キャンプなどのアウトドアシーンで、お湯を沸かしたり調理をしたりするためのバーナーは、なくてはならない道具のひとつでしょう。
バーナーヘッドが2つあるツーバーナーは、とても格好良く便利なアイテムですが、中には、自分のキャンプスタイルには不要という声もあるようです。
この記事では、ツーバーナーが活躍するシーンや利点などを解説した上で、おすすめの製品を厳選してご紹介します。ツーバーナーの購入を検討している方のヒントになれば幸いです。
キャンプで必要?ツーバーナーとは
ツーバーナーとは、キャンプなどのアウトドアで使用する2口コンロタイプの火器のことで、ダブルバーナーとも言われます。
バーナーが2個あるので、ファミリーキャンプやグループキャンプなど、たくさんの料理を作らなければならない時にも活躍するアイテムです。
しかしながら、「ツーバーナーはいらない」「シングルバーナー2個のほうが使いやすい」といった声もよく聞きます。
キャンパーのブログの口コミなどを見ても、「バーベキューコンロに勝る」とツーバーナーを絶賛している必要派から、「4人程度のファミリーキャンプであればまったく必要性を感じない」と不要派まで、まさにいろいろです。
購入を検討している方は、ツーバーナーが本当に必要かどうか、悩ましいところなのではないでしょうか。
そこで、ツーバーナーのメリット・デメリットについて調べてみました。
ツーバーナーのメリット・デメリット
ツーバーナーのメリット・デメリットについてご紹介します。
メリット
- 一度に同時進行で調理ができる
- クッカーをのせて使いやすく、バーナーヘッドも2つ並んでいるので、ほぼ家庭のキッチンのような感覚で調理ができる
- ゴトクが付いているので、バーナー台を用意しなくても良い
- 品数をたくさん作り、キャンプの料理にこだわることができる
- ツーバーナー周りをまとめてキッチンスペースにすることで、子どもに注意が行き届きやすい
- バーナー1つだけで調理している時に、使っていない場所をフタ置き場にできる
- 調理中、クッカーをちょっと火から離したい時に隣に置ける
- 大きめの鉄板をのせたりする時にも便利に活用できる
- 家族や友人なども気兼ねなく使いやすい
- ちょっとした調理のたびに、いちいち火を起こさなくて良い
- 風防があるので安定した火力を維持できる
- 炭火や焚き火よりも火加減の調整がしやすい
デメリット
- 重量がある
- 場所を取ってかさばる
- 価格が高い
- 専用の置き場やスタンドが必要
- 運搬するのに容量の大きい車が必要
キャンプ初心者にはツーバーナーは必須ではない
結論から言うと、ツーバーナーはキャンプに絶対に用意しなくてはならない必須アイテムではありません。特に、初期費用をかけてキャンプギアを揃えていく初心者の方には、ほかのいろいろなバーナーを試してからご自身のキャンプスタイルに合ったものを選ぶことがおすすめです。
バーナーには、バーナーヘッドが1口のシングルバーナー、固形燃料のバーナーやアルコール燃料のバーナーなど、たくさんの種類があります。また、使ってみたら家庭用のカセットコンロで十分だった、というケースもあるかもしれません。
ツーバーナーは価格も高額ですし、最初からすべてを揃えようとするよりも、まずはいろいろなバーナーを試してからの検討をおすすめします。
それでも家族人数が多い方や、キャンプはほとんどグループキャンプという方なら、最初からツーバーナーを用意してみても良いかもしれません。
ツーバーナーがいらないキャンプシーンとは
キャンプビギナーには必須ではないとご紹介したツーバーナーですが、どのような状況ならツーバーナーがいらないのでしょうか。
以下に、ツーバーナーが不要と考えられるキャンプシーンのいくつかをご紹介します。
ソロキャンプ
少ない荷物で身軽に過ごしたいソロキャンプなら、持ち運びに便利なシングルバーナーなどのほうが断然使い勝手が良いでしょう。焚き火などもするなら、なおツーバーナーは不要と考えられます。
少人数のキャンプ
少人数のキャンプでも、ツーバーナーはほぼ不要と考えられるでしょう。たくさんの料理を同時進行で作る必要はないので、家庭用のカセットコンロなどでも代用できます。扱いに慣れたカセットコンロなどのほうが、使い方も簡単に感じるかもしれません。
炭火や焚き火を使うキャンプ
炭火や焚き火は、特大サイズのバーナーとも言える火力ですよね。これらを活用する場では、ツーバーナーは必要ないでしょう。
キャンプで使いたいツーバーナーの選び方
状況によっては必要なものではないとご紹介したツーバーナーですが、もちろんキャンプシーンにあれば、間違いなく便利なアイテムの1つです。
ツーバーナーを用意する際は、どのような点に気をつけて購入すれば良いのでしょうか。以下に、ツーバーナーを選ぶ際のポイントをご紹介します。
軽量なものを選ぶ
ツーバーナーのデメリットでほぼ必ず挙げられるものに、「重い」ということがあります。せっかく購入したツーバーナーも、あまり重くて運搬などが大変だと使用するのが億劫になってしまうかもしれません。デザイン性や機能面のほかにも、ツーバーナーは軽量性にも考慮して選ぶと良いでしょう。
収納しやすいコンパクトものを選ぶ
「かさばる、場所を取る」と言われるツーバーナーですが、使用しない時に収納することも考えないといけません。ツーバーナーには折りたたみ式になっていてコンパクトに収納できるものもありますので、そのようなタイプを検討してみても良いでしょう。
脱着できる風防があるものを選ぶ
いろいろな環境下で使用することを考え、ツーバーナーを選ぶ際には耐風性にも注目すると良いでしょう。ツーバーナーは、風防があることで耐風性がアップします。
海辺などのキャンプは強い風が吹きますよね。そのような時に、風防があると快適に調理ができます。風防は取り外しができると、大きなクッカーを置く時の妨げになりません。
燃料交換のしやすいもので選ぶ
燃料が交換しやすいと、格段にツーバーナーの使い勝手が良くなります。燃料はバーナーの正面(前面)から交換できるタイプがおすすめです。
燃料の特徴で選ぶ
ツーバーナーに使用する燃料には、カセットボンベ(CB缶)やアウトドア缶(OD缶)を使うガス式と、ホワイトガソリンを使った燃料式の2種類があります。それぞれ特徴が異なりますので、重視するポイントで選ぶと良いでしょう。
ガス式CB缶
ガス式CB缶は、手軽さや扱いやすさを重視する方におすすめです。
CB缶は一般にカセットボンベと呼ばれるもので、スーパーやコンビニなどで売られているので、気軽に手に入れることができます。家庭にあるカセットコンロに使用することもできるので、無駄になりません。ただし、低温下では火力を維持することができないという特徴もあります。
ガス式OD缶
アウトドア用ガス缶のOD缶は寒冷地用のものもあり、低温な環境でも安定した強い火力を維持できるので冬キャンプにもおすすめです。OD缶はアウトドア専門店など、販売されている場所が限られているため、CB缶よりも入手しにくい傾向があります。
ホワイトガソリン
ガス式の燃料と比べて安価で購入できるのがホワイトガソリンです。ランニングコストを重視したい方におすすめの燃料ですが、予備加熱や着火前に行なう加圧作業が必要と、手間がかかります。
キャンプで人気のおすすめのツーバーナー
アウトドアメーカー各社が、おしゃれで格好いいツーバーナーを数多く販売しています。購入する際は、大手通販サイトの売れ筋ランキングや口コミなども比較して、最強のツインバーナーを探してみるのも良いでしょう。以下に、キャンパーに人気の高いツーバーナー5種をご紹介します。
スノーピーク:ギガパワーツーバーナー
丈夫なステンレスを採用していて見た目もスタイリッシュなのは、スノーピークの「ギガパワーツーバーナー」です。ステンレスは錆びにくいので長く愛用できるでしょう。着脱式のスタンドもついてるので、テーブルに置いて調理を楽しむことができます。
折りたたみ式なのでコンパクトに収納でき、持ち運びにも便利です。ガス缶も手前から取り外しができるので交換も簡単ですよ。耐風性に優れている上、OD缶なので寒冷な環境でも安定した火力を維持できるので冬キャンプにもおすすめです。
【収納サイズ】 幅50×厚さ11×奥行き36cm
【重量】 7.3kg
【出力】 3000kcal(×2)
【使用燃料】 カセットガス(OD缶)
ユニフレーム:ツインバーナーUS-1900
オールシルバーのアルミボディで見た目も洗練されている、ユニフレームの定番「ツインバーナーUS-1900」は、重量が驚きの約3.9kgとなっています。非常に軽量なため、女性も持ち運びが簡単です。CB缶を使うので扱いが簡単な上、メーカー販売のプレミアムガスを使用すれば、3900kcalのハイパワー出力できるのも魅力でしょう。
風防が低めなので、ダッチオーブンなども安定して載せることができます。
デザイン性・軽量性・使用感・火力と文句のつけようがないといった口コミも多い製品です。
【収納サイズ】 幅54×厚さ11.5×奥行き32.5cm
【重量】 3.9kg
【出力】 3900kcal(×2)
【使用燃料】 カセットガス(CB缶)
コールマン:パワーハウスLPツーバーナー
アウトドアの定番メーカー、コールマンの「パワーハウスLP ツーバーナー」は、古くからある安定のロングラン製品です。脱着可能な風防付きで、大きめのクッカーもスムーズに置けるでしょう。
収納時の厚みがわずか7cmと大変スリムになりますので、落ち運びも簡単。
表示はLPガスとなっていますが、OD缶に対応しているので火力も強く3500kcalと申し分ありません。重量は4.2kgで、標準的と言えるでしょう。脚が付いていますので、テーブルの上はもちろん、地面に直置きして使うこともできます。
【収納サイズ】 幅54×厚さ7×奥行き32.5cm
【重量】 4.2kg
【出力】 3500kcal(×2)
【使用燃料】 LPガス
SOTO:ハイパワー2バーナー
タフで高スペックな製品で、キャンパーやハイカーに人気のSOTO(ソト)。SOTOの「ハイパワー2バーナー」は、連続使用時に火力が落ちるドロップダウン現象の抑制機能もついた充実のスタンダードモデルです。安定したハイパワーな火力でありながら、どこでも安価に入手できる市販のCB缶を使用できます。
長時間使用したい方や、コストパフォーマンスを重視したい方にもおすすめです。脚も風防も折りたたんで、コンパクトに収納できます。
【収納サイズ】 幅55×奥行34×高さ9cm
【重量】 5.1kg
【出力】 4800kcal(×2)
【使用燃料】 カセットガス(CB缶)
イワタニ:カセットガステーブルBBQグリル
カセットコンロでよく知られるイワタニも、アウトドアで便利に使えるツーバーナーを販売しています。
イワタニが扱う「カセットガステーブルBBQグリル」は、CB缶2個を横置きにして水平にセットできるのが大きな特徴でしょう。安定感のある形状で風の影響を受けにくい構造な上、安全装置もついているので、初心者の方にもおすすめの商品です。
【収納サイズ】 幅62.7×奥行41.9×高さ15cm
【重量】 7.7kg
【出力】 2800kcal(×2)
【使用燃料】 カセットガス(CB缶)
テント内では火気厳禁
焚き火ができない雨の日などにも、調理にはバーナーを使用することがあるでしょう。バーナーでもコンパクトなものならテント内に持ち込みたくなりますが、テント内は火気厳禁です。
一酸化炭素中毒の危険性もありますし、バーナーの炎にテント生地が触れてしまうと、火事になる恐れがあります。雨の日などはタープの下で調理をするようにし、テント内では火気は持ち込まないようにしましょう。
キャンプにおすすめのツーバーナーを使ったレシピ
ツーバーナーを使用すると、料理の幅が広がります。毎回同じようなメニューになってしまいがちなキャンプ飯も、ツーバーナーがあれば多彩な食事が楽しめるでしょう。
ここからは、キャンプで効率的に調理ができるツーバーナーを使ったおすすめレシピをご紹介します。
リコピンたっぷりチキントマトカレー
リコピンの抗酸化作用が、体の調子を整えてくれる一品です。
片方のコンロでご飯を炊き、片方はカレーを作るのにツーバーナーが大活躍します。
【材料(4人分)】
- カレールー …4かけ
- 鶏もも肉 …2枚
- トマト缶 …1缶
- ピーマン …2個
- 玉ねぎ …1個
- パプリカ …2個
- サラダ油 …少々
- 塩コショウ …少々
- 米 …3合
【作り方】
- 米を洗い、夏は30分、冬は1時間吸水させる
- 鶏肉は一口大、野菜はザク切りする
- 飯ごうなどで米を強火にかける
- もう一つのコンロで、鍋にサラダ油を熱し②を炒める
- 飯ごうから蒸気が吹きこぼれてきたら、フタの上に重しをして弱火にして20分煮る
- 鍋にトマト缶を入れ沸騰したらアクを取って中火で10分ほど煮込む
- 鍋に入れた材料が柔らかくなったらルーを入れて溶かして、フタをして逆さまにして弱火で10分ほど煮込む
- ⑤が20分経ったら、火を止めて飯ごうのフタをしたまま逆さまにして10分ほど蒸らす
- ご飯とカレーを盛り付けて完成
キッチンテーブルがいらないキャンプスタイル
キャンプには、必要なものだけ持っていって荷物はなるべくコンパクトにし、運搬や設営、撤収もスムーズに行いたいものですよね。
キャンプスタイルにも変化があり、キャンプにキッチンテーブルはいらないという声も多くなってきています。もしキャンプにキッチンテーブルが不要だったら、荷物の重量はかなり軽減できそうです。
かさばるキッチンテーブルがいらないキャンプスタイルとは、どのようなものなのでしょうか。
ロースタイルで合理的なレイアウトに
少し前までのキャンプでは、キッチンは立って調理がしやすいハイスタイルが主流でしたが、近頃では目線を低い位置に持ってくるロースタイルが人気があります。
ロースタイルのキッチンでは座ったままで調理ができるのが特徴。自分の座る位置の周りにクーラーボックスやジャグ、コンテナやゴミ箱などを置き、正面にツーバーナーを設置すれば、座ったまま最小限の動きで料理ができるレイアウトが完成します。
そして、キッチンテーブル代わりになるのは、クーラーボックスやコンテナになりますよ。高さが小さな子どもにぴったりなので、ファミリーキャンプにもおすすめのスタイルです。
そのほか、サイトごとに炊事場があるようなオートキャンプでも、キッチンテーブルの必要性は低いかもしれません。