【キャンプの熊よけ対策】生態とグッズ4選、遭遇した時の対処法

最終更新日:2022/02/09

キャンプは自然の中で非日常的な時間を過ごすのが魅力ですが、自然の中で過ごすということは野生動物が暮らす中で過ごすということです。

いろいろな動物が暮らしていますが、遭遇すると危険なのが熊です。熊による被害は生死に関わることがあるので、キャンプに行くときには対策をしておくことが大切です。

この記事では、熊の対策をするために知っておくべき熊の生態についてや、キャンプに行くときにできる熊対策、持っていくべき熊対策グッズをご紹介します。

熊に出会ってしまったときの対策についてもご紹介するので、最後までご覧になり、万が一のときのために備えましょう。

熊の生態を知ろう

キャンプは豊かな自然を楽しむことが醍醐味ではありますが、野生動物が暮らす場所ということを忘れてはいけません。

とくに管理されたキャンプ場などではなく野営で楽しむ方はより非日常的なサバイバル感を味わえますが、より自然に近いので野生動物に出会う可能性が高くなります。

リスなどの可愛らしい野生動物なら良いですが、熊に出会ってしまうと大変危険です。

日本には、北海道に生息する「ヒグマ」と本州と四国に生息する「ツキノワグマ」がいます。

熊の対策をするために、熊の特徴と凶暴になる理由をしっかり確認しておきましょう。

熊の特徴

「ヒグマ」は日本に野生で生息する陸上動物の中で一番大きく、体長約1.5~2.0m、体重約100~400kgと大変大きな体をしています。

嗅覚がとても鋭く、食べ物を探したりまわりのニオイを嗅いで危険を察知します。そして驚くのが時速40~50kmで走れることです。走るものを追う性質があるので、走って逃げるのは危険ですし、走って逃げたとしてもすぐに追いつかれてしまいます。

「ツキノワグマ」はヒグマよりも小さく、体長約1.2~1.45m、体重約40~120kgです。ヒグマと同じで嗅覚が鋭く、時速約50kmで走ることができるので人間が走って逃げることは難しいです。

ヒグマもツキノワグマも、木を登ることができますし、泳ぐこともできます。熊は大きな体をしているだけでなく、とてつもないパワーを持っていて高い身体能力をもっています。

凶暴になる理由

熊は大きな体をしていて強そうですがとても用心深く怖がりなので、人間の存在は怖いと思っています。そんな熊が凶暴になるのには以下の理由が考えられます。

  • 驚いたとき
  • 熊と突然出会って人間が驚くように、突然人間と出会った熊は驚きパニックになってしまい人間を襲うことがあります。

  • おなかが空いているとき
  • 冬眠から冷めたばかりでおなかが空いているときや、冬眠するために食料を探すのに必死なときは、人間を襲うことがあります。

  • 子を守る
  • 子グマを育てている母グマは子供を守るために人間を襲うことがあります。

  • 獲物を取られたとき
  • 自分の獲物だと認識したものを取られると取り返そうと襲ってきます。一度熊に取られたものを取り返すのはやめましょう。

キャンプに行くときは熊対策をしよう

熊は大きく力があり足も早いので、襲われたら人間が勝てるとは到底思えないですよね。そのため、出会わないようにすることが一番の対策です。

キャンプで熊に出会わないためには、熊を寄せつけないようにすることと、熊が出没しているところに行かないことが大切です。下記で詳しくご説明します。

食料

熊は嗅覚がとても優れているので、食料のにおいにつられてキャンプ場に近づいて来ることがあります。

料理が終わり食べ終わったら、そのまま放置せずすぐに片付けてにおいがしないようにしましょう。

また、テントの中に食料を持ち込むと、においにつられて寝ているところを襲われる可能性もあります。

テント内に食料は入れず、できるだけにおいがしないように対策をした上で、テントから少し離れた場所に食料を置くことがおすすめです。

人間の食べ物の味を覚えてしまうと執着し、再度そこに出没する可能性が高くなります。残飯やゴミでも熊にふれさせないようにすることが大切です。キャンプに行くならしっかり管理をしましょう。

出没情報

キャンプに行く前には、キャンプ場付近の熊の出没情報を確認しておくことも重要です。

熊の目撃情報があった場合や、そもそも生息地とされているような危険な場所には行かないようにしましょう。

また、ハイシーズンなのに空いているキャンプ場は、熊の出没確率が高いことがあります。情報を確認し危険な場合は、キャンセルをするか他のキャンプ場への変更を考えるなどしましょう。

キャンプ場に持っていくべき熊対策グッズ

獣は火を怖がるから、「焚き火」をしていれば近づいてこないのでは思っている方もいると思います。しかし、熊は火を怖がらないと言われています。

そこでおすすめなのが、熊対策グッズです。熊に出会わないようにするためのものと、出会ってしまったときの対策グッズがあります。

キャンプに行くならそろえて置きたいグッズなので確認し必要なものをそろえましょう。

熊よけ鈴

熊は用心深く怖がりなので、人間の存在を感じたら逃げていきます。その性質を利用したのが熊よけ鈴です。

熊よけ鈴は音が鳴ることで人間の存在を熊に知らせることができ、熊との距離が取れます。リュックなどにつけることができるので、登山をする方が使っていることも多いです。

ラジオ

ラジオも音を出すことで人間の存在を熊に知らせることができます。熊を寄せ付けないために大切なことは、人間が近くにいることをアピールすることです。

大人数でキャンプをしている場合は、ワイワイと騒いでいることで熊に人間がいることをアピールできますが、ソロキャンプの場合は話をしないので静かになってしまいます。ラジオで音を出すことで熊に人間がいることをアピールできます。

獣よけ線香

熊よけに獣よけ線香を使っている方も多くいます。この獣よけ線香は、シカやイノシシ、タヌキなど嗅覚が鋭い動物が対象となっています。

対象動物の中に熊の記載はありませんが、熊も嗅覚が鋭い動物なので何もしないよりかは効果が期待できます。

熊撃退スプレー

最後にご紹介するグッズは、熊と遭遇し襲われたときに身を守る熊撃退スプレーです。

熊が襲いかかって来たときに熊にかけることで、強烈な刺激を与えることができます。人間が素手で熊と戦うことは不可能なので、万が一のときのために撃退スプレーを持参しておきましょう。

遭遇したとき

いろいろな対策をしていても熊と絶対遭遇しないとは言い切れません。熊と遭遇すると怖さでパニックになってしまいますが、遭遇したときにとってはいけない行動もあります。そこで、万が一熊と遭遇したときに取るべき行動をご紹介します。

  • 落ち着く
  • 熊と遭遇したときに慌てて走って逃げたくなると思いますが、上でもご説明したように熊は走るものを追う性質があります。絶対に走って逃げないようにしましょう。

    また、驚いて大声をあげてしまいがちですが、大声をあげると熊を刺激してしまい興奮させてしまいます。熊と遭遇したら怖くて焦りますが、とにかく落ち着くことが大切です。

  • ゆっくり離れる
  • 熊が気づいていないなら、気づかれないようにゆっくりその場を離れましょう。また、こちらをあえて無視しているような場合も、静かにゆっくりとその場を離れましょう。

  • 人間であることをアピール
  • 熊がこちらに気づいてゆっくりと近づいて来ている場合は、人間だということが分かっていない可能性があります。

    石や倒木などの上に立って大きく腕を振って、穏やかに声をかけて人間だということをアピールしましょう。

  • 撃退スプレーの準備
  • 人間だとアピールをしても近づいて来て逃げ場がないときは、熊撃退スプレーの噴射準備をし、石や倒木などの上に立って自分を大きく見せて大きな声を出して威嚇しましょう。

    また、棒など武器になりそうなものを手に取り強気で対応しましょう。それでも熊の突進が止まらずに3mほどの距離まで迫ってしまったら、熊の目と鼻をめがけて一気に撃退スプレーを噴射しましょう。

熊と遭遇しないことが一番ではありますが、万が一のときのためにキャンプに行く前に熊と遭遇したときに取るべき行動をしっかり頭に入れておきましょう。

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