登山は、季節によって服装や装備に気を遣うものですよね。
登山は気温差が激しい中で体を動かし続けるため、体温調節がとても重要なアクティビティです。
そのため、気温に応じた服装をしっかりと心がける必要があるでしょう。
特に、春は温度調整の難しい時期でもあるため、登る山の標高によっても、その山のレベルに適した服装が変わってきます。
春の山の特徴や注意事項も挙げていくので、ぜひ参考にしてみてください。
春山登山の魅力とは
本格的な登山をやっている人にとって、3月4月は山のオフシーズンとも言われている時期です。
しかし、花が咲く季節ということもあり、おすすめな時期でもあります。
里山や標高がそれほど高くない1000メートル程度の山であれば、雪も解け登りやすいでしょう。
ぽかぽかと暖かい日差しの中で鳥の囀りを聴きながら、新緑の芽吹きの中の山歩きをするのは、とても気持ちの良いものです。
低山であれば、梅や桜を眺めながらのお花見ハイキングもできるでしょう。
しかし、アルプス連峰のように標高2500メートルを超えるような高い山は3月~4月というとまだ雪山です。
また、暖かくなることにより、雪の積もった山では雪崩が発生しやすくなるため、春は特に登る山を選ばなくてはなりません。
ご説明したように、里山などを選べば、春の山はとても魅力的です。
その際に、服装にも注意はらう必要がありますので、のちほどご説明していきます。
春山登山の注意点
前章でも触れましたが、春山登山をする際には気を付けなければならない注意点について、もう少し詳しくご説明します。
春山というのは、急激な気温変化の生じる時期です。
そのため、午前中のうちに行動するように心がけることが大切です。
積雪のない里山であれば、のんびりと登山を楽しむことができますが、それでも地面が緩んでいることもあるので、転倒や落石には注意しましょう。
そして、急な気温低下に備えて防寒対策を忘れないようにしてください。
もし、標高1000メートル以上の積雪のある山に行く場合は、急激な気温の変化により濃霧の発生や、アイスバーンになっている箇所に出くわす可能性があります。
このように、春山は、山の標高によっては危険を伴うことがあります。
暖かくなってきたからといって、油断は禁物ですので気を付けましょう。
次章では、初心者の方が出かけやすい春山とその服装をお伝えします。
春登山は初心者におすすめ!服装は要点を押さえて
それでは、注意点を踏まえて、花が楽しめる春山を満喫していきましょう。
登山初心者の方や、子供連れでも登りやすい春におすすめの山をご紹介します。
●三毳山
標高:229M
花:カタクリ(3月下旬)
●筑波山
標高:877M(ロープーウェー有り)
花:梅(3月~3月下旬)
●高尾山(ロープーウェー有り)
標高:599M
花:桜(4月上旬~5月初め)
●丹沢白山
標高:284M
花:シャクナゲ
ご紹介した山は、比較的低山であるのと、体力に自信のない方はロープーウェーを利用して山頂に向かうこともできます。
手軽にハイキングの気分で楽しめる里山のため、装備もそこまで大がかりな準備は必要ありません。
とはいえ、足元はしっかりと登山靴、もしくはスニーカーで臨みましょう。
また、雨具も忘れないようにしてください。
肝心の服装ですが、登山に適した速乾性のTシャツにパンツ、そしてTシャツの上には長袖のシャツを羽織りましょう。
里山であっても、山頂付近ではひんやりとした空気に包まれますので、汗で濡れたシャツで体を冷やす恐れがあります。
長袖シャツの他にも、風よけになるマウンテンジャケットを持参しましょう。
基本的に、肌を出さないというイメージでコーディネートしてください。
春登山で中級者が気を付けるところは?服装は冬装備?!
中級者レベルになると、1500メートルを超えた春山に挑戦することもあるでしょう。
1500メートル超えの山になると、ところどころ残雪もあり、気温もぐっと下がります。
そのため、服装は防水、防寒対策をしっかりとしなくてはなりません。
まず、足元の登山靴ですが、事前に防水スプレーをしておくことをおすすめします。
そして、足首から泥が浸入しないようスパッツの装着も忘れないようにしましょう。
残雪により地面のぬかるみが多いことがあります。
また、保温対策として、ウール入りの肌着や、ミドルレイヤーのフリースが役立ちます。
そして、サングラスも忘れないようにしましょう。
この時期の紫外線は意外と強く、残雪により目を傷めてしまうことがあります。
がっつり冬山装備とまではいきませんが、普段の生活の冬支度のような防寒対策が春山では必要になります。
上級者になると本格的な登山は山開きまで待機
初級者、中級者ときたら上級者レベルの春の登山をご紹介したいところですが、上級者レベルの登山となると、3月4月の春山はオフシーズンです。
標高2000メートルを超える高山は、まだまだ残雪どころか雪山の状態です。
したがって、日中の急激な気温の上昇により、雪崩が起きる確率が高く危険な時期です。
そのため、アルプス級の山々を登山する方たちは、もう少し時期を待ってから登り始めます。
アルプス連峰級の山頂小屋は、6月位から山開きが始まります。
もちろん、そういった山小屋は6月の時点で、残雪も解け、登山道の状況が整っているという条件を満たしています。
上級者レベルの山を春に登りたいとお考えの方は、6月頃まで待ちましょう。
また、6月はアルプス山脈でしか出会うことのできない、雷鳥に遭遇する確率がとても高いと言います。
そして、この時期の登山の服装ですが、中級者レベルの春山登山に加えて、ダウンや保温性の高い防寒ウェアは必須です。
このような6月から8月にかけてを夏山シーズンと言いますが、多くの登山者が山に向かう時期です。
夏山とはいえ、この時期でさえも夜には気温が10度を下回ります。
それくらい、山の気温差は激しいため、標高の高い山に登る時はオールシーズン防寒着が必要であることを覚えておきましょう。
街使いでもイケる春らしい登山の服装
それでは、春山を楽しむ登山の服装でおすすめをチェックしてみましょう。
ご紹介してきたように、春山はどちらかというと、ハイキング程度の山で花を楽しむことがメインとなる方が多いかもしれません。
そんな雰囲気に合わせて、カジュアルにおしゃれを楽しむ登山の服装をご紹介します。
●ノースフェイス
・スワローテイル フーディー (メンズ・ウィメンズ)
風よけになるジャケットで、通気性の良さや軽量化が登山に適しています。
春や秋の気候に活躍するジャケットで、普段使いにもおすすめです。
●パタゴニア
・トレントシェル・パンツ (メンズ・ウィメンズ)
オールシーズン使えるパンツで、防水、透湿性に優れています。
●ミレー
・LD アルピ シャツ ロングスリーブ J (ウィメンズ)
・フルチア へザー シャツ ロングスリーブ (メンズ)
さらっとした肌触りで速乾性と軽量化に特化したシャツです。
ご紹介したアイテムは、春山に適した素材であり、そのまま街に出かけてもおしゃれを楽しめる服装です。
ぜひ、参考にしてみてください。
春山登山は無理をせずハイキング気分で楽しもう
春の登山について、服装とともに、春の山の特徴をお伝えしました。
春は、上級者レベルの山は控えて、低山で花を楽しむハイキング気分を楽しみましょう。
その際には、急激な気温差に備えて、ご紹介した春山に適した装備を取り入れ、防寒対策を忘れないように心がけてください。