スノーピークのアウトドアギアにはいくつもの看板商品がありますが、IGTもそのひとつといって良いでしょう。
スノーピークファンだけでなく、キャンパーであれば一度は見たことがあると思います。
キャンプサイトでバラバラになりがちなレイアウトをすっきりとまとめ、しかも自由な改造もできるというのがIGTです。
それではIGTがどのようなギアなのかについて見てみましょう。
スノーピークのIGTとは
スノーピークの大ヒット商品のひとつ、「IGT」。
IGTとは「アイアングリルテーブル」の略称です。
このIGTは、「フレーム」「脚」「ユニット」がすべてバラバラに販売されており、組み合わせることによってそれぞれのお好みのキッチンやダイニングを作り出すことができるというシステムのギアです。
最近では、キャンプスタイルのバリエーションが広がり、ハイスタイルからミドルスタイル、ロースタイルなど、テーブルやチェアの高さもさまざまになってきました。
IGTは3種類のフレーム(ロング・ノーマル・ショート)と4種類の脚の長さを組み合わせることで、どんなキャンプスタイルの中にでも溶け込むことができます。
さらに、フレームの中にはツーバーナーや天板などのオプションをセッティングすることができます。
レイアウトも自由で、「コの字」にしたりアイランドキッチンにしたり、使いやすくおしゃれな空間を作り出すことができます。
そのときのスタイルによって、テーブルの高さや幅、調理器具をセットできるので、改造具合も自由自在なのです。
キャンプの回数をこなしてくると、「ここにサイドテーブルがあったら」「テーブルの高さをもう少し変えたい」など、サイト内のレイアウトを自分流に改造したくなるものです。
それに応えてくれるのがIGTです。
改造の前に!IGTの高さを決めよう
スノーピークのIGTはあまりにバリエーションが豊富なので、自分のキャンプスタイルに何が必要なのかわからなくなってしまうこともあります。
そんなときは、まず高さを決めると良いでしょう。
今お持ちのチェアやテーブルなどの高さとのバランスを考えます。
IGTには4種類の脚の高さがあります。
①ハイスタイル:830mm脚
IGTで一番脚が長いサイズです。
調理台など、立ちながらの作業に適しています。
腰をかがめずに調理ができるため、料理にこだわりたい人や調理時間が長めの人におすすめです。
調理台だけでなく、大人数でのスタンディングスタイルの食事などにも使えますよ。
フレームに、同じくスノーピーク製の「ギガパワーツーバーナー」と「マルチファンクションテーブル竹」をセットすれば、それだけで使いやすいキッチンになります。
「マルチファンクションテーブル」には、「コーナーR」と「コーナーL」があるので、それをうまく使えば「L字」や「コの字」のキッチンにも改造できますよ。
複数人で調理をするときには便利ですね。
定番スタイル!スノーピークのチェアにもピッタリ
続いて、ハイスタイルより少し低いタイプです。
②ミドルスタイル:660mm脚
キャンプでは多く見かける高さで、スタンダードな高さです。
スノーピークの「FDチェア」に座ったときにちょうど良い高さです。
食事をとったり、くつろいだり、お酒を飲んだりと、さまざまなシーンで使うことができます。
また、スノーピークの「ワンアクションテーブル竹」と同じ高さになっているため、すでに持っているという人は合わせて使うこともできますね。
ただ、調理をするためには少し腰をかがめなければなりません。
調理用とするにはあまりおすすめしません。
おすすめのIGT改造ギアは、「リフトアップBBQ BOX」です。
卓上でバーベキューを楽しむことができるギアですが、IGTにセットして使うこともできるのです。
リフトアップBBQ BOXの蓋は、そのままIGTの天板として使うこともできるため、無駄がありません。
チェアに座ったままバーベキューが楽しめて、調理もツラくないため、みんなでワイワイと食事をとることができます。
人気のロースタイルは火を囲むIGT改造がおすすめ
近年、人気が高まっているのがロースタイルです。
③ロースタイル:400mm脚
子どもがいるキャンパーや、焚き火を楽しみたいキャンパーに人気のスタイルです。
子どもの目線でキャンプを楽しむことができますし、焚き火の際には火をより近くに感じられます。
キャンプをますますリラックスして過ごすことができる高さと言えるでしょう。
椅子を合わせる場合には、スノーピーク「FD LOWチェア」や「FD ベンチ」がちょうど良く座れます。
また、「ジカロテーブル」とも高さが同じなので、一緒に使うと使い勝手が良いですよ。
ロースタイルはしっかり調理をしたいというときには不向きですが、座っておしゃべりしながらちょっとした調理を楽しむことができます。
おすすめのIGT改造ギアは、「ギガパワープレートバーナーLI」です。
ステンレストップが美しくて手入れしやすい大型シングルバーナーで、脚を折りたためばIGTにセットできます。
このバーナーをIGTにセットして、ロースタイルで鍋を囲むというのはいかがでしょうか。
ゆったりと座りながらぐつぐつ煮こんだ鍋を待つのも楽しい時間です。
多彩な改造を楽しみたいならジョイントや2Way脚
地面と近くの目線で、自然を感じることができるスタイルです。
④グラウンドスタイル:300mm脚
ちゃぶ台と畳の距離感で、大地を感じることができます。
寝そべってリラックスしたいという人やあぐらスタイルでキャンプを楽しみたいという人におすすめです。
調理をするという高さではないため、400mmと同様にバーナーをセットして鍋をつついたりするのが良いでしょう。
さて、4種類のIGTの脚の高さをご紹介してきましたが、実はIGTは違う高さを組み合わせて使用することもできます。
スノーピーク「IGT段差ジョイント」というギアを使います。
例えば830mmのハイスタイルでキッチンを作り、「段差ジョイント」を使ってリビングテーブルは660mmミドルスタイルの高さにする、という改造もできるのです。
調理はしっかりしたい、食事はリラックスしてとりたい、というわがままを叶えてくれますね。
また、キャンプに行く人数やその日の気分によって高さを変えたいという人は、脚を買いそろえるのが大変ですよね。
「IGT 2Way 脚 ロング セット」は、660mmと830mmの2段階に伸縮するIGT用の脚です。
300mmと400mmの2段階に伸縮する「IGT 2Way 脚 ショート セット」もあります。
これがあれば、さまざまなシチュエーションでIGTを活用することができ、改造の幅も広がります。
シンプルにスノーピークIGTを使うなら
IGTの改造度や自由度の高さについてお話ししてきました。
もうひとつご紹介しておきたいのが、スノーピーク「IGTスリム」です。
IGTスリムは、IGTをもう少しシンプルに使いたいという人におすすめです。
高さ400mmのロースタイルのIGTです。
高さを変えることはできませんが、木製の天板と黒い脚がおしゃれな存在感を放ちます。
脚は一体型となっており、折りたたんで収納できるようになっています。
IGTシリーズの欠点として、重さや収納性が挙げられることがあります。
IGTスリムは改造度は下がりますが、収納性や持ち運びやすさに優れています。
木製の天板は6枚あり、2枚1組ずつ取り外せるようになっていて、取り外した部分にオプションのギアをセットできます。
専用の収納ケースも付いており、持ち運びに便利です。
さらにもうひとつ、2019年の新製品として登場した「エントリーIGT」は、エントリーモデルとして初心者にも手が出しやすい価格設定となっています。
しかもIGTの機能性はきちんと備わっているので、初めてのIGTとしてもおすすめですよ。
ギアを組み合わせて自分だけのキャンプサイトを作る
さまざまなアレンジができるIGTは汎用性が高いため、使い始めるとキャンプでヘビーユーズすることになるでしょう。
オプションも豊富なので次々に欲しくなり、一部では「IGT沼」と呼ばれることもあるそうですよ。
IGTは自分流に改造してこそ使い勝手がよくなります。
さまざまなギアを組み合わせて、自分だけのキャンプサイトを作り上げてくださいね。