登山の長い歴史の中で登山ウェアは素材や構造が進化を続けており、さまざまなブランドが群雄割拠する時代となりました。
しかし、これほどまでブランドやアイテムの種類が増えてしまうと、どんな服装をしたら良いのかがわからなくなってしまう方もいるのではないでしょうか。
そこで、今回は登山ウェアの定番ブランド6つと、各ブランドのオススメアイテムをご紹介します。
低予算で一式そろう「モンベル 」は、登山入門にもオススメブランド
「モンベル(=mont-bell)」とは、日本のアウトドアブランドです。
登山ウェアだけでなく、サイクリング、キャンプ、カヤック、クライミングのウェアやギアがそろいます。
さらに、登山に必要な食品なども取り扱っており、まさにオールマイティのブランドです。
モンベルは日本のアウトドアブランドなので、ウェア類は日本人の体形にフィットするよう作られています。
さらに、製造・販売にかかわる大部分を自社で行っているため、製品価格が抑えられているという点も人気の秘訣です。
登山デビューの際に、まず試着してみるべきブランドではないでしょうか。
特にオススメなのは、モンベルから発売されているベースレイヤーラインナップ「スーパーメリノウールL.W.シリーズ」です。
ベースレイヤーとは登山の服装の中で一番内側に着るもので、直接肌に触れるインナーのことです。
この「スーパーメリノウールL.W.シリーズ」は、その名の通りメリノウールでできたベースレイヤーラインナップで、「L.W.」は「ライトウェイト(薄手)」を表しています。
メリノウールは高品質のウールの一種で、天然由来の抗菌作用や調温機能を持った優れた素材です。
そのメリノウールを92%使用したベースレイヤーで、高品質ながら安価なアイテムです。
メリノウール製ベースレイヤーといえば、他社では¥10,000前後が相場ですが、モンベルなら¥3,600(半袖Tシャツタイプ)で購入できます。
薄手のメリノウール製ベースレイヤーは一年を通して使用する機会があるので、まず買っておきたいものです。
そのほか、登山に必要なウェアが低価格で購入できるので、まずはモンベルで購入を検討してみましょう。
おしゃれな服装を目指すならメディアでもよく見かける「パタゴニア」
「パタゴニア(=patagonia)」というブランドをご存知の方も多いのではないでしょうか。
登山ウェアとしてだけでなく、タウンユースのオシャレ着として知名度が上昇しているブランドです。
ファッション雑誌に取り上げられる機会も多く、テレビでは芸能人が着用している姿を見ることがあります。
このパタゴニアは、アメリカの登山、サーフィン、フライフィッシングやスキーやスノーボードアイテムを手掛けるブランドで、創業は1965年です。
近年、特に環境問題に配慮した製品づくりを進めているブランドでもあります。
環境に悪影響を与える可能性がある素材の使用を中止する、リサイクル素材を使用する、環境保護団体に寄付を行うといった活動を続けています。
そんなパタゴニアの代名詞ともいえるアイテムはフリース類ではないでしょうか。
その中でも特に「R2 ジャケット」がオススメです。
表面が起毛した「ポーラテックサーマルハイロフト」というポリエステル生地を使用したフリースです。
デザインの良さ、着心地、保温力の高さと透湿性(蒸れにくさ)に優れたアイテムで、シンプルな見た目から街で見かける機会も多いアイテムです。
いかにも登山、といった服装になりにくいアイテムなので、タウンユースと兼用で購入してみてはいかがでしょうか。
もちろん、フィールドでは夏の高山から冬場まで幅広く使用できます。
自然を相手にする登山をするにあたって、環境に配慮しているかどうかも、ブランド選びの一つのポイントではないでしょうか。
タウンでもよく目にする定番登山ブランド「ノースフェース」
登山ウェアの大定番であり、タウンユースでも見かける機会の多い「ノースフェース(=THE NORTH FACE)」をご存知でしょうか。
最近ではノースフェース製の色とりどりのザックが流行しており、このブランドを街で見かける機会はさらに増加しました。
登山用の服装よりもタウンの印象が高まりつつあるノースフェースですが、本来は王道を行く登山ブランドです。
エベレストの最高齢登頂者の記録を持つ三浦雄一郎氏など、多くのプロフェッショナルをサポートするブランドです。
そんなノースフェースでオススメのアイテムは、「アコンカグアジャケット」というダウンジャケットです。
南米の最高峰「アコンカグア」の名を冠するこのジャケットは、保温力とコンパクトさを兼ね備えた便利なアイテムです。
このアイテムは表地に撥水性の生地を採用しており、ダウンの弱点である雨や雪からダウンを守り、保温性を維持することができます。
さらに、ジャケットそのものを内ポケットにひっくり返して収納することができ、コンパクトさに優れています。
ダウンジャケットは山の防寒着として必須のアイテムであり、テント場や小屋内、休憩中など使用する場面が非常に多くあります。
もちろん、タウニュースのアウターとしても使用できるので、一枚持っていて損することはないでしょう。
老舗ブランド「ノローナ」でスカンジナビアチックな服装に!
「ノローナ(=NORRØNA)」とはノルウェーのアウトドアブランドで、創業は1929年と、長い歴史を持ちます。
北極圏の険しい環境で製品を開発しており、妥協をしないモノづくりを続けてきたブランドでもあります。
老舗ながら常に新しいチャレンジも続けてきており、ヨーロッパで初めて「Gore-Tex」をアウトドアに持ち込んだのもこのブランドだど言われています。
ハイエンドなアイテムが多く、女性芸人が登山に挑戦するバラエティ番組の企画内でガイドを務めていた方も使用されていました。
このブランドの大きな特徴と言えるのが、そのカッティングです。
ノルウェー人の平均身長は日本人より10cmほど高く、手足が長い体形をしています。
それは、ノローナのアイテムにも顕著に表れており、どのアイテムも袖や裾丈が長く作られています。
そのため、モンベルなどの日本人体形をしたアイテムや服装が体に合わなかった方は必見のブランドではないでしょうか。
そのノローナでオススメのアイテムは、夏山から冬山まで幅広く使える「フォルケティン ゴアテックス ジャケット」でしょう。
このアイテムはゴア社と共同で独自開発した生地を用い、しなやかな着心地を実現したハードシェルジャケットです。
脇下のベンチやザックのハーネスと干渉しないポケット、いかなる水滴の侵入も防ぐフードや袖口のカッティングなど、長い年月で培われたノウハウが詰まった一枚です。
北欧の気候に対応し得るハイスペックなアイテムながら、体形に合う人とそうでない人の差が顕著なので注意が必要です。
鮮やかなカラー展開も特徴のこのブランドで、北欧らしい服装にチャレンジしてみるのも良いでしょう。
登山ウェアとは思えない着心地「フーディニ」
「フーディニ(=HOUDINI)」とはスウェーデンのアウトドアブランドで、スタッフの大部分を女性が占める珍しい会社です。
クライミングやスキーで使えるフリース下着の開発から始まり、今日ではウィンタースポーツ、トレッキング、ランニングといった幅広いアクティビティに精通しています。
「最高の着心地」の追求を企業理念としており、その言葉通りのアイテムを世に送り出してきました。
そんなフーディニからオススメのアイテムは、「スキッファーパンツ」です。
トレッキングやクライミングなど幅広い用途で使用できるボトムスで、コットンパンツのような肌さわりと、速乾性、耐久性に優れた素材を用いています。
しかし、スキッファーパンツの特徴はそれだけではありません。
このスキッファーパンツの最大の特徴は、独特な立体構造にあります。
膝と臀部にボリュームを持たせ、やや膝を曲げたような形状をしていることで、足を上げる・しゃがむといった動作がストレスフリーで行えます。
この動き易さこそが「最高の着心地」なのです。
さらに、足首に向けてテーパーがかかっているので裾をひっかけるリスクも減り、美脚効果もあります。
なお、コットンパンツのような生地感なので、普段の服装にも合わせやすいでしょう。
そのほか、もちもちとした肌さわりのフリースや着ていることを忘れてしまう半ズボンなど、多くのベストセラーを輩出しています。
登山ウェアの窮屈さや硬さが苦手な方はぜひ、お試しください。
「イスビョン」でお子様にもアウトドアの服装
多くのアウトドアブランドでお子様向けラインナップが発売されています。
しかし、「イスビョン(=ISBJORN)」のようにお子様向けアウトドア専門のブランドは少ないのではないでしょうか。
イスビョンは、フーディニと同じスウェーデンのブランドで、「家族一緒にアウトドアライフを過ごしたい」という思いからスタートしました。
生後6か月から12歳くらいのお子様までを対象として、インナーから、シェル、小物までアウトドアに必要な服装の一式をそろえることができます。
そのイスビョンでオススメなアイテムは「ウーリージャンプスーツ」という乳児向けのつなぎ服です。
ウールとポリエステルの混合素材を用い、保温力と汗抜けの良さが特徴です。
発汗量が多く、体温調節機能がまだ整っていない小さなお子様にベストなアイテムです。
そのほか、可愛いアイテムがそろっているので、自分の子供にどんな服装を着せようか悩んでしまうほど魅力的なブランドでしょう。
小さいうちから少しずつ登山に馴染んで欲しい方はぜひ、選んで欲しいブランドです。
有名ブランドには、有名になるだけの理由がある
今回ご紹介したブランド以外にも多くのブランドが存在しており、新しいブランドも次々と生まれています。
しかし、有名ブランドや定番ブランドは、長い歴史の中で培われたノウハウや信頼、品質の高さがあります。
まずは登山の専門店やブランドショップへ足を運び、試着から始めてみましょう。
きっと、あなたの体形、体質、使い方や考え方にベストマッチしたブランドに出会えることでしょう。