登山用ザックと一口に言っても、用途によってさまざまなアイテムが存在します。
行先や日程によって容量も変化しますし、ブランドによって構造も多種多様です。
いざ自分で選ぼうと思っても、これほど多くの種類があるザックから1つを選び出すのは至難の業でしょう。
そこで、今回は定番ザックブランドを6つご紹介し、各ブランドのおすすめのアイテムをご紹介します。
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登山に限らずなんでも使えるザックのおすすめ「ミレー パルス22」
「ミレー(=Millet)」はフランスのアウトドアブランドで、ウェアからバックパックまで幅広いアイテムを展開しています。
近年では、メッシュインナーの代名詞としてもミレーを目にする機会が増えました。
そんなミレーですが、特にバックパックの定番ブランドとして確固たる地位を築いてきました。
それは、ミレーの歴史がショルダーストラップ付きバッグ販売から始まったことに起因しています。
1930年代にショルダーバッグを発売後、バッグパックへと進化させ、今では登山ザックブランドの代表格となりました。
さて、そんなミレーのザックでおすすめなアイテムは「パルス22」です。
この「パルス22」はその名の通り22Lのザックで、日帰りハイクに最適な容量です。
スリムで縦長の形状をしているため、ザック内部での荷物の収まりがよいので、高い安定性があります。
メインルームにアクセスするザック上部のジッパーは、ザックのおおよそ半分の位置まで大きく開くことができ、物の出し入れが非常にスムーズです。
高耐久の100Dヘキサクロスナイロンを採用し、ハードな使い方や環境にも対応できます。
小型のザックとしては珍しく、幅広のウェストハーネスが搭載されていて安定性が高く、背面からウェストハーネスにかけては通気性の高い素材を用いています。
これだけ高機能で、重さはたったの585gです。
軽さや高い安定性から、「パルス22」は登山だけでなく、トレランやファストハイクなどの用途でも活躍することでしょう。
1つ持っていればあらゆる用途で使用できるミレーの「パルス22」は、登山デビューでまず候補に挙げて欲しいおすすめアイテムです。
ワンランク上の登山へは「プラスワンワークス デナリ」がおすすめ
「プラスワンワークス(=PLUS ONE WORKS)」とは、日本のザックブランドです。
主にバックカントリースキー向きのザックや、山岳ガイド向けのハイエンドなザックを中心に製造・販売しています。
デナリ滑降を成功されたプロスキーヤーや八甲田山のスキーガイド隊など、第一線で活躍するプロフェッショナルとともに開発を進めている点は大きな魅力でしょう。
そんな雪山のイメージが強いプラスワンワークスから、夏山向けのザックが発売されていることはご存知でしょうか?
それが「デナリ(=Denali)」シリーズです。
このデナリシリーズは、夏山の小屋迫や雪山の日帰りでも使える30Lと、テント泊やロングの縦走にも使える40Lの2サイズ展開です。
大容量の雨蓋ポケットにはU字型の大型ジッパーを配し、ポケットを大胆に開くことで物の出し入れを容易にしました。
サイドポケットの取り付け角度や位置は、ザックを背負ったままでもアクセスが容易なように設計されています。
ザック上部の開口部からだけでなく、フロントの大口ジッパーからもメインルームへアクセスでき、スピーディな物の出し入れを実現しました。
アックスホルダーと上部のウェビングを組み合わせることで、左右2本のピッケル・トレッキングポール・マット・スノーシューなどを外付けすることも可能です。
なお、別売されているアタッチメント式のボトルホルダーや、スマホ・カメラホルダーを用いることで、ささやかなカスタムも可能です。
日帰りの登山デビューから、縦走や冬山などにステップアップしたい方にはおすすめのアイテムです。
バックカントリー向けザックなら「ホグロフス マウンテンサーフ」
登山の楽しみは登るだけではありません。
降りることにも大きな楽しみがあることをご存知でしょうか。
バックカントリースキー・スノーボード(以下BC)と呼ばれるアクティビティがあります。
このBCとは、ゲレンデではなく自然の山で行うスキーやスノーボードのことで、大自然の迫力と人のいない場所で滑れるという魅力の詰まったアクティビティです。
BCにおいて、リフトではなく自らの足で山を登る必要があります。
つまり、雪山の登山をして、滑って降りてくるような遊び方です。
そんなBCにおすすめザックが「ホグロフス マウンテンサーフ」です。
BCに求められる機能はほかのザックとは少し異なりますが、その全てをそろえたザックがマウンテンサーフなのです。
BCザックなので、スキー板やスノーボードをザックに固定して背負うためのストラップが装着されています。
降雪や滑降時に舞い上げた雪が付着しにくいバックパネルを採用しており、背中とザックの隙間が濡れることを防いでいます。
雪崩発生時に使用するスコップや、ゾンテなどを収納する2つのチューブポケットを装備しています。
ハイドレーションチューブはハーネス内に収納できるため、飲料水が凍結するリスクも低減しています。
なお、メインの気室には、バックパネル部のジッパーからアクセスできる構造になっています。
これにより、板を背負った状態でも物の出し入れが容易になっています。
なお、スノーシューハイクでも大活躍するアイテムなので、冬のアクティビティデビューをお考えの方にはおすすめのザックです。
「OMM クラシック25」でウルトラライト登山デビューを
今日では、荷物を軽くコンパクトにして身体への負担を減らし、機動性を高めた「ウルトラライト登山(=UL)」が注目されています。
そのULの大定番ザックと言えば「OMM クラシック25」ではないでしょうか。
もともと「OMM」という山岳レースに特化した性能を持つこのアイテムですが、山岳レースとULには共通点があります。
まずはザックの軽さで、25Lの容量があるのにも関わらずたったの540gです。
前の項で紹介した「パルス22」と比べても、非常に軽いことが分かります。
次に、背負った時の安定性です。
走ったり、早歩きをしたりと、高速で移動する山岳レースでは、背負った時に安定しないザックではパフォーマンス低下につながります。
このクラシック25では、背中に吸い付くようなフィット感が得られます。
この安定性こそがUL登山でも求められます。
軽さと安定性は背反する部分がありますが、そのどちらもを実現したザックこそ「クラシック25」なのです。
もちろん、UL登山以外の場面でも非常におすすめのザックです。
ザックにプラスして便利なおすすめアイテム「山と道 ヤマトミチサコッシュ」
「ヤマミチ」の愛称で知られる「山と道」は、日本のガレージブランドです。
ウルトラライト登山に精通したブランドで、高い耐久性と防水性を持つ超軽量素材を用いたザックを数多く展開しております。
購入者がカラーなどを自由に決められるセミオーダーメイドのブランドで、アイテムによっては数か月待ちになっている物もあります。
そんな「山と道」からおすすめのアイテムは、ザックではなくザックのサブとして使用する「サコッシュ」です。
サコッシュとは、もともとは自転車レースの選手へ補給する際に使われていた小型の肩掛けポーチのことです。
今日では多くのブランドからさまざまなサコッシュが発売され、自転車やアウトドアだけでなく、ファッションアイテムとしても普及し始めています。
登山ザックにプラスでサコッシュを持つことには大きなメリットがあります。
それは、スマートフォンやカメラ、地図やコンパスなどのこまめに使う物をすぐに取り出せるということです。
山と道のサコッシュは、27cm×18cmの大きさで9cmの幅広なマチがあるため、カメラや地図・コンパスだけでなく、おやつやドリンクを入れることも可能です。
なお、幅広のマチのおかげで、自立させることもできます。
しかし、山と道のサコッシュの魅力はこれだけではありません。
常に豊富なカラー展開をしていることです。
シーズンごとに増減はしますが、約20種類程度の展開があります。
ウェアに合わせてカラーを選んだり、誰ともかぶらない色をセレクトしたりと、自由度が高いことが大きな魅力でしょう。
今の装備にプラスワンで、さらに快適な登山を目指しましょう。
「ドイター キッドコンフォート」で親子登山にチャレンジ
「ドイター(=deuter)」はドイツのアウトドアブランドで、1898年の創業以来、長い歴史を持ちます。
登山やトレラン・バイクアクティビティに適したバックパックを中心に、スリーピングバッグなどのアウトドアギアの製造・販売を行っています。
そんなザックの老舗ブランドでおすすめのアイテムとして、「キッドコンフォート」をご紹介します。
「キッドコンフォート」はキッドキャリー、つまり乳幼児を背負うためのザックです。
荷物を収納するための気室は2つにジッパーにより2つに分かれており、14Lの容量があります。
背面は全面メッシュ張りの構造で通気性が高く、背中の蒸れを防いで快適に使用できます。
ウェストハーネスにはクッション性の高い素材を用い、高いフィット感と安定性を発揮します。
その安定性は、エキサイトしたお子さんが激しく動いても苦にならないほどです。
肝心の安全性ですが、キャリーに収まったお子さんの顔の高さまでカウルが覆う構造をとり、外部要因から大切なお子さんを守ります。
まだ小さなお子さんと登山を楽しみたい方には、必見のアイテムではないでしょうか。
もちろん、日常のショッピングや外出など、タウンユースでも大活躍です。
大切なお子さんを守るドイターの「キッドコンフォート」で、親子のアウトドアタイムを満喫しませんか。
「何に使うか」「どう使うか」「いつ使うか」に応じて使い分けよう!
今回ご紹介したように、ザックは用途や目的によって機能や装備・容量が大きく変わります。
何に使いたいのか、どういった使い方をしたいのかをよく考えた上で購入することを意識しましょう。
使い方やアイテムの選び方によっては、1つのザックで幅広く使用できることもあります。
さらに、「身体に合う」こともザック選びの重要な条件になりますので、販売店で実際に背負ってみることを強く推奨します。