煮る、焼く、炒める、茹でる、炊く、蒸す、揚げるなど、あらゆるジャンルの調理が可能なダッチオーブンは、キャンプシーン以外にも家庭用として大活躍しています。
しかし、ダッチオーブンは「手入れが面倒」「サビが心配」などメンテナンス面が不安な方も多いですよね。
そこで今回は、ダッチオーブンを使うためのシーズニングの方法や、お手入れの仕方、さらにおすすめのダッチオーブンをご紹介します。
さらに、シーズニングが不要なタイプやご家庭でも使えるタイプなどもお伝えしますのでぜひ一度ご覧ください。
ダッチオーブンのシーズニングの必要性
ダッチオーブンや鉄製のフライパンなどを最初に使うにときに良く聞く「シーズニング」。
シーズニングとは、鉄製の鍋などを使い始める前に行うお手入れの方法のことを指します。
それではなぜ、鉄製のダッチオーブンはシーズニングが必要なのでしょうか。
サビ止めのコーティングやワックスを取り除くため
ダッチオーブンは、出荷時に鍋の表面にサビ止めのコーティングやワックスが付着しています。
これらを取り除かずにそのまま調理をすると、熱で染み出したコーティングなどが食材に付いてしまいます。
サビや焦げ付きを防ぐため
2つ目の理由は、サビや焦げ付きを防ぐことです。
シーズニングをすることで、鍋の表面に油の膜を作り、サビや焦げから鍋を守ります。
このような理由から、ダッチオーブンはしっかりとシーズニングをすることで、一生物の鍋へと成長します。
ダッチオーブンのシーズニング方法
それではさっそく、ダッチオーブンのシーズニングをしましょう。
一度やり方を覚えてしまえば、他の鉄製フライパンなどにも応用できますよ。
シーズニングの手順
- スポンジと食器用洗剤を使い、ダッチオーブンの本体と蓋を洗います。
- しっかりとすすいだら、タオルや布巾で水分を拭き取り乾燥させます。
- ダッチオーブン全体に油を塗ります(本体内部と外部、蓋の両面にも塗ります)。
- キッチンペーパーなどで、余分な油を拭き取ります。
- ダッチオーブンを中火にかけ、煙が出るまで待ちます。
- 煙が出たら弱火にして、煙が出なくなるまで火にかけます。
- 煙が出なくなったら火を止めます。
- ③〜⑦の作業を3〜5回繰り返します。
- 上記の作業後、野菜くずを入れて炒めて鉄のニオイを消します。
- 最後に野菜くずを取り出し、全体に油を塗ったら完成です。
シーズニングを行うときは、鍋がとても熱くなっているので、耐熱グローブや軍手などを使うようにしましょう。
シーズニングをしたのに、鉄のニオイがする、または調理中のスープが黒くなるなら、シーズニングがうまくいっていない可能性があります。
このような場合は、シーズニングをやり直してみましょう。
また、シーズニングに使用する油は、塩分の入ったバターなどは避けましょう。
使用する油は、乾性油(アマニ油・ベニバナ油・ひまわり油など)がおすすめです。
そして、シーズニングを行うときの熱源は、キャンプ場で行うなら炭火や焚き火、家で行うなら、屋外でカセットコンロなどを使うとよいでしょう。
ダッチオーブン使用後のお手入れと注意点
ダッチオーブンを使ったあとは、以下の手順でお手入れをしましょう。
お手入れ手順
- ダッチオーブンに熱湯を注いで沸騰させます。
- ヘラなどを使い、ダッチオーブンの汚れを落とします。
- 汚れたお湯を捨てて、もう一度お湯を注ぎ、流します。
- 水分を拭き取り、火にかけて空焼きをします。
- 水分が飛んだらダッチオーブンに油を塗り、軽く拭き取ります。
- ダッチオーブンが冷めたら、新聞紙やキッチンペーパーを敷いた収納ケースに入れ、風通しの良い場所で保管しましょう。
ダッチオーブンの取り扱い注意点
ダッチオーブンは、以下の点に注意しましょう。
使用後すぐに水をかけるのは避ける
使用後、高温状態のダッチオーブンに水をかけると、破損の原因になります。
使用後はそのままにしない
ダッチオーブンに調理後の食材を残したままにしておくと、サビが発生する可能性があります。
洗剤を使わない
一部のタイプを除き、ダッチオーブンは洗剤を使って洗うことは避けましょう。
ダッチオーブンのトラブル対処法
ダッチオーブンは、使い方や保管方法によっては焦げたりサビたりすることがあります。
このようなトラブルに見舞われたときは、ダッチオーブンの材質や製造方法に応じた適切な対処法を行うことが大切です。
一般的に、ダッチオーブンが焦げてしまったときは、以下の方法を試してみましょう。
ダッチオーブン焦げ取り方法
- お湯を入れて沸騰させ、ヘラで取り除きます。
- それでも焦げが残ってしまった場合は、空焼きをして焦げを炭の状態にしましょう。
- 焦げが炭になったら、ヘラなどで取り除きます。
- 高温状態のうちに油を塗ります。
ダッチオーブンサビ取り方法
また、サビてしまった場合は、以下の方法を試してみましょう。
- サビが軽い場合は、油を染み込ませたキッチンペーパーで拭きます。
- サビがひどい場合は、以下の方法でサビを落とします。
- ダッチオーブンにお湯を入れ、中火で熱する。
- サビが浮き上がってきたら、金たわしやクレンザーを使ってこすり落とす。
- サビが完全に落ちたら、水分を拭き取り、火にかけて乾かす。
- その後は、シーズニングの要領で油を塗り火にかける作業を何度か繰り返す。
ダッチオーブンの選び方
ダッチオーブンは、シーズニングが必要なタイプと不要のタイプ、そしてサイズもさまざまです。
また、IHが使えるタイプもあり、使い勝手や、使うシーンに合わせた選び方が可能です。
ダッチオーブンの素材で選ぶ
鋳鉄製
ダッチオーブンといえば鋳鉄製が主流です。
本体は厚く、重厚感があり、蓄熱性と保温性に優れているので料理の仕上がりにムラなく仕上がるのが特徴です。
黒皮鉄板製
製造途中で高温加熱により作られた「黒皮」と呼ばれる皮膜がついているタイプです。
サビにくいですが、メンテナンスは必要です。
ステンレス製
食器洗い洗剤で洗えるところが便利なステンレス製ダッチオーブンはサビに強く、自宅でも気軽に使えるところが人気で、初心者にも扱いやすい素材です。
軽量で扱いやすいところも魅力です。
ダッチオーブンの形状で選ぶ
ダッチオーブンは、その用途や形状によって、大きく分けて以下の3種類に分けられます。
キャンプオーブン
焚き火調理に適した、足付きのダッチオーブンです。
蓋の上に炭を置いて調理したり、鍋ごと焚き火に入れて調理したりすることができます。
キッチンオーブン
家庭用としても使える、鍋底が平らなダッチオーブンです。
IHに対応しているタイプが多いため、家庭のIHコンロでも使用できます。
コンボクッカー
スキレットを蓋にして使うタイプのダッチオーブンです。
ダッチオーブンで料理をしながら、スキレット料理も作ることができます。
ダッチオーブンのサイズで選ぶ
メーカーによって製造されているサイズはさまざまですが、以下のサイズを参考にして購入の目安にしてください。
6〜8インチ(約15〜20cm)
1〜2人分の料理に適したサイズです。
軽量で持ち運びしやすいため、ソロキャンプや少人数でのキャンプにおすすめです。
10インチ(約25cm)
4人分の料理に適したサイズです。
家庭用でも使いやすいサイズなので、ファミリーキャンプやアウトドアでの使用におすすめです。
12インチ以上(約31cm〜)
6人以上でのキャンプに適したサイズです。
大きいサイズなので、一度にたくさん料理をすることができます。
キャンプにおすすめのダッチオーブン
キャプテンスタッグ:「ダッチオーブン」
キャプテンスタッグのダッチオーブンは本体や蓋の形状は異なりますが、サイズ展開が豊富なので、人数に合わせた選び方が可能です。
円形のダッチオーブンのサイズは、14cm、20cm、22cm、25cm、30cmの5展開です。
また、角形のダッチオーブンもあり、18cm、25cmのサイズがあります。
ロゴス:「SLダッチオーブン」
シーズニングが不要で、家庭用のIHやガスコンロでの調理が可能なダッチオーブンです。
シーズニングは不要ですが、植物性の油を塗り丸洗いした後、弱火で熱してから使用することで、より長く愛用することができます。
サイズは、8インチ、9インチ、10インチ、12インチの4展開です。
スノーピーク:「和鉄ダッチオーブン 26」
薄くて強靭な鋳物素材で、軽量なダッチオーブンです。
フラットな鍋底でIHにも対応していますが、焚き火との併用は想定されていません。
そのため、焚き火調理をしない場合は、キャンプと家庭の両方で使用できます。
スキレット付きで料理の幅が広がります。
ロッジ:「キャンプオーブン」
脚付きのダッチオーブンで、蓋に炭を乗せて調理したり、鉄板として使用したりすることができます。
朝食用の目玉焼き作りやトーストにも便利です。
また、大豆油で慣らし済みなので、シーズニングが不要です。
大きさは8インチ、10インチ、12インチの3展開と、深さのある「キャンプオーブンDeep」が10インチ、12インチ、14インチの3展開です。
ユニフレーム:「UFダッチオーブン」
鍋底が平らなので、ツインバーナーや、家庭用のガスコンロ、IHで使用が可能です。
また、お手入れが簡単でサビに強い黒皮鉄板製なので、ダッチオーブンを初めて使う方におすすめです。
サイズは、8インチと10インチの2展開で、別売りのトートを使えば持ち運びに便利です。
コールマン:「ダッチオーブンSF」
シーズニング不要で、収納ケースが付属しているのでとても便利です。
蓋のフチに高さがあるので、炭を置いての調理が可能です。サイズは、8インチ、10インチ、12インチの3展開です。
チャムス:「ダッチオーブン10インチ」
チャムスのロゴとブービーバードの足跡がデザインされたダッチオーブンは、おしゃれなキャンプシーンにぴったりです。
シーズニング不要で、鍋底がフラットなので、家庭用ガスコンロでも使用できます。
コストコ:「キャンプシェフ 12インチダッチオーブン&スキレットセット」
キャンプシェフのアメリカ国立公園100周年を祝して作られたセットです。
ダッチオーブンとスキレット共通の蓋には、イエローストーン国立公園、スキレットにはアーチーズ国立公園をイメージしたデザインが施されています。
お手軽にダッチオーブンを手に入れるには
ダッチオーブンを通常よりも安く手に入れるには、リサイクルショップやネットオークション、フリマアプリなどを利用すると便利です。
このような方法を利用するメリットは安く手に入れるだけではなく、人気シリーズの廃盤商品なども掘り出しものとして見つかる場合もあります。
例えば、現在では製造されていない、サウスフィールドのダッチオーブンなどは、オークションやフリマアプリなどで出展されている場合も多いので、一度ご覧になってはいかがでしょうか。
キャンプにおすすめのステンレス製ダッチオーブン
ステンレス製のダッチオーブンは、キャンプ用と家庭用の両方で使える汎用性の高いタイプを選ぶと便利です。
SOTO:「ダッチオーブン」
オールステンレス製でサビに強く、シーズニングが不要のダッチオーブンです。
ステンレス製の1番の魅力はなんと言ってもお手入れのしやすさです。
また、残った料理をそのまま保存できます。
SOTOのステンレスダッチオーブンは、サイズが8インチ、10インチ、12インチの3展開です。
ベルモント:「BM-256 ステンレスダッチオーブン 8インチ」
8インチの小さめのサイズながら、4〜5人前のカレーが作れる容量が人気のダッチオーブンです。
直火とIH対応で、底網とリフターが付属しています。
また、蓋はスキレットとして使える他、裏返して収納するとコンパクトになるところも魅力です。
まとめ
今回は、ダッチオーブンのシーズニングやお手入れの方法、おすすめ商品をご紹介しました。
ダッチオーブンは、一度手に入れれば長く愛用できる万能調理器具です。
シーズニングやお手入れをしっかりと行えば、焦げ付きにくく、サビにも強い仕上がりになります。
ぜひ、今回ご紹介した情報を参考に、あなただけのダッチオーブンを見つけてみてください。