キャンプのシンボルのひとつに、焚き火が挙げられます。
焚き火はキャンパーを照らす光であり、時には食事を作る熱であり、時にはキャンパーを守るともしびにもなるので欠かせない存在です。
とはいえ、最近は焚き火がなくてもキャンプできます。
しかし、せっかくキャンプに行くのであれば焚き火を行いたいですよね。
焚き火をするためには、どのような道具があれば良いのでしょうか。
必要な道具や焚き火の行い方などをご紹介します。
焚き火をする場所と準備すること
「焚き火」というと、アウトドアやキャンプで行うもの、と多くの人が思うでしょう。
しかし、焚き火は大昔から私たちの生活に密着し、欠かせないものでもありました。
火を使うことができる生物は、地球上に人間だけです。
そして、焚き火はいちばんシンプルに火の恩恵を感じることができる方法なのです。
現在では、焚き火やアウトドアやキャンプでしか行うことはありませんが、焚き火の火を見て感じる安心感や安らぎは、はるか昔から変わらないものなのかもしれません。
さて、現代はスイッチひとつで火が使えるので、古代のように専用の道具無しで火を起こせる人はまれでしょうから、道具を用意する必要があります。
また、現代ではどこででも火を起こしていいわけではありませんので、焚き火を行う場所も選ぶ必要があります。
最も焚き火を行いやすいのは、キャンプ場やバーベキュー場です。
こういった場所でも、最近では「直火禁止」であることが増えているため、焚き火台が必要になります。
焚き火台については、後の項でご説明します。
さて、いざ焚き火を行うという前に、火の取り扱いについて再度確認しておきましょう。
・消火用の水を用意する
・近くに燃えやすいものを置かない
・強風のときは行わない
・焚き火の側に必ず誰かいること
上記のマナーとルールを守って焚き火を楽しみましょう。
キャンプ場では焚き火台が主流!どんな道具が必要?
焚き火のスタイルには2種類あり、地面に直接石などを並べてカマドを作って焚き火をする直火スタイルと、焚き火台を使うスタイルです。
しかし、最近のキャンプ場ではほとんどの場合直火が禁止ですから、焚き火台を使う必要があります。
焚き火台を使えば自然や植物を傷つけないため、焚き火をしたいのであればぜひ1台は持っておきたいところです。
ここからは、焚き火台を含め、焚き火を行うために最低限必要な道具をご紹介します。
●焚き火台
直火禁止のキャンプ場でも、焚き火台を使えば焚き火をして問題ないことが多いです。
焚き火台は、焚き火の温度や炎が地面に伝わらないような作りになっています。
更に、煙突効果で燃焼しやすくなっているものなど、各メーカーがさまざまな形状のものを販売しています。
サイズも豊富で、ソロスタイルのひとり用から大人数用の大きなものまで豊富にありますので、お好みのものを見つけましょう。
●着火道具・着火剤
マッチやライターなどです。
マッチであれば防水のものがおすすめです。
ライターは着火口が長くなっているタイプにしましょう。
着火剤はなくても火は付けられますが、初心者は用意しておいた方が良いです。
●なた
薪を焚き火台に載るサイズに切りそろえるために使用します。
なたには片刃と両刃のものがあります。
また、薪を割る作業はコツが必要です。
なたを使う場合は、怪我をしないよう細心の注意を払ってください。
●手袋
通常の軍手ではなく、焚き火では耐熱性の高い皮手袋が必要です。
●火ばさみ(トング)
薪や炭を組みなおしたり、火に薪をくべたりするときに使用します。
●バケツ・ウォータータンク
火を扱うため、水は必ず用意してください。
お気に入りの焚き火台を見つけよう
焚き火に必要な道具をご紹介しましたが、中でも最も重要な道具が「焚き火台」です。
先ほども、各メーカーがさまざまなものを販売しているとお話ししましたが、中でもおすすめのものをいくつかご紹介します。
●コールマン/ステンレスファイヤープレイスⅢ
焚き火も料理も楽しめる使い勝手の良い焚き火台です。
空気の流れが生まれる井げた型のボディは、燃焼効率を高めてくれます。
●ユニフレーム/ファイアグリル
焚き火台でありながら耐荷重が20kgあるため、ダッチオーブン料理にも耐えられます。
焚き火、バーべーキュー、ダッチオーブンとマルチな要望に応えてくれる焚き火台です。
●スノーピーク/焚火台
今では一般的になった焚き火台のパイオニアでもあるのが、このスノーピークの「焚火台」です。
逆四角錐の独特な形が美しく、また製品の頑丈さから多くのキャンパーに人気を集めています。
キャンプ場でよく見かける焚き火台のひとつです。
●ロゴス/焚火ピラミッドグリルEVO-M(コンパクトタイプ)
一台で焚き火、バーベキュー、ダッチオーブン料理の3つの使い方ができます。
オプションパーツが不要なので、はじめてでもいろいろ買いそろえる必要がなく、初心者にもおすすめです。
キャンプ場での焚き火の付け方
焚き火に必要な道具が揃ったら、いよいよ焚き火をしてみましょう。
最近では、焚き火台の登場で準備や片付けが楽になったためか、焚き火をするためだけにデイキャンプに出掛けるという人も増えているようです。
デイキャンプでも焚き火を楽しむために、火を付けるテクニックを学んでおきましょう。
使用する薪は、キャンプ場で販売しているところが多いようです。
また、落ちている薪を拾って焚き火に使用しても良いところもあります。
薪は大きく「針葉樹」と「広葉樹」に分かれており、初心者であれば針葉樹がおすすめです。
その理由は、火持ちは良くないものの、火が付きやすいからです。
広葉樹は硬いものが多く、火が付きにくく火持ちが良いという特徴があり、初心者には扱いにくいです。
それでは、火を付けていきましょう。
まずは、火床に着火剤を置きます。
そして、割りばしほどに割った薪を、着火剤を中心に放射状に置き、着火剤にライターで火を付けます。
薪に火が付き、安定しだしたら、少し太めの薪を載せます。
その薪にも火が付いて安定したら、さらに太めの薪を投入します。
これで太い薪に火が付いて、焚き火が落ち着くと思います。
その後は、適度に薪をつぎ足していってください。
持っているとキャンプの気分が上がる道具
焚き火の主役はなんといっても「火」です。
しかし、火を扱う道具にこだわるからこそ焚き火がより生きるということもあります。
キャンプでは道具にもこだわりたい、という人もいますよね。
そこで、そんなこだわりのある人におすすめの道具を集めてみました。
●EXOTAC/ナノストライカー
小型・防水のファイヤースターターです。
いわゆる火打ち石の役割をしてくれる道具で、3000℃近い火花を出すことができます。
メタリックなボディがクールで、持っているだけで焚き火の気分を盛り上げてくれます。
●ファイヤーサイド/キンドリングクラッカー
薪割りに新しい風を吹き込んだのが、このキンドリングクラッカーです。
斧やなたを使わずに安全に薪割りができる、画期的な道具です。
固定された刃に薪をセッティングし、ハンマーで叩くだけという仕組みなので、力のない女性や高齢者でも薪を割ることができます。
刃の部分には手が入らない設計になっているため、安心して作業ができます。
●ファイヤーサイド/ファイヤーブラスター
いわゆる「火吹き棒」です。
ファイヤーブラスターはアルミでできたボディに、吹き口と中央部にブナ材が配置されたスタイリッシュなデザインで、焚き火の側に置いてあるだけで絵になる道具です。
道具や準備も大切だけど、後片づけがいちばん重要
焚き火は、道具を用意して準備をしている時間も楽しいものですが、いちばん大切なのは後片付けではないでしょうか。
火を使用した後は、必ず徹底して後始末を行いましょう。
まず、焚き火は水をかけて消火してしまうと、たくさんの燃えカスが出てしまいます。
そのため、最後まで完全燃焼させるようにしましょう。
完全燃焼すると、白い灰になります。
キャンプでの就寝前には、寝るまでに燃え尽きるように薪の量を計算しながら行ってください。
焚き火の灰や燃えカスは、キャンプ場のルールに従って処理しましょう。
もし、直火で焚き火を行った場合も、薪は完全燃焼させて白い灰にします。
白い灰になったら、穴を掘って灰を入れ、水をかけて熱を冷ましてから土をかぶせます。
直火の許可がある場所であったとしても、環境への影響を最小限にするのがマナーです。
ここが焚き火の跡であることがわかるように、焚き火を行った場所に石を積んでおきましょう。
焚き火だけでも楽しめる
本格的なキャンプをするためには、テントやタープを張ったり、虫が多かったり、いろいろ大変なことがあります。
しかし、焚き火だけでしたら荷物も少なく気軽に楽しめます。
火を眺めるだけの時間は、忙しい日常を忘れさせてくれますよ。
まずはデイキャンプで焚き火をしてみましょう。