最近登山を始めたという方の中には、先を見越してビーコンの購入を検討している方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そんな中、やはり人気なのがマムートのビーコンです。
「どんな製品なのか」「アップデートは必要なのか」「どのように使用するのか」といった疑問を、徹底的に解説していきます。
そもそもビーコンってどんなもの?
今回は、マムートのビーコンについて詳しくお話をしますが、登山初心者の方にとっては、「ビーコン」自体がどんなものかわからないという場合もありますよね。
ここでは、「ビーコン」はどんな時にどのように役に立つか、どれくらい重要なアイテムなのかをご説明しましょう。
まず、「ビーコン」は正式名称を「雪崩ビーコン」と言います。
雪山を登山をしていると、常に雪崩の危険と隣り合わせです。
どこで、いつ雪崩が起きるかは、予測をすることは出来ません。
もしそのような雪崩に巻き込まれてしまった場合に役に立つのが「ビーコン」なのです。
ビーコンはトランシーバーの一種で、雪崩に埋もれてしまった登山者の居場所を感知することが出来ます。
そのため、仲間や救助隊が救出する際に、とても大きな手掛かりとなります。
正直、ビーコンがなければ、果てしなく広がる雪の中に埋もれている登山者を発見することは不可能に近いでしょう。
また、ビーコンがあることで、救助がスムーズになり、救助隊や仲間の二次災害を防ぐことにもなるのです。
では、次からはマムートのビーコンの種類、アップデートなどについて詳しくお話ししてきましょう。
マムートの最新ビーコン!その違いは?アップデートは必要?
マムートのアバランチビーコン「Barryvox」は、1968年に販売され、現在までさまざまな進化を遂げてきました。
シリーズのどの製品も、高い性能と高い信頼性を誇り、長きに渡り登山者に愛され続けています。
ちなみに、「Barryvox」の由来は、開発製造を行っているスイスで実在した救助犬の「Barry」という名前と、ラテン語で「声」という意味の「vox」を併せた言葉になっているようです。
そんなBarryvoxシリーズが2017年にフルモデルチェンジをし、二種類のビーコンが発売されました。
それが、「BARRYVOX S」と「BARRYVOX」です。
どちらも、アバランチビーコンの中でも広い探索帯域幅・受信帯域を誇り、ストレスにさらされている環境下でも容易な操作を実現する性能・表示画面になっています。
これらのビーコンの購入を検討している方が気になるのは、二つの製品の違いでしょう。
価格には1万円弱の差があり、「BARRYVOX S」の方が「BARRYVOX」よりも高くなっています。
しかし、スペックを見てみると、最大帯域・探索帯域幅・サイズ・重量・バッテリー・バッテリー寿命・周波数、全てが同じになっています。
また、どちらの製品も、定期的なアップデートが必要という点も同じです。
では、どこに違いがあるのでしょうか。
次で、詳しくお話しをしましょう。
マムート最新ビーコン二つの違いは?
では、マムートの最新ビーコン、「BARRYVOX S」と「BARRYVOX」の違いについて詳しくご説明してきましょう。
まず、ビーコンには「アナログ式」・「デジタル式」・「アナログ・デジタル切り替え式」があります。
これらの方式の違いは以下の通りです。
●アナログ式
デジタル式よりも、広範囲の受信が可能です。
しかし、電波の特性から、電波の強い場所として2か所表示されてしまうことがあります。
●デジタル式
受信感度はアナログ式よりも劣りますが、電波が多くなればなるほど、比較的捜索が容易になります。
ビーコン初心者の方にはおすすめでしょう。
●アナログ・デジタル切り替え式
上記の二つのタイプを兼ね備えたものです。
アナログ式と、デジタル式、それぞれの特性を活かし探索をすることが可能です。
以上のように、方式ごとにメリットとデメリットがあることをお分かりいただけましたでしょうか。
ここで、問題の「BARRYVOX S」と「BARRYVOX」の違いですが、この二つのビーコンは採用されている方式に違いがあるのです。
「BARRYVOX S」は、アナログ・デジタル式、「BARRYVOX」は、デジタル式になっています。
性能的には「BARRYVOX S」の方が高くなりますが、初心者には使いこなすのが難しいかもしれませんね。
ビーコンを初めて購入するという方は、「BARRYVOX」でも十分でしょう。
では、次はアップデートについて詳しくお話ししてきます。
マムートのビーコンをアップデートしよう!
みなさんが使用しているスマートフォンなどもアップデートをするように、マムートのビーコンも、定期的なアップデートが必要になります。
このアップデートを行うことで、性能・使用感などが向上し、パフォーマンスも高くなるのです。
そのため、最新のファームウエアがリリースされたら、更新することをおすすめします。
では、どのような方法でアップデートを行えばいいのでしょうか。
アップデートを行う方法を挙げていきます。
●バリーボックスオフィシャルサービスセンター
まず、マムートのビーコンを購入したら「Barryvoxユーザー登録」を行いましょう。
これを行うことで、アップデートや製品の最新情報を得ることが出来ます。
●購入店でアップデート
購入したお店に持ち込み、アップデート依頼をしましょう。
宅配などでのアップデートを受け付けている店舗もあります。
ただし、オークションなどで購入した場合や、正規品販売店でない場合、受け付けてもらえない可能性があるので注意しましょう。
このような点や、修理依頼などのことも考えると、正規品販売店で購入することを強くおすすめします。
ビーコンのアップデート完了!雪崩救助の必須アイテムとは?
先ほどは、マムートビーコンのアップデートについてお話ししました。
ビーコンは、雪崩で埋もれてしまった人を救助する際に、重要な手掛かりとなります。
しかし、ビーコンで居場所がわかっても、救助する道具を持っていなければ意味がありません。
雪崩の雪を手で掘り返すとなると、とても体力を消耗します。
それだけでなく、救出に時間がかかると埋もれてしまった人だけでなく救助している人の命にまで危険が及びます。
つまり、雪崩に巻き込まれたら、一刻も早く救助することが大切なのです。
そこで役に立つのが、スノースコップとプローブです。
スノースコップは名の通り雪を掘るスコップで、柄の長さを調整出来るものやザックに収納出来るものなど、さまざまなものがあります。
プロープは、ビーコンで居場所を探し当ててから、より正確な場所を特定する際に使用します。
長い棒状になっており、雪に突き刺して使用するものです。
救助だけでなく、積雪状況を把握することも出来るので、必ず持って行きましょう。
ビーコンのアップデート完了!登山前に確認すべきことは?
マムートビーコンのアップデートも完了し、いざ登山開始という前に必ず行うべきことがあるので、覚えておきましょう。
それが、ビーコンの相互反応のチェックです。
この作業は、意外と忘れられがちと言われています。
もちろん、登山家やガイドツアーなどではしっかりと行われていることです。
そのようなことを考えると、必ず行うべきということがわかるでしょうか。
もし、最新バージョンにアップデートをしていたとしても、何らかの原因により、相互反応がされないなんてことが起きてしまったら意味がありませんよね。
このため、登山開始前には必ず「相互反応チェック」を行いましょう。
●2人での登山
2人での登山の場合は、1人が発信モード、もう1人が探索モードにします。
交互に行って、両方共しっかりと反応するかを確認します。
チェック後は、発信モードにすれば完了です。
●複数での登山
複数で登山をする場合は、1人が発信モード、その他の人が探索モードにします。
一人一人のビーコンが、発信モードの人の前で反応すればOKです。
全員、発信モードの役回りをし、異常がなければ発信モードにして完了です。
マムートのビーコンで命を守ろう!
今回は、マムートのビーコンについて詳しくお話しをしました。
マムートのビーコンは、定期的なアップデートがあり、常に性能の向上がなされています。
持っているだけで安心するのではなく、しっかりとアップデートをした上で、正しい知識を持ち登山に挑みましょう。