーターと、そのオプション製品である「カーバッテリー接続シガーソケットケーブル」です。
ケーブルはワニ口クリップ式になっているので、簡単にバッテリーとつなぐことができますよ。
この時注意すべきなのは、電気を使いすぎないことです。
車のエンジンをかける時に作動するセルスターターは、車のバッテリーの電気を使って動いています。
もし誤ってバッテリーを使い切ってしまうと、車のエンジンをかけることができなくなり、キャンプ場から帰れなくなってしまいますよ。
そういう心配が無いように、次の項ではサブバッテリーについてお話しします。
ぜひ併せてお読みください。
サブバッテリーがあれば不安なくコンセント増設可能!
先ほどの項では、自動車についているバッテリーを利用して屋外でコンセントを使う方法についてお話をしました。
しかし、電気を使いすぎてしまうと自動車のエンジンがかからなくなるという、致命的な弱点もありましたね。
そこでおすすめしたいのが、キャンプで電源を取るためにサブバッテリーを用意するという方法です。
バッテリーは1万円~2万円くらいで購入できるので、発電機を買うよりも手を出しやすい選択肢と言えるのではないでしょうか。
そのうえ、うっかり電気を使いすぎて自動車のエンジンがかからず、家に帰れないという事態を予防することができます。
さらに、サブバッテリーは車に固定されているわけではないので、テントのすぐそばで使うことも可能という点が非常に便利ですよ。
もしカーインバーターから電源を取ってコンセントを増設したいのであれば、なるべくサブバッテリーも用意しておきたいですね。
EVは走るバッテリー!アウトドアのためにEVに乗るという選択肢
最後に、屋外でコンセントを使用する方法として、電気自動車に乗り換えるという方法をご紹介します。
三菱から販売されているアウトランダーPHEVは、珍しい方式を採用しているハイブリッドカーです。
どう珍しいのかというと、タイヤを動かす動力はだいたいの場合においてバッテリーとモーターであって、エンジンは主に発電のためだけに搭載されているのです。
一般的なハイブリッドカーは常にエンジンもモーターも使って走っていますし、その一方でEVには一切エンジンが積まれていないことから、これらのどちらとも違う独特な形式という事がお分かりいただけるでしょう。
自動車であるアウトランダーを屋外用電源として紹介するのには理由があります。
その理由は、アウトランダーに車載されているコンセントからは、1500Wまで使えるAC100V電源がとれるからです。
これだけの電力があれば、家電の中でもトップクラスに電気を使う電子レンジやIH炊飯器まで使えてしまいますから、アウトランダーがあれば屋外でどんな家電でも使えると言えるでしょう。
そのうえアウトランダーは4輪駆動のSUVなので、どんな山奥にも乗り込むことができます。
以上の事から、アウトランダーPHEVが屋外電化キャンプに最適な乗用車と言えるでしょう。
車の外からも電気を引けるようにコンセントを増設すれば、立派なキャンプ用車両です。
もし電化キャンプに興味があって、近いうちに自動車を買い替える予定があるのであれば、一考してみてはいかがでしょうか。
家電を使うアウトドアだってアリ!上手に電気を使って快適キャンプ!
ここまで、あえてアウトドアでコンセントが必要な電化製品を使う方法についてご紹介してきました。
アウトドアはプリミティブに行うものなんて固定観念は捨てて、自分のライフスタイルに合った、無理のないキャンプを楽しみましょう。
ただし、発電機の使用や車の乗り入れで周囲の人に迷惑をかけるのは絶対にダメですよ。
マナーを守って、キャンプ場にいる全員がキャンプを楽しめるように配慮してくださいね。