ストーブの不完全燃焼は危険!さまざまな症状が出ることも!

最終更新日:2019/01/15

寒い時期にはストーブを置いて部屋を暖めるという人もいると思います。

ストーブは便利ですが、使用していると時々臭いが気になることはありませんか?

石油ストーブが臭う理由のひとつは不完全燃焼が原因です。

今回は不完全燃焼の原因、対策、それによって引き起こされる症状である一酸化炭素中毒についてご紹介します。

ストーブの不完全燃焼とは

先ほども述べましたが、寒くなってくるとストーブが手放せないという人もいると思います。

しかし、石油ストーブは燃料に灯油を使用するので、臭いが気になるときもあるのではないでしょうか。

石油ストーブの臭いの原因はいくつかありますが、そのひとつとして不完全燃焼が挙げられます。

不完全燃焼とは、酸素が不足した状態で可燃物が燃焼することを示します。

有害な一酸化炭素などが発生し、一酸化炭素を大量に吸い込んでしまうと一酸化炭素中毒という症状になってしまう可能性もあり、危険です。

石油ストーブが不完全燃焼だと、燃料に不純物が含まれているということで、それが燃えた際には臭いがきつくなります。

石油ストーブから臭いがしても、時間がたてばなくなるだろうと思い、放置してしまってはさらに酷くなっていきますので対策が必要になります。

ストーブの不完全燃焼が起こる原因

不完全燃焼は、独特のきつい臭いで気分が悪くなってしまったり、一酸化炭素中毒の症状が出る要因にもなり得るため、注意が必要ですよね。

それでは、石油ストーブの不完全燃焼の原因は一体何なのでしょうか。

不完全燃焼の大きな原因は、「芯の下げすぎ」や「芯の上げすぎ」です。

芯の下げすぎの特徴としては、燃焼筒の上部が黒いということです。

燃費を抑制できると思い、芯を下げすぎるのも危険ですので気を付けましょう。

芯の上げすぎの特徴としては、燃焼筒上に炎が4cm以上伸びているということです。

この場合は灯油の分量に燃焼が追い付いていない不完全燃焼といえます。

石油ストーブの燃焼筒の網目の部分で燃焼時に生じた一酸化炭素を減軽させる役割を持っています。

そのため、芯を上げすぎると一酸化炭素が空気中に放出されやすくなってしまいますので、目安として1~2時間おきに換気をするのを心がけましょう。

部屋に酸素を取り入れ、室内が酸素不足になるのを防ぐ必要があります。

また、石油ストーブを安全に使用するためには、燃焼筒が十分に赤熱し、燃焼筒上の炎の伸びが4cm以下ということに着目して炎の状態を確認しましょう。

ストーブの不完全燃焼が原因!一酸化炭素中毒の症状とは?

前項でふれましたが、ストーブの不完全燃焼が要因となり、一酸化炭素中毒になる可能性がありますが、一体、一酸化炭素中毒とはどのような症状なのでしょうか。

一酸化炭素中毒とは、石油ストーブの不完全燃焼などで発生した一酸化炭素が体内に大量に吸収されることで引き起こされる中毒症状のことです。

少しの量であれば、一酸化炭素を吸ってしまってもさほど害はありませんが、大量に体内に吸収してしまうと血液中のヘモグロビンと結合して、酸素を体内に運ぶのを妨害します。

したがって、全身が低酸素の状態になってしまい、酸素の需要が高い脳からダメージを加えていきます。

ところが、一酸化炭素は無色・無臭なので、体内に一酸化炭素が大量に吸収されているのが気付きにくいという厄介な点があります。

一酸化炭素中毒の初期症状としては、頭痛・不快感・めまい・眠気・吐き気・嘔吐などです。

これらの症状は風邪の症状と似ていますので、一見一酸化炭素中毒とは気付かないで症状が進行してしまう可能性も少なくないでしょう。

初期の段階で気付いて対処すればさほど大きな問題にはならずに済みます。

しかし、気付かすに症状が悪化してしまうケースもあります。

重度になってしまうと、判断力低下・低血圧・痙攣・意識消失・昏睡状態・肺水腫・脳水腫などの症状が見られ、最悪の場合は生命の危機も生じますので非常に危険といえます。

一酸化炭素中毒の症状が出たら?その対処法

さまざまな症状を引き起こし、最悪の場合は死に至ることもある一酸化炭素中毒は非常に怖いですよね。

石油ストーブを購入した際は常に不完全燃焼のことや一酸化炭素中毒の危険性のことを心に留めておきましょう。

それでは、実際に一酸化炭素中毒になったと気付いた場合はどのように対処したらよいのでしょうか。

頭がぼんやりとしてきたり、身体がしびれてきたら注意してください。

一酸化炭素中毒の症状は、個人差がありますが、だいたい3~4時間で表れるといわれていますが、油断は禁物です。

対処法としては、まず、新鮮な空気が吸える状態にしましょう。

落ち着いて室内を換気し、石油ストーブなどの暖房器具を停止させてください。

そしたら、新鮮な空気のある場所に行き、体を温めましょう。

その後に、医療機関を訪れて受診してください。

また、上述したような意識障害などの重度の症状が見られて、緊急の手当てが必要だと感じたらすぐに119番通報して救急車を呼びましょう。

一酸化炭素中毒症状の予防方法

前項では、一酸化炭素中毒の症状が出た後の応急処置をお話ししました。

ここでは、一酸化炭素中毒の症状の予防法についてご紹介します。

まず、重要なのが換気です。

ストーブの不完全燃焼から自分自身を守るためには必要なことです。

1~2時間おきに1回程度、1~2分間ほどを目安に、窓を開けて換気しましょう。

窓が複数ある場合には、空気の入り口を2ヶ所作ると効率的に換気が行えます。

また、地下などの換気が満足に行えない場所では、暖房器具を使用しないことをおすすめします。

さらに、「一酸化炭素警報器」というグッズもあります。

これは、空気中の一酸化炭素の濃度が高まると、光や音で示してくれる道具です。

この道具は、体に害を及ぼす前のレベルから知らせてくれるため、所有していると便利ですよね。

けれども、故障や電池が切れてしまう可能性もありますので、あくまでも対策と注意を前提として、それと併用する形で使用しましょう。

一酸化炭素中毒の治療と後遺症について

一酸化炭素中毒の治療方法としては、軽度であれば、新鮮な空気がある場所に移動することで病態は良くなりますが、悪化してくると酸素吸入や高圧酸素療法で改善を図ります。

酸素吸入とは、高濃度酸素を吸い、一酸化炭素を早く体外へ追い出す治療法です。

高圧酸素療法とは、酸素カプセルに入ることで、体内の組織に行き届く酸素量を増加させて、一酸化炭素を体外へ追い出す治療法となっています。

また、一酸化炭素中毒は、重度の場合に脳がダメージを受けるので、後遺症が残ってしまうケースもあります。

慢性的な頭痛や学習記憶障害が、後遺症の中でも多くみられています。

それから、意識障害・記憶障害・知能低下・認知障害・パーキンソン症候群・抑うつ・末梢神経障害なども発症してしまうこともあり、非常に怖いですよね。

さらに、攻撃的な言葉使いをするようになるなど、人格が変わってしまうこともあるようです。

早ければ数日で、遅ければ1~2ヶ月経ってから症状が出ることもあります。

これらのような病態は回復することもありますが、数ヶ月から数年続くこともあり、また、重度であれば植物状態になってしまうこともあるようです。

そして、妊婦の方が一酸化炭素中毒を発症すると赤ちゃんへ影響が危惧されますので、ストーブの不完全燃焼予防をしっかりとしてください。

一酸化炭素中毒に注意しましょう!

寒い時期には多用する人も多い石油ストーブは、便利ですが不完全燃焼を起こす場合もあります。

そして、不完全燃焼が原因で一酸化炭素中毒を発症してしまうケースもあります。

一酸化炭素中毒はさまざまな症状をもたらし、ときには生命に危険が及ぶこともあるので注意しましょう。

ストーブは使い方に気を付けて、寒い時期を快適に過ごしてくださいね。

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