コールマンのピーク1「400a」は、1979年に登場したバーナーです。
コールマンのバーナーは、堅牢な上長く使える点で人気があります。
その中でもピーク1「400a」はこんな特徴があるため特に人気のバーナーです。
今回は、現代でも衰えないコールマンのピーク1「400a」が人気の秘密とその魅力をご紹介していきます。
コールマンのピーク1「400a」にある3つの特徴
コールマンのバーナーの初期型ともいえるピーク1「400a」は、現代でも大人気です。
現行品のスポーツスターⅡで、価格は1万円前半です。
しかし、ピーク1「400a」は中古でも1万円以上はします。
性能も現行品コールマンF1パワーストーブに比べたら、コンパクト性、火力共に劣ります。
ピーク1「400a」は何故現在でも人気なのでしょうか?
愛されるその理由を、ピーク1「400a」の特徴から探ってみます。
1つ目の特徴は「火力」です。
ピーク1「400a」が登場した79年、その当時のバーナーは、ガス式の場合火力に難がありました。
使用環境によって、ガスが気化できなかったのです。
そこで、コールマンは強く安定的な火力を保てるホワイトガソリンを使うバーナーの製品を開発しました。
2つ目の特徴は「ヘッド」です。
ヘッドとは実際に火がつく部分の名称で、細かい穴が沢山開いている部分のことです。
1980年代の最大火力バーナーの一つは、コールマンの508というシングルバーナーです。
ピーク1「400a」は、この508と同じヘッドを持っていたのです。
3つ目の特徴は「サイズ」です。
ピーク1「400a」はタンク容量が小さく、最強火力ながらコンパクトで携行することができます。
そのコンパクトさゆえ、ツーリングにも人気がありました。
後継機種とコールマンのピーク1「400a」の比較
コールマンのピーク1「400a」と後継機種を比べてみます。
最大の違いは、「レバーの数」です。
400aのレバーは、2レバー方式です。
2レバーあることで、「とろ火調節」と「保温」がしやすいという利点があります。
しかし、後継機種である400Bは1レバーに変わりました。
1レバー方式となった400Bは、400aのようなとろ火調節ができなくなりました。
2レバー方式であることで、とろ火調節はしやすいですが、五徳を用意することで、火元と離せばとろ火調節は可能です。
また、現代のガスバーナーは、火力調節も優れています。
保温に関しては、料理したものをウッドストーブの近くに置けば、解決できます。
調理後の料理を、保温バッグに入れても良いでしょう。
ちょっとした工夫で、保温調節はいくらでも可能です。
それでは、コールマンのピーク1「400a」ならではの魅力とは、果たして何なのでしょうか?
機能性だけではない?ピーク1「400a」はデザインもおしゃれ!
コールマンのピーク1「400a」は、タンク部分のカラーに、特徴が見られます。
主に緑色、黒色があります。
緑色はコールマンらしい色と言えます。
そして、コールマンには珍しい茶色のモデルもあります。
茶色の400aは、チョコレートのような色で、可愛らしい印象です。
このように、豊富なカラーバリエーションは、おのずと人気が出ることでしょう。
また、ピーク1「400a」はコールマンのバーナーの中では、小さい部類です。
大まかな寸法は下記の通りです。
・約12cm×約12cm×約15.5cm(脚含まず)
本体は専用ケースに、すっぽり収まります。
ケースサイズは、約12.5cm×約12.5cm×約16cmです。
専用ケースには「Coleman PEAK1」の刻印もあります。
この専用ケースはとても便利で、そのまま火にかけて調理するクッカーにもなります。
専用ケースが、そのままクッカーとなるアイディアは、現在でも通用します。
荷物の軽減にも繋がりますし、この点は、機能性もデザイン性も兼ね備えているといえるでしょう。
全体のデザインとしては、メカニカルなデザインです。
脚は、月面着陸をした宇宙船のような形状をしています。
ピーク1「400a」のメカニカルデザインは、機械物が好きな方にとっては、興味をそそられることでしょう。
ピーク1「400a」はデザインや機能性も兼ね備えており、この点は人気の秘密といっても過言ではないでしょう。
コールマンのピーク1「400a」の点火方法をご紹介!
これまで、コールマンのピーク1「400a」の特徴や人気の秘密をご紹介してきましたが、ここで、ピーク1「400a」の点火方法をご紹介します。
現行モデルと点火方法は少々異なります。
【点火と消火方法の手順】
1、40回以上ポンピングする
2、黒いフレームアジャストレバーを「HI」にする
3、赤いフューエルレバーを「LIGHT」にして点火する
4、追加のポンピングを20回ほど行う
5、炎が安定したらフューエルレバーを「RUN」にする
6、炎調節は黒いフレームアジャストレバーで行う
レバーを「Clean」にするととろ火調節が可能です。
7、赤いフューエルレバーをOFFにすれば消火される
ジェネレーターが古いものは、時折多少の息継ぎと呼ばれる炎がチラつく現象が起こる場合があります。
多少の息継ぎが起こっても使用には問題ありませんが、火力が不安定な場合は、クリーニングやメンテナンスを行いましょう。
構成部品は、今でも手に入ります。
コールマンの良さは、リペアパーツが豊富な点です。
ユーザーは、こうしたギアに愛着を持って長く使います。
コールマンは、ユーザーサイドに立ったメーカーです。
火力調節をしていると、ある「音」が聞こえてきます。
火力を最大にすると、火が立ち上る轟音と共に、「シュッシュッ」と息をするかのような音がします。
ガスバーナーにはありません。
アルコールストーブはひたすら静かに燃え続けます。
ウッドストーブは、薪の爆ぜる音です。
ピーク1「400a」が、生きているようです。
正しい点火方法を守って、ピーク1「400a」を末長く使いましょう。
ピーク1「400a」の性能にプラスされる価値
ピーク1「400a」の、人気の秘密を調べてきました。
性能や外観、そうした機能性だけではない、「+α」の価値があるのだと思います。
「クラシックカー」は、性能面で最新の車にはかないません。
工業製品は、新しい方が高性能です。
古い車には快適装備も電子制御も安全装備もありません。
しかしその分、「自分が制御する」楽しさと、所有する喜びがあります。
コールマンのピーク1「400a」の人気の秘密もまた、ここにあるのではないでしょうか?
確かに、点火迄には手がかかります。
しかし、その操作は、「自分が制御している」楽しさに繋がります。
かつての名機を所有することは、喜びに繋がります。
構造、性能、そうした「数値」だけでは表されない魅力が、あるのです。
古いものは、壊れます。
古いものは、手がかかります。
しかしそれは、自分が操る痛快さや所有する喜びなのです。
言うなれば「心の充足」、これこそがプラスαの価値です。
「レトロ」という点が、コールマンピーク1「400a」の付加価値として、上乗せされているのです。
コールマンのピーク1「400a」が目指した最高の性能とは?
コールマンのピーク1「400a」が製造された当時、ガスバーナーは作動性能に問題がありました。
気温や気圧によって、ガスが上手に気化できず、火力が安定しない、或いは着火ができない、それは大問題に繋がります。
雪山で、火がつかなければ、生死に関わります。
冬山を行く方は、装備重量をグラム単位で減らしていきます。
400aは、重量に課題は、ありました。
それでも、どんな気象条件であっても着火するという性能は、何よりも最優先された筈です。
確実な着火と燃焼を目指した結果、見た目は随分とメカメカしくなりましたが、それも当時の最高性能を狙った結果なのです。
最初からデザインありき、ではなかった筈です。
そこに加えて、当時の最大火力がありました。
専用ケースがクッカーになるという、荷物の軽量化がありました。
バーナーを欲する者にとっては、憧れの対象だったと推察されます。
全てが、機能追求の結果です。
40年の時を経てなお、こうした「確実な着火と燃焼、そしてその為のメカニズム」は、素直に心に響きます。
だからこそ、ピーク1 「400a」は、これからもずっと愛されていくギアなのです。
コールマンのピーク1「400a」を末長く使おう!
「400a」の魅力を言葉で表せば、「機能追求の究極な性能」「性能だけではなく心の充足を満たす」2点です。
これらは、レトロですから、メンテナンスが必要な箇所はたくさんあります。
しかし、手を掛けた分愛着は更に高まるでしょう。
そんなコールマンのピーク1「400a」を、末長く使いましょう。