キャンプで熊に遭遇しないための対処法とおすすめグッズ3選

最終更新日:2021/12/22

近年キャンプ場での熊の目撃情報が増えています。
キャンプ場は熊が出没しやすいので、安心安全のためにも熊対策について学んでおくことがとても大切です。
そこで今回は、熊の生態や習性、キャンプ場で熊に遭遇しないための対策、熊と遭遇したときの対処法など、熊対策について詳しくご説明します。
いざという時のために用意したいグッズもありますので、ぜひ参考にしてください。

近年の熊の出没件数と被害数は?

日本国内には2種類の熊がおり、北海道にはヒグマ、本州にはツキノワグマがいます。
北海道のヒグマによる被害は近年増加傾向にあり、2021年6月には札幌市の住宅街に突然ヒグマが現れ、住民ら4人が襲われ重軽傷を負った事件もありました。
北海道環境生活部環境局自然環境課の調査によると、2021年度(8月19日現在)でのヒグマによる死者が3人、負傷者8人と、昭和37年度からの統計史上最多となっており、近年は自宅近くの畑でヒグマに襲われるなど、民家がある場所での被害も増えており注意を促しています。

熊の生態と習性を知ろう

熊による被害を防ぎ正しく付き合うためにも、まずは熊について詳しく知ることが大切です。そこで、熊の生態と習性について詳しくご説明します。

用心深く臆病な性格

熊はその見た目とは反対に、人間を見ると逃げ出してしまうほど、用心深く非常に臆病な性格ですが、きっかけやタイミングでたちまち凶暴になってしまいます。

  • 子グマと一緒にいる時
  • 冬眠から目が覚め空腹状態の時
  • 急に人が現れてびっくりした時

などです。特に子グマを連れた母グマは強く、普段は大人しい熊も怖いもの知らずな状態になり襲ってくるので大変危険です。

優れた身体的な能力

ヒグマは体長約2.0~2.5m, 体重100~250kgと大きな体ですが、時速40~50キロで走る身体能力を持ち、執着したものに対しては追い続ける習性があります。噛む力も強く、人間の骨も簡単に噛み砕く力があります。
ヒグマよりも身体が小さいツキノワグマも足が速く、機敏で木に登るのも得意、骨格も柔軟で相手を抱え込むように噛み付いて攻撃します。
このように熊は思っている以上に高い身体能力をもっています。

活発になる時期は春から秋にかけて

熊は春から秋にかけて活動しますが、特に春先と秋は活発になります。
春は冬眠中に出産した子グマを連れて、空腹状態で食べ物を求めて行動を開始し、秋は冬眠に向けて体重を2倍にまで増やそうと食べ物を探し求めるため、いつも以上に活動的になるのです。
この時期に熊に襲われることが多いので注意が必要です。

一度認識した食べ物への執着

熊は雑食性で、手に入りやすい木の実や草本の他にも、哺乳類や魚類、鳥類など動物性の餌、昆虫も積極的に食べます。
ただ熊は哺乳類や鳥類などは死肉を食べることが多く、生きているうちに狙うことは少ないのですが、熊は一度認識した食べ物への執着は強く、新鮮な肉の味を覚えてしまうとそれを求めて積極的に狩りを行うようになります。人間の味を覚えてしまうと、人間を襲う危険性が高まるのもそうした理由からです。

キャンプ場で熊に遭遇しないための対策

キャンプ場の多くは山間にあるので熊が出没する可能性が高く、実際に熊の目撃情報によってキャンプ場が閉鎖されることも多々あります。
熊による被害を未然に防ぐためにも、キャンプ場で熊に遭遇しないための対策は必須となります。

熊の出没情報を調べておく

熊の生息地にあるキャンプ場の多くは外周沿いに監視カメラを設置しており、熊の侵入が確認された際はホームページ上で注意喚起しすぐに閉鎖措置を行っています。
また、各自治体も熊の出没情報を随時発信しているので、キャンプ場へ行く際は熊の出没情報について地域のホームページなどで調べておくことが大切です。

ゴミや食料管理の徹底

熊は人間が食べている物の味を一度覚えると「人=美味しい食べ物」と関連付けてしまい、人を恐れずに近寄ってくるようになります。
キャンプ場で熊に遭遇する可能性は低いですが、食べ物に強く執着する熊が人間が放置したゴミや残飯の味を一度覚えてしまうと、キャンプ場はごちそうがある場所と認識し山から降りてくるようになります。
熊と共存するためにも、キャンプ場ではゴミや食料をテント内にしまうなど、管理を徹底することがとても重要です。

管理下にない山林でのキャンプは避ける

キャンプ場は熊対策をしっかり行っているため、熊の出没を気にすることなく安心してキャンプをすることができますが、野営など管理の行き届いてない場所では熊が出没する可能性が高いので、そういった場所は避けるほうが安心です。
人気のない場所でソロキャンプを楽しむ方も多いですが、実際にソロキャンプ中に熊に襲われたケースもありますので、管理下にない山林でのキャンプは避けるようにしましょう。

人間の存在をアピールする

キャンプ場で熊が現れる可能性は低いのは、人が多く、話し声や音楽などがあってにぎやかだからです。
基本的に臆病な熊は人間の存在を感じると近寄ることはありませんので、キャンプ中は人間の存在をアピールすることも大切です。

キャンプ場で熊と遭遇したときの対処法

キャンプ場で熊と遭遇する可能性は低いですが決してゼロではありません。
熊との臨界距離(熊と人との間に保つべき距離)は約12m。これを踏まえた上で、熊と遭遇した時の対処法についてご説明します。熊撃退スプレーを持っている場合は噴射の準備をしておきましょう。

  • 遠くで熊を発見した時の対処法
  • 熊が気付いていない場合は気付かれないようそっとその場から離れます。熊が遠くにいる状態でこちらに気付いている場合は、様子を見ながら走らずにそっと後退しましょう。びっくりして大声を出したり慌てて逃げてしまうと、熊を驚かせてしまいかえって危険です。じっと動かずにいるのも危険なので、慌てず騒がず、ゆっくりと後退しましょう。背中は絶対に見せてはいけません。

  • 熊がゆっくりと近づいてきた時の対処法
  • 熊が人間と気付かずに近寄ってきた可能性が高いので、まずは熊に人間だと知らせる必要があります。怖くなって動けなくなるかもしれませんが、勇気を出して石や倒木の上に立ち、大きく腕を振りながら穏やかに声を掛けて人間だと理解させましょう。
    それでも近づいてくる場合は大変危険なので、車内や屋内、木の上などにすぐに退避を。退避場所がない場合は大きな声と音を立てて威嚇し、熊撃退スプレーや武器になりそうなものを手に取りましょう。自分を大きく見せることが一番効果的です。

  • 突発的に熊に遭遇した時の対処法
  • まずは慌てないこと。それからゆっくりと両腕を大きく振りながら穏やかに声をかけて後退します。熊が突進した時に備えて、障害物を熊との間に置いて距離を取り静かに移動しましょう。
    万が一突進してきた場合は怪我を最小限に抑えることを念頭に、首の後ろに手を回し、顔や腹部の急所を守るためにもうつ伏せになって防御しましょう。リュックサックなどは防具代わりになるので、降ろさず背負ったままの方が安全です。

キャンプで用意したい熊よけのおすすめ対策グッズ

キャンプ場に持っていくと安心な、熊よけの対策グッズをご紹介します。

  • 熊撃退スプレー
  • 熊撃退スプレーは、実際に難を逃れたケースもあるので大変効果的です。
    おすすめは「熊よけスプレーCA230 カウンターアソールト」。唐辛子エキスによる噴射で熊を撃退します。熊が3~4mまで迫ってきたら噴射しましょう。

  • クマよけ線香
  • 熊よけに作られた線香もおすすめ。通常の線香原料に唐辛子粉末を練り込んでおり、臭覚に敏感な獣に効果的です。
    おすすめは富士錦 パワー森林香 獣(ケモノ)よけ線香セット。ただ非常に強い刺激臭を伴うので、アレルギー体質の方は取り扱いに注意しましょう。

  • 熊よけホイッスル
  • ホイッスルも熊よけに効果的です。
    おすすめは「コンパル 熊よけホイッスル ひも付」。強く吹けば拭くほど、熊の嫌いな周波数が出ます。アウトドアレジャーでの緊急用としてもおすすめです。

    他にもホイッスルやラジオ、LEDライトなどがあり、熊よけとして効果的です。

    キャンプ場で注意したい熊以外の野生動物

    キャンプ場では熊対策が必須ですが、イノシシや猿、鹿、タヌキ、キツネ、野犬、猫、カラスなど熊以外の野生動物にも注意が必要です。
    近くに寄ってきてかわいいからと餌を与えると、餌目的でキャンプ場に住み着いてしまい、テント内のゴミや残飯を漁ったり襲ってくるようになります。
    ご自身の身を守るだけでなく、これからキャンプ場に訪れる方のためにも、野生動物には十分注意しましょう。

    まとめ

    近年キャンプ場での熊の目撃情報が増えています。
    熊と共存していくためにも、正しい知識とマナーを守り、熊対策をしっかり行った上でキャンプを楽しみましょう。

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