近年、登山は多くの方が趣味としています。
老若男女問わず、誰でも挑戦することが出来るので、実際にチャレンジしたいと思っている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、登山の基本となる服装の選び方を春夏秋冬別に解説してきます。
登山の服装って?冬でも素材に注意!
登山をするにあたって、服装はとても重要なものです。
普段アウトドアを楽しんでいるという方でも、観光地などの山を除き、いつも通りの服装で登山に挑むなんてことは禁物です。
そんな服装選びの基本について、詳しくご説明していきましょう。
まず登山の服装は、普段と違い素材選びも重要なものとなります。
登山をする場合、冬のように寒い時期でも必ず汗をかきます。
その際に、身体を冷やすリスクの少ない速乾性のあるものを選びましょう。
防寒性だけを重視して、乾きにくい素材を選ぶということは避けるべきということですね。
そして、伸縮性があり動きやすいものであることも大切です。
もちろん、初めての登山などの場合は、足の先から指先まですべてを新調する必要はありません。
すでに持っているジャージなどでも、十分といえます。
登山の回数を重ねていくうちに、どのようなものが動きやすいか、便利かなどがわかってくるので、その都度買い足すという形がおすすめですね。
登山の服装は春夏秋冬、重ね着が基本!
登山をする服装のイメージといえば、重ね着ですよね。
ただ、おしゃれのために重ね着をしているわけではないということをご存知でしょうか。
登山の舞台となる山は、天気が変わりやすいことで有名ですよね。
重ね着をすることで、気温などに合わせて衣服を着脱することが可能になります。
実は、これはとても大切なことで、登山をする時にはいかに体温調節を怠らないかが重要なのです。
先ほど、服の素材についてご説明した際にも触れましたが、体温が上がって汗をかくことで身体が冷えてしまいます。
身体が冷えることで、体力を消耗するだけでなく、身体の動きが思うようにいかなくなってしまいケガの可能性も上がります。
最悪の場合、低体温症に陥って命の危険にも及びます。
そのため、暑さを感じたら脱ぐ、寒さを感じたら着るといった具合にこまめに調整するのです。
もちろん、冬の登山だけでなく、春・夏・秋の登山でも必ず必要ということを覚えておきましょう。
冬だけじゃない!登山の服装を間違えて低体温症に?
ここでは、先ほど少し触れた「低体温症」について詳しくお話ししていきます。
低体温症は主に、汗をかいて濡れた身体をそのまま放置した場合や、単純に天候の変化で身体が冷えてしまうことによって引き起こされます。
低体温症に陥ってしまうと、まずは体調不良が起こります。
強い疲労から始まり、腹痛などを訴えることもあります。
一緒に登山をしている仲間が、疲労を訴えたり、周りに付いていくことが難しくなってきたという時は注意が必要です。
さらに病状が進むと、体温を上げるために身体が震え始めます。
立つことも困難になり、思考力も下がってきます。
そこに至っても、治療や対応ができなくなってしまうと、自力で熱の生産を行う震えを起こすことも不可能な状態になります。
最終的には、意識が朦朧として脈が弱くなったり、呼吸をほとんどしない状態に陥り命を落としてしまうのです。
平地でも寒い、冬などはこのような可能性を予測できるかもしれませんが、暑い夏でも起こりうるものです。
しっかりと対応できる服装をし、挑まなければなりません。
服装以外も気をつけよう!登山で低体温症を防ぐには?
先ほどは、低体温症について詳しくお話ししました。
登山で低体温症を防ぐには、服装はもちろん、さまざまなことを意識することが必要です。
●歩く速度の調整
無理をした速度で歩くと、もちろんエネルギーの消費が激しくなります。
また、不必要に汗をかいてしまい、低体温症だけでなく脱水症状に陥ってしまう可能性も考えられます。
適度な速度に調節して歩きましょう。
●水分補給
気温が低い時は、温かいスープや飲み物を摂取しましょう。
低体温症に加えて脱水症状を防ぐことが出来ます。
●カロリーを摂取
身体の熱を作り出すためには、カロリーが必要です。
移動しながらでも、こまめにカロリーを摂取しましょう。
●休憩はこまめに
こまめに休憩を取ることが大切です。
しかし、一度動きを止めると、体温は低下していきます。
そのため、だらだらと休憩をしないことも重要となります。
●着替えを常備
いくら速乾性のある素材でも、限界があります。
春・夏だけでなく、秋・冬にも着替えを一枚持っていきましょう。
登山の服装選び!春秋はほぼ一緒でOK!
登山時の服装は、最初にお話ししたように重ね着が基本です。
その例として、3レイヤーといわれるパターンがあります。
●ベースレイヤー
肌着や下着のことを指します。
●ミッドウェア
肌着や下着の上に着るものを指します。
●アウター
一番上に着るものを指します。
これらの3レイヤーをベースとし、衣類の種類などを替えたり、気候や気温によってさらに足すことで調整をしていくのです。
基本的に、登山の服装の装備は春と秋・夏・冬に分かれます。
まずは、春と秋の服装についてご説明しましょう。
●春&秋のベースレイヤー
基本的に、長袖の肌着や下着がおすすめです。
素材としては、中間の厚さのものを選びましょう。
●春&秋のミッドウェア
保温性の高い素材のものがおすすめです。
フリースなどがいいですね。
●春&秋のアウター
春秋は、防風性・透湿性に優れているライトシェルがおすすめです。
軽量なため、動きやすいでしょう。
しかし、急な気候の変化なども考えられるため防水性や保湿性に優れているタイプのものも常備しておくことが大切です。
夏と冬の登山の服装選びは?
では、夏の登山の服装についてご説明しましょう。
●夏のベースレイヤー
基本的に、タンクトップの肌着や下着がおすすめです。
素材としては、薄手のものを選びましょう。
●夏のミッドウェア
半袖の速乾性のあるものがおすすめです。
●夏のアウター
アウターというよりも、シャツなどがいいですね。
もちろん、気候の変化に備えて防寒性のあるものもしっかりと常備しておきましょう。
最後に、冬の登山の服装です。
●冬のベースレイヤー
基本的に、長袖の肌着や下着がおすすめです。
素材としては、保温性の高い厚手のものを選びましょう。
●冬のミッドウェア
春・秋と同じく保温性の高い素材のものがおすすめです。
ダウンジャケットや、フリースなどがいいですね。
●冬のアウター
アウターは、しっかりと雪山用のものを選びましょう。
ここまでご紹介したのは、あくまで一例です。
気温や天気、標高などによっても、順応する必要があるということも覚えておきましょう。
服装選びは登山の基本!
今回は、登山をする際の服装選びの基本について、詳しくお話をしました。
初めて登山をするという方は、家にある洋服でも十分間に合うといえます。
しかし、経験を積み、標高の高い山などに挑むとなると本格的な服装をする必要があります。
そのようなときのために、しっかりと、服装選びの基本を覚えておくことが大切です。