マルチツール代表格!ビクトリノックス・ハントマンの使い方

最終更新日:2019/01/15

登山やキャンプといったアウトドアシーンで持っていると重宝するのが、マルチツールです。

別名アーミーナイフとも十徳ナイフとも呼ばれ、その使い方はツールの数以上に多岐にわたります。

本記事ではマルチツールの代表格であるビクトリノックス・ハントマンに注目し、その使い方についてご紹介していきます。

ハントマンに代表されるマルチツール

ビクトリノックス・ハントマンに代表されるマルチツールは、アウトドアではとても役立つアイテムの1つです。

ナイフはもちろんのこと、ハサミやニッパー、ペンチやのこぎり、缶切りなど多くの機能を備えています。

これらの機能をコンパクトな形に集約したものを、総じてマルチツールと呼びます。

備えられているツールの種類やグリップ部分の形状や構造によって、多くのバリエーションがあり、ハイカーやキャンパーに重宝されています。

マルチツールは、大きく分けて2つあります。

ナイフをメインにした「スイスアーミーナイフ」とペンチをメインとする「プライヤーツール」です。

ナイフをメインに使う場合には、スイスアーミーナイフをおすすめします。

ツールパーツを収納するグリップ部分が1つになっていて、握りやすく滑りにくい構造になっています。

一方、プライヤーツールタイプはグリップが2つあり、プライヤー(ペンチ)が使えることが最大のメリットとなります。

金属を曲げる、切断するといった作業が可能で、登山やキャンプでの道具の修理に役立ちます。

アウトドアのシーンによって使い方が分かれますので、自分のアウトドアライフに合ったものを選びましょう。

ビクトリノックスの優れた性能の歴史

マルチツールには、その使い方により2つのタイプがありますが、この記事ではスイスアーミータイプのハントマンにスポットを当てていきます。

ハントマンを製造するビクトリノックスは、スイスのナイフメーカーです。

その歴史は130年にも及び、現在は創始者カール・エルズナーを輩出したエルズナー家の4代目によって経営されています。

ビクトリノックスという社名のルーツは、創始者カール・エルズナー氏を支えた母親の名前が由来となっています。

1909年に母親が他界したときに敬愛を込め、彼女のクリスチャンネーム「ビクトリア」を商標としました。

その後、1921年にステンレススチールが開発され、この年に商標である「victoria」とステンレススチールの国際的名称「inox」を組み合わせ「Victorinox」と社名を改めます。

マルチツールの歴史も長く、1945年にヨーロッパに駐留していたアメリカ軍により持ち帰られ、土産物として人気を集めていきます。

この頃からマルチツールが世界中に広く受け入れられていきます。

現在も受け継がれるビクトリノックスのナイフのもつ優れた性能は、この長い歴史に裏打ちされたものです。

近年ではトラベルギア・ビジネスギアの商品もそろえ、時代の流れをとらえる経営を展開しています。

15の機能・使い方はそれ以上!ビクトリノックス・ハントマンの各ツール

多くのマルチツールを揃えるビクトリノックスのラインナップの中でも、一番人気なのがハントマンです。

手に持った時の重さや大きさのバランスが良く、多くのアウトドアマンに愛用されています。

キャンプを楽しむには多くの道具を必要としますが、ハントマン1つあれば、ほぼカバーできます。

ハントマンの仕様については以下の通りです。

【ビクトリノックス ハントマン】

●ハンドルサイズ:91㎜

●重量:190g

●機能:

・ラージブレード(大刃
・スモールブレード(小刃)
・カン切り
・マイナスドライバー 3㎜
・せん抜き
・ワイヤーストリッパー
・マイナスドライバー 5㎜
・リーマー(穴あけ)/パンチ
・コルクせん抜き
・はさみ
・のこぎり
・マルチフック
・ツースピック
・ピンセット
・キーリング

機能の紹介に併せて、いくつかのツールについて、使い方もご説明します。

・ブレード

大刃、小刃、それぞれで用途は様々です。

食品、パッケージ、ブッシュクラフトにも役立ちます。

・カン切り

登山やソロキャンプの食糧として缶詰を持つ場合に重宝します。

・ドライバー

プラス、マイナスどちらも備えています。

ランタンの修理やヘッドライト等の電池交換に使用できます。

・のこぎり

ロープや薪用の小枝を切るときにはのこぎりが役立ちます。

・はさみ

通常時の用途はもちろん、怪我をしたときにガーゼや当て布を切る、衣類を切るなど緊急時にも使えるツールです。

このように、多くの機能を備えたマルチツールですので、大抵のことは対処できます。

マルチツールを駆使してキャンプを楽しむために…行く前にナイフの使い方を覚える

「お気に入りのマルチツールを駆使して自分だけのこだわりキャンプをする。」

キャンプ初心者だったら憧れるシーンのひとつでしょう。

しかし、ビクトリノックスのハントマンのような手に収まるほどのマルチツールだとしても立派なナイフに違いありません。

普段、刃物に触れないで過ごしていると、その扱い方も分からずブレードを取り出すところで指を切る、なんてことになりかねません。

まずはキャンプに持っていく前に、手になじむまで練習してみます。

練習と言っても特別な道具は必要ありません。

封筒を切ってあける、梱包のビニールひもを切る、食材を切ってみる、鉛筆を削るなど、日常の中でできることをしてみるのです。

そのうちに力加減や持ち方などが分かるようになってきます。

しっかり手に馴染んだナイフなら、キャンプでも活躍すること間違いなしです。

キャンプでのナイフの使い方は日常での使い方のほかに小枝を切る、着火しやすくするために薪にささくれを作るなど、アウトドアならではの使い方が増えます。

日常生活でもナイフの扱いに慣れておくと、キャンプでの使用にも戸惑うことがなくなるでしょう。

ハントマンの使い方に慣れたらメンテナンスをしよう

ハントマンに限らず、マルチツールには高品質の鋼材が使われています。

そして、それぞれの特性にあわせて必要な調整がされることで各ツールの機能を余すことなく発揮することができます。

それぞれの性能を落とさず使い続けるためにも、定期的なメンテナンスは欠かせません。

ハントマンのほか、ブレードがメインとなるマルチツールのメンテナンス方法をご紹介しますので参考にしてみてください。

【マルチツールのメンテナンス方法】

●洗浄

ツールをぬるま湯の中で、滑らかに動くまで開閉します。

各ツールに付いている手あかやゴミなどもこの時に洗い落とします。

良く乾かした後、ツールと柄の部分の間にオイルを一滴差してください。

●ブレードの研ぎ

・ストレート刃

水砥石を使う場合は砥石を15度から20度の角度で当て、両面を研ぎます。

砥石機での研磨では、高温になることを防ぐために十分に水で冷やしながら行います。

・波刃

刃の平側に、砥石を15度から20度の角度で当てて研ぎます。

マルチツールに使用するオイルを選ぶときには、気を付ける点がいくつかあります。

基本的にはビクトリノックス推奨の専用オイルを使用します。

そのほかのものを使用するときは、以下の点に注意してください。

・無味無臭であること
・劣化がしにくいこと
・腐食、摩耗しにくいこと
・食品規格潤滑油であること

機能が多く充実したマルチツールであるほど、その使い方は多岐に渡ります。

きちんとメンテナンスをしてその精度が落ちないようにしていくことが大切です。

ハントマン以外にも!使えるビクトリノックスのマルチツール

コンパクトなのに機能が充実したハントマンですが、ビクトリノックスにはハントマンの他にも多くのマルチツールが存在します。

手の平に握り込めてしまえるほど小さなものから、ソルジャーナイフのような大ぶりのものまで様々です。

代表的なアイテムをご紹介しますので、アウトドアシーンでの使い方も検討しながら、マルチツール選びの参考にしてみてください。

●ビクトリノックス クラシック SD

・サイズ:9×58㎜
・重量:22g
・機能数:7

小さなボディにはさみ、爪やすり、小ナイフなどの日常にも使いやすいツールが内蔵されています。

●ビクトリノックス ランブラー

・サイズ:10.5×58㎜
・重量:30g
・機能数:10

クラシックとほぼ同じ大きさに、さらに多くの機能がついたタイプです。

特にプラスドライバーは、軸が本体の中心にくるようにできていて、ネジを締めやすい設計になっています。

●ビクトリノックス スイスチャンプ

・サイズ:33×91㎜
・重量:185g
・機能数:33

これがあれば、できないことは無いといえるくらいの究極のマルチツールです。

●ビクトリノックス ソルジャーナイフ

・サイズ:18×111㎜
・重量:131g
・機能数:10

スイス軍の兵士が実際に携帯するソルジャーナイフです。

ブレードには引き出し穴が付いていて、片手で出し入れができます。

他のシリーズとはちがい、樹脂製のハンドルを採用しているので滑りにくいのも特徴です。

マルチツールを使いこなそう

ビクトリノックスのマルチツールはその用途や機能によって様々な種類があります。

アウトドアでの使用はもちろん、日常でも使えるものも多くあり、ひとつ持っておくと安心です。

正しく扱い、メンテナンスを怠らなければ、長く役立つ頼もしいアイテムのひとつになるでしょう。

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