キャンプでの料理におすすめしたい鍋がスキレットです。
近年、SNSなどで写真映えすることから人気が沸騰しているグッズですよね。
スキレットは鋳物ですから高温に強いため、一般的なフライパンのように炭火にかけているうちにコーティングが剥げてしまうことはありませんので、アウトドアにうってつけという性質もあります。
この記事では、キャンプ料理に活用してほしいスキレットのご紹介をしていきます。
キャンプで見かける?スキレットはフォトジェニックでユースフル!
皆さんはスキレットという鍋をご存知でしょうか。
おしゃれな洋食屋さんで、アヒージョやオムレツが小鍋に入ったまま提供されるところを見たことがある方も多いかもしれません。
また、SNSなどでキャンプを楽しんでいる写真を見ると、何やら黒い鍋で料理をしているシーンを見かけるかもしれませんね。
そのときに使われている黒い小鍋がスキレットです。
一般的にスキレットとは、鋳鉄製のフライパンのことを指します。
黒くてマットな鉄の質感が料理を引き立てるため、近年では写真映えする調理器具として人気を集めています。
また、スキレットの良さは見栄えだけではありません。
鋳鉄のもつ性質のおかげで、調理器具としても優秀なメリットを持っているんですよ。
取扱いの上で注意すべきことは何点かありますが、ぜひ一度は使ってみてほしい調理器具です。
ここからは、スキレットについて詳細に説明したり、活用方法や手入れ方法についてご紹介していきます。
スキレットってどういうもの?使うメリットは?
見たことがある方も多いであろうスキレットですが、その正体は鋳鉄でできたフライパンです。
鋳鉄とは、溶けた鉄を型に流し込んでつくる製法の『鋳造』で作られた鉄のことを指し、鋳鉄で作られた製品である『鋳物』の例として、南部鉄器などが有名かと思います。
以上のように『鋳造』されたスキレットに対して、一般的なフライパンは金属板を金型で打ち抜く『プレス製法』で作られています。
鋳造製品とプレス製品の代表的な違いとしては、鍋の厚みが挙げられます。
一般的なフライパンの厚みは1.6mm程度であることに対して、スキレットの厚みは4~5mmもあることが多いです。
鉄板は薄いほど温まりやすいため、忙しい日常の料理では火の通りやすいフライパンのほうが便利だと言えるでしょう
しかし、ゆっくりと過ごすキャンプでは、スキレットのメリットが際立ちます。
鍋の厚みがあるスキレットは確かに熱しにくいのですが、その分蓄熱力が高いため、長時間冷めにくいです。
つまり、食べ物をずっと温かいままキープしてくれるのです。
屋外は室内のように空調が管理されていませんし、風も吹くため料理がすぐに冷めてしまいますよね。
しかし、スキレットに入っている料理は鍋に保温作用があるため、ずっと温かいまま食べることができるのです。
この性質はアウトドアで嬉しいものですね。
加えて、アウトドアでは火力の強い炭火を使うことが多いですから、鍋があたたまるまでの時間も短縮されて、デメリットも目立ちませんよ。
頑丈なスキレットをキャンプでの料理に活用しよう!
引き続き、スキレットをキャンプで使うメリットをお伝えしていきます。
一般的なフライパンは、テフロンやダイヤモンドコートといったコーティングがされています。
こういったコーティングの耐火温度はおよそ260℃で、その温度を超えると焼ききれてしまい、コーティングがなくなってしまいます。
とはいえ、家庭用のガスコンロの場合には安全装置がついており、250℃を超えたあたりで火が消えてしまいますから、コーティングが焼ききれてしまうような事態はなかなか起きません。
しかし、アウトドアで使う炭火やバーナーには、そういった安全装置は付いていません。
もしフライパンで料理をしていたら、火にかけているうちにコーティングが剥げてしまって、焦げ付くようになってしまうかもしれません。
一方、スキレットにはそもそもコーティングがされていないため、どんな強火にかけていても問題ありません。
「コーティングがないと焦げ付くのではないか」と心配する方もいるかもしれませんね。
スキレットは鋳鉄でできているため、鍋肌に小さな穴が無数に空いています。
次項でご説明する『シーズニング』などのお手入れをスキレットに施すことで、無数の穴に油膜が生成されて、焦げ付かない鍋になるのです。
この油膜を育てるのもスキレットを使う醍醐味だという人もいます。
スキレットを使う際には、お手入れをしっかりと行って、油膜を育てることも楽しんでみてくださいね。
スキレットを買ったらシーズニング!料理の前に済ませよう!
スキレットはコーティングがされていないというお話をしました。
そのため、食品の焦げ付きを防いだり、錆びつきを予防したりするために特殊なお手入れが必要となります。
それが『シーズニング』です。
シーズニングはスキレットを買って初めて料理に使う前と、スキレットが焦げ付いてしまった場合に行ってください。
キャンプ先なら問題ありませんが、自宅で行う場合にはしっかりと換気をしてくださいね。
手順や準備するものは以下のとおりです。
【シーズニングに使うもの】
・スキレット
・食用油(オリーブオイルなど、常温で液体のもの)
・野菜くず(香味野菜が望ましい)
・ガスコンロやバーナー、炭火などの熱源(IH機器は不可)
・タオルや鍋つかみなど(水気を含んでいるとやけどの原因となりますから乾いたもの)
【シーズニングの手順】
①スキレットを洗剤でよく洗います。
②スキレットを火にかけて、水分を飛ばします。
③そこに少量の食用油を注いで、鍋肌から煙が出るまで加熱します。
④鍋に食用油を多めに注ぎ、野菜くずを炒めます。
炒める野菜くずは水気を切っておきましょう。
⑤鍋の側面や裏面、柄の部分にも野菜くずで油を塗りつけてから、火にかけて乾かします。
⑥スキレットの全体に油が馴染んだら完成です。
野菜くずは捨ててください。
シーズニングが終わったスキレットは非常に高温ですが、自然に冷えるまで放置しておいてください。
水をかけるなどして急激に冷やすと、温度変化によってスキレットが割れる恐れがあります。
スキレットはケアが肝心!キャンプ先でも忘れずに!
スキレットは料理に使った後にきちんとケアをしなければ錆びてしまいます。
しかし、前項でお伝えしたシーズニングの手間を思うと、毎回のケアは辛いと感じてしまいますよね。
しかしご安心ください。
スキレットの日常のケアは、もっと簡単なもので大丈夫です。
家でもキャンプ先でも、スキレットを使い終えたらたわしやささらで洗い流してください。
この時、洗剤は使わないでください。
洗剤を使うと、スキレットの表面にできた油膜が落ちてしまうため、錆びやすくなってしまいます。
また、金たわしのような研磨力の強いもので洗う事も、鍋肌の露出につながりますから錆びの原因となります。
もしスキレットに食材が焦げ付いてしまった場合には、火にかけて炭化させてから、割り箸などで擦り落としてください。
この時、重曹を併用すると効果が倍増します。
以上のようにしてスキレットがきれいになったら、火にかけて水分を飛ばしてから、薄く全体に食用油を塗ってケア完了です。
スキレットでできるおすすめ料理!
スキレットを手に入れたら、ぜひ試していただきたい料理をご紹介します。
キャンプ場で作ってみんなでつつくと、おいしさも倍増しますよ。
■アヒージョ
たくさんの油を使った料理ですから、まだ若いスキレットに油をなじませるために作るのもおすすめです。
①スキレットにオリーブオイル、潰したにんにく、鷹の爪、塩を入れて、じわじわと過熱します。
にんにくや唐辛子が焦げてしまわないように注意してください。
②オリーブオイルに香りが移ったら、きのこやエビなど、好みの食材を入れてください。
この時、食材の水分は切っておきましょう。
③そのまま5分ほど煮込めば完成です。
■スパニッシュオムレツ
たっぷりとしたオムレツです。
スキレットの蓄熱性を利用してふっくらと焼き上げましょう。
①鍋に多めにオリーブオイルを引き、鍋からはみ出さないくらいの量の玉ねぎやじゃがいも、人参、ベーコンをじっくり揚げるように炒めます。
②塩とコンソメで味を整えたら、溶き卵と溶けるチーズを注ぎ入れてざっくりと混ぜます。
③蓋をして弱火で5分くらい火を通したら、完成です。
スキレットはキャンプで大活躍!アウトドア料理を楽しもう!
キャンプでの料理に便利なスキレットをご紹介してきました。
料理の見栄えもしますし、保温性も高いため実用的ですよね。
お手入れの際にいくつかのポイントがありますが、そこだけ理解しておけば便利に使える鍋です。
スキレットを使って、アウトドアでの料理を楽しんでくださいね。