近年人気の登山用ザックですが、その用途は容量によって使い分けが必要になります。
日常使いができるものから、本格的な登山用のものまであります。
この記事では、日帰り登山や泊り登山の用途に合わせてザック容量をご紹介します。
また、おすすめの登山用ザックも合わせてご紹介します。
ザック選びで悩んでいる方はぜひ、参考にしてくださいね。
- 登山用ザックはどのような特徴がある?
- 登山用ザックは用途に合わせた容量と機能で選ぼう!
- 日帰り登山におすすめのザック容量は?
- 泊り登山におすすめのザックの容量は?
- ザックに入れるおすすめの登山持ち物は?
- おすすめの登山用ザックのご紹介!
- 登山に限らずなんでも使えるザックのおすすめ「ミレー パルス22」
- ワンランク上の登山へは「プラスワンワークス デナリ」がおすすめ
- バックカントリー向けザックなら「ホグロフス マウンテンサーフ」
- 「OMM クラシック25」でウルトラライト登山デビューを
- ザックにプラスして便利なおすすめアイテム「山と道 ヤマトミチサコッシュ」
- 「ドイター キッドコンフォート」で親子登山にチャレンジ
- 用途や体に合わせて登山用ザックの容量を選ぼう!
登山用ザックはどのような特徴がある?
登山用のザックは、
・背負いやすい
・疲れにくい
・壊れにくい
このような特徴があります。
ザックにたくさんの荷物を詰め込むと、その分重量が増えます。
その重量は、肩や背中、腰に多くの負担をかけます。
そのことを踏まえ、登山用のザックはそれらの負担を考えた設計になっています。
重量にも耐えられるように壊れにくくなっているのはもちろん、重量のあるザックでも背負いやすく、そして疲れにくくさせるために重要なのが、腰ベルトです。
腰ベルトをしっかりフィットさせることにより、重さが肩だけに集中しないようになります。
さらに、胸のストラップを締めることでザックが無駄に揺れませんから、荷物を安定して背負うことができます。
このように、登山用のザックは腰ベルトや胸ストラップなどが装備されており、体への負担を軽くします。
近年では登山だけでなく、たくさんの教科書や参考書を詰め込む学生にも人気が高まっています。
そのため、登山用ザックは荷物の多い学生の日常使いにもおすすめです。
登山用ザックは用途に合わせた容量と機能で選ぼう!
前述した通り、登山用ザックは、背負いやすい・疲れにくい・壊れにくいといった特徴がありますが、自分の体や用途に合わせて容量を選ばないとその特徴を活かしきれません。
「大は小を兼ねる」ということから大きいものを選べばいいと思うかもしれませんが、よく考える必要があります。
大容量のザックとなると、余裕がたくさんあるのであれこれと荷物を詰め込むことができます。
しかし、体が小柄だと、背負ったときにバランスがとれなくなる可能性があります。
無理に背負ってしまうことで歩きにくく、その分疲れも早く出てしまうことになるでしょう。
そうならないためにも、用途に合わせたザックの容量を選ぶことが大切です。
自分に合う容量のザックを選んだあとは、機能面をみていきます。
長時間背負うと想定して、背面や肩部分のつくり、腰ベルトや胸ストラップの使いやすさ、ザックそのものの重量、収納性といった部分が自分に合うか、しっかり確認しましょう。
それらに納得できたうえで、デザインを選ぶようにすることをおすすめします。
デザインを先に選んでしまうと、後の登山で容量や機能性といった部分で不満を感じてしまうことにもなりかねません。
そして、容量選びの基本となる用途についてですが、日帰りの登山なのか泊りの登山なのかでザックの容量は変わってきます。
次項から、用途に合わせたおすすめのザック容量をご紹介していきます。
日帰り登山におすすめのザック容量は?
それでは、まず日帰り登山・ハイキング・トレッキングで使える登山用ザックについてご紹介します。
●20リットルまで
20リットルまでのザックは、ハイキングに使うことができます。
20リットルほどの容量なら、登山用のザックではなく、手持ちのリュックサックでも大丈夫です。
●20~30リットル
20~30リットルのザックは、低山を登る軽登山やトレッキングにおすすめです。
5~10キロくらいの荷物をいれることができます。
また、このサイズはデイバックとしても人気が高く、さまざまなメーカーから販売されています。
特に軽登山やトレッキングで使うのであれば、胸ストラップや腰ベルトがあるものを選びましょう。
トレッキングは山中を歩くことが多いので、寒暖差により脱ぎ着することを踏まえ、荷物も増えます。
●25~35リットル
20~30リットルの軽登山に対し、日帰りの登山で使えるのがこの25~35リットルのザックになります。
トレッキングと同じく、寒暖差による服装の調整や、行動食(おやつ)が必要になりますから、このくらいの大きさがあると安心でしょう。
泊り登山におすすめのザックの容量は?
日帰りのザックについてはお伝えした通りですが、ここでは泊り登山のザックについてみていきましょう。
●30~40リットル
1泊2日の山小屋泊を想定したとき、このサイズがおすすめです。
初心者の場合、あれもこれもと荷物が増えていきますので、本当に必要かを見極めながら荷物の準備をしましょう。
30リットルを超える容量になると、女性が背負うには少々大変になってくる場合が多いです。
そのため、腰ベルトをしっかりフィットさせて体への負担を楽にできるザックを選びましょう。
●50~80リットル
1泊2日のテント泊の場合、今までご紹介したザックより大き目の50~80リットルになります。
山小屋泊では用意する必要のないものが一気に増えるためです。
例えば、テント・調理器具・食材・寝袋などです。
大きな荷物も増えるため、登山中にさっと取り出せる行動食や水分などは、側面のポケットや腰ベルトに備え付けのポケットなどにしまうことをおすすめします。
女性の場合は、50~70リットルを目安に、少し小さめで選ぶといいでしょう。
●90リットル以上
90リットルや100リットル以上の大容量の登山ザックは、縦走や長期遠征テント泊に使います。
この容量となるとかなりの重量になるため、選ぶ際は、重さに耐えうる生地の耐久性が最大のポイントになるでしょう。
ザックに入れるおすすめの登山持ち物は?
ここまで、主に登山用ザックの容量に合わせた用途を中心にご紹介してきました。
では、具体的にザックには何を入れるのかをくわしくみていきましょう。
【登山初心者におすすめの登山持ち物】
①レインウエア・ザックカバー
山の天気は変わりやすいため、突然の雨などでも濡れないために必要です。
また、レインウエアは体温を保つこともできます。
ザックカバーはビニール袋でも代用可能ですが、風で飛ばされる可能性もありますから注意が必要です。
②ライト
懐中電灯でも可能ですが、両手が使えるヘッドライトがおすすめです。
下山が夕方になると暗くなる場合があるため、あると安心です。
③コンパス・地図
道に迷ったときに使います。
事前に使いかたも覚えておきましょう。
④登山計画書・筆記用具
事前に登山計画書を3通作成し、登山時に携帯します。
残り2通は、家族保管と、山の管轄の警察に提出します。
登山記録を残すためにも筆記用具が必要です。
⑤行動食・水分
移動中でも食べやすいものでカロリーのあるものにしましょう。
⑥お金
食事や水分補給の際に必要になります。
⑦タオル・テッシュペーパー・ゴミ袋
タオルは汗拭きや紫外線対策になります。
テッシュペーパーやゴミ袋といったエチケットグッズも必要です。
これらの荷物を入れるには30リットルくらいのザックを選ぶといいでしょう。
おすすめの登山用ザックのご紹介!
最後に、おすすめの登山用ザックをいくつかご紹介します。
【ミレーのパルス 22】
・容量:22リットル
・重量:585グラム
ハイキングやトレッキングにおすすめのミレーのパルスは、軽量でありながら快適なザックで初心者におすすめです。
【グレゴリー スタウトSTOUT 30L】
・容量:30リットル
・重量:本体 1.06キログラム、レインカバー 68グラム
収納性が高い一方、アジャスタブル・トレイルフレックス・サスペンションといった機能性から体への負担を考えられたザックです。
【モンベル バーサライトパック40】
・容量:40リットル
・重量:710グラム
初心者よりある程度登山に慣れた方向きです。
豊富なポケットがあり、腰ベルトは腰骨の曲線にフィットするため、体への密着で重さを分散させます。
軽さが自慢のザックです。
【ドイター エアコンタクト 65+10】
・容量:65リットル+10リットル
・重量:2.83キログラム
縦走や長期登山におすすめのエアコンタクトは、丈夫なつくりで長期にわたり安心して背負うことができます。
背面パッドには、通気性の高いエアコンタクトシステムを採用しています。
大量に荷物を詰め込んでも背負いやすいため、人気があります。
登山に限らずなんでも使えるザックのおすすめ「ミレー パルス22」
「ミレー(=Millet)」はフランスのアウトドアブランドで、ウェアからバックパックまで幅広いアイテムを展開しています。
近年では、メッシュインナーの代名詞としてもミレーを目にする機会が増えました。
そんなミレーですが、特にバックパックの定番ブランドとして確固たる地位を築いてきました。
それは、ミレーの歴史がショルダーストラップ付きバッグ販売から始まったことに起因しています。
1930年代にショルダーバッグを発売後、バッグパックへと進化させ、今では登山ザックブランドの代表格となりました。
さて、そんなミレーのザックでおすすめなアイテムは「パルス22」です。
この「パルス22」はその名の通り22Lのザックで、日帰りハイクに最適な容量です。
スリムで縦長の形状をしているため、ザック内部での荷物の収まりがよいので、高い安定性があります。
メインルームにアクセスするザック上部のジッパーは、ザックのおおよそ半分の位置まで大きく開くことができ、物の出し入れが非常にスムーズです。
高耐久の100Dヘキサクロスナイロンを採用し、ハードな使い方や環境にも対応できます。
小型のザックとしては珍しく、幅広のウェストハーネスが搭載されていて安定性が高く、背面からウェストハーネスにかけては通気性の高い素材を用いています。
これだけ高機能で、重さはたったの585gです。
軽さや高い安定性から、「パルス22」は登山だけでなく、トレランやファストハイクなどの用途でも活躍することでしょう。
1つ持っていればあらゆる用途で使用できるミレーの「パルス22」は、登山デビューでまず候補に挙げて欲しいおすすめアイテムです。
ワンランク上の登山へは「プラスワンワークス デナリ」がおすすめ
「プラスワンワークス(=PLUS ONE WORKS)」とは、日本のザックブランドです。
主にバックカントリースキー向きのザックや、山岳ガイド向けのハイエンドなザックを中心に製造・販売しています。
デナリ滑降を成功されたプロスキーヤーや八甲田山のスキーガイド隊など、第一線で活躍するプロフェッショナルとともに開発を進めている点は大きな魅力でしょう。
そんな雪山のイメージが強いプラスワンワークスから、夏山向けのザックが発売されていることはご存知でしょうか?
それが「デナリ(=Denali)」シリーズです。
このデナリシリーズは、夏山の小屋迫や雪山の日帰りでも使える30Lと、テント泊やロングの縦走にも使える40Lの2サイズ展開です。
大容量の雨蓋ポケットにはU字型の大型ジッパーを配し、ポケットを大胆に開くことで物の出し入れを容易にしました。
サイドポケットの取り付け角度や位置は、ザックを背負ったままでもアクセスが容易なように設計されています。
ザック上部の開口部からだけでなく、フロントの大口ジッパーからもメインルームへアクセスでき、スピーディな物の出し入れを実現しました。
アックスホルダーと上部のウェビングを組み合わせることで、左右2本のピッケル・トレッキングポール・マット・スノーシューなどを外付けすることも可能です。
なお、別売されているアタッチメント式のボトルホルダーや、スマホ・カメラホルダーを用いることで、ささやかなカスタムも可能です。
日帰りの登山デビューから、縦走や冬山などにステップアップしたい方にはおすすめのアイテムです。
バックカントリー向けザックなら「ホグロフス マウンテンサーフ」
登山の楽しみは登るだけではありません。
降りることにも大きな楽しみがあることをご存知でしょうか。
バックカントリースキー・スノーボード(以下BC)と呼ばれるアクティビティがあります。
このBCとは、ゲレンデではなく自然の山で行うスキーやスノーボードのことで、大自然の迫力と人のいない場所で滑れるという魅力の詰まったアクティビティです。
BCにおいて、リフトではなく自らの足で山を登る必要があります。
つまり、雪山の登山をして、滑って降りてくるような遊び方です。
そんなBCにおすすめザックが「ホグロフス マウンテンサーフ」です。
BCに求められる機能はほかのザックとは少し異なりますが、その全てをそろえたザックがマウンテンサーフなのです。
BCザックなので、スキー板やスノーボードをザックに固定して背負うためのストラップが装着されています。
降雪や滑降時に舞い上げた雪が付着しにくいバックパネルを採用しており、背中とザックの隙間が濡れることを防いでいます。
雪崩発生時に使用するスコップや、ゾンテなどを収納する2つのチューブポケットを装備しています。
ハイドレーションチューブはハーネス内に収納できるため、飲料水が凍結するリスクも低減しています。
なお、メインの気室には、バックパネル部のジッパーからアクセスできる構造になっています。
これにより、板を背負った状態でも物の出し入れが容易になっています。
なお、スノーシューハイクでも大活躍するアイテムなので、冬のアクティビティデビューをお考えの方にはおすすめのザックです。
「OMM クラシック25」でウルトラライト登山デビューを
今日では、荷物を軽くコンパクトにして身体への負担を減らし、機動性を高めた「ウルトラライト登山(=UL)」が注目されています。
そのULの大定番ザックと言えば「OMM クラシック25」ではないでしょうか。
もともと「OMM」という山岳レースに特化した性能を持つこのアイテムですが、山岳レースとULには共通点があります。
まずはザックの軽さで、25Lの容量があるのにも関わらずたったの540gです。
前の項で紹介した「パルス22」と比べても、非常に軽いことが分かります。
次に、背負った時の安定性です。
走ったり、早歩きをしたりと、高速で移動する山岳レースでは、背負った時に安定しないザックではパフォーマンス低下につながります。
このクラシック25では、背中に吸い付くようなフィット感が得られます。
この安定性こそがUL登山でも求められます。
軽さと安定性は背反する部分がありますが、そのどちらもを実現したザックこそ「クラシック25」なのです。
もちろん、UL登山以外の場面でも非常におすすめのザックです。
ザックにプラスして便利なおすすめアイテム「山と道 ヤマトミチサコッシュ」
「ヤマミチ」の愛称で知られる「山と道」は、日本のガレージブランドです。
ウルトラライト登山に精通したブランドで、高い耐久性と防水性を持つ超軽量素材を用いたザックを数多く展開しております。
購入者がカラーなどを自由に決められるセミオーダーメイドのブランドで、アイテムによっては数か月待ちになっている物もあります。
そんな「山と道」からおすすめのアイテムは、ザックではなくザックのサブとして使用する「サコッシュ」です。
サコッシュとは、もともとは自転車レースの選手へ補給する際に使われていた小型の肩掛けポーチのことです。
今日では多くのブランドからさまざまなサコッシュが発売され、自転車やアウトドアだけでなく、ファッションアイテムとしても普及し始めています。
登山ザックにプラスでサコッシュを持つことには大きなメリットがあります。
それは、スマートフォンやカメラ、地図やコンパスなどのこまめに使う物をすぐに取り出せるということです。
山と道のサコッシュは、27cm×18cmの大きさで9cmの幅広なマチがあるため、カメラや地図・コンパスだけでなく、おやつやドリンクを入れることも可能です。
なお、幅広のマチのおかげで、自立させることもできます。
しかし、山と道のサコッシュの魅力はこれだけではありません。
常に豊富なカラー展開をしていることです。
シーズンごとに増減はしますが、約20種類程度の展開があります。
ウェアに合わせてカラーを選んだり、誰ともかぶらない色をセレクトしたりと、自由度が高いことが大きな魅力でしょう。
今の装備にプラスワンで、さらに快適な登山を目指しましょう。
「ドイター キッドコンフォート」で親子登山にチャレンジ
「ドイター(=deuter)」はドイツのアウトドアブランドで、1898年の創業以来、長い歴史を持ちます。
登山やトレラン・バイクアクティビティに適したバックパックを中心に、スリーピングバッグなどのアウトドアギアの製造・販売を行っています。
そんなザックの老舗ブランドでおすすめのアイテムとして、「キッドコンフォート」をご紹介します。
「キッドコンフォート」はキッドキャリー、つまり乳幼児を背負うためのザックです。
荷物を収納するための気室は2つにジッパーにより2つに分かれており、14Lの容量があります。
背面は全面メッシュ張りの構造で通気性が高く、背中の蒸れを防いで快適に使用できます。
ウェストハーネスにはクッション性の高い素材を用い、高いフィット感と安定性を発揮します。
その安定性は、エキサイトしたお子さんが激しく動いても苦にならないほどです。
肝心の安全性ですが、キャリーに収まったお子さんの顔の高さまでカウルが覆う構造をとり、外部要因から大切なお子さんを守ります。
まだ小さなお子さんと登山を楽しみたい方には、必見のアイテムではないでしょうか。
もちろん、日常のショッピングや外出など、タウンユースでも大活躍です。
大切なお子さんを守るドイターの「キッドコンフォート」で、親子のアウトドアタイムを満喫しませんか。
用途や体に合わせて登山用ザックの容量を選ぼう!
登山用のザックは容量によって区別されています。
日帰り・泊り・長期といった登山において、使用するザックの容量はとても重要です。
詰め込む荷物も日帰りより泊りの登山の方が増えますから、その分大きな容量にしなければなりません。
自分の体に見合った容量のザックにすることも大切なポイントです。
どの程度の登山に使うザックなのか、自分の体に合っているのかなど、よく検討して購入することをおすすめします。