キャンプなどのアウトドアシーンに、ランタンは欠かせないアイテムです。近年ではLEDライトの手軽なランタンも人気ですが、ガスやガソリンを使用するマントルランタンであれば、やさしく揺らぐ灯りを楽しむことができるでしょう。
この記事では、マントルランタンの魅力や使い方、空焼き方法や付け方などについてご紹介します。
ランタンに付いているマントルとは
マントルとは、LED以外のランタンの光源になる部分です。
電球で例えると、フィラメントの役割に当たります。
マントルの素材は繊維を編んだ袋のようなもので、その中に燃料を噴射して燃やして発光します。
ガスやガソリンを使用する燃料系ランタンの、いかにもランタンらしいやさしく揺らぐ炎を作ってくれるのが、マントルなのです。
マントルが発光する仕組み
マントルは繊維を編んだ袋とご説明しましたが、マントルが発光する仕組みは、マントルが燃えることにあります。
マントルを燃焼させて灰化させることにより溜まったガスに着火し、熱くなったマントルが光るという原理になっています。
ランタンの中にはマントルなしで使用できるマントルが不要のものもありますが、マントルありのものに比べると明るさが大きく違ってくるようです。
特に大人数のキャンプであればマントルランタンは一つはあると便利でしょう。
マントルランタンの魅力
- 揺らぐ生火の灯りを楽しめる
- 炎が揺らぐことにより癒やし効果も期待できる
- ロウソクの300~500本ほどの明かりと言われているほど、明るい
- 掃除が簡単
- メンテナンスをきちんとすれば、寿命も伸びる
- 破れることがなければ、繰り返し使うことができる
近年では手軽なLEDランタンを使用される方が増えていますが、マントルランタンにもたくさんの魅力があります。
マントルランタンには、LEDライトのように一定した眩しい人工光ではなく、揺らぎのある生火の灯りを楽しむことができます。
マントルランタンを自作する方もいるほど、オレンジがかった暖かみのある揺らぐ炎を楽しむキャンパーが増えているようです。
焚き火の炎は1/fの揺らぎで癒やし効果があるそうですが、マントルランタンも同じようにリラックス効果を期待することができるでしょう。
人工の明かりではない、落ち着いた雰囲気を楽しみたいときに最適です。
また、マントルランタンは家庭にある掃除道具で、簡単に掃除することができます。
ランタン本体が壊れない限り、しっかりメンテナンスをすれば寿命が延びて長く愛用できるでしょう。
さらに、マントルは破れなければ何回でも使うことができるのも魅力でしょう。
破れたままのマントルでもとりあえずは点火できますが、マントルに火がつくこともありますので、やはり速やかに交換することがおすすめです。
ランタンを使う前にはマントルの空焼きが必要
ランタンを発光させるためには、所定の位置にマントルを取り付け、「空焼き」という作業を行う必要があります。
空焼きとは、ガスランタンの火を点ける前にマントル自体を焼くことです。
こうすることで発光塗料のみが残り、マントルが発光するようになります。
マントルを空焼きする方法
ランタンを発光させるために必要な、マントルの空焼きについてご紹介します。
マントルを灰にする時は、ムラなく全体を空焼きしましょう。
焼きムラがあると、黒くなったところが光らなくなります。
- バーナーの先端にマントルを取り付け点火する
- トーチなどを使いマントル全体をムラなく燃やして灰にする
- 灰の状態のマントルは破れやすいので穴をあけないよう注意する
ランタンに使うマントルの交換時期
マントルの交換時期は、破損状況によります。
マントルに損傷がなければ何度でも繰り返す使うことができますが、破れたり穴が開いたら交換が必要です。
破れたままで使用すると、穴が開いたところから吹き出した炎でガラスグローブに曇りが発生したり、ガラスが割れてしまうこともあります。
ランタンを長持ちさせる使い方として、使用前にマントルに損傷がないか必ず確認し、損傷があれば速やかに交換することが挙げられるでしょう。
マントルの付け方
マントルの付け方をご紹介します。
灰になったマントルは大変壊れやすいので、そっと扱いましょう。
ランタンケースなどがあると安心です。
- ヘッドカバーとホヤを外す
- 大きい穴が下、小さい穴が上になるようにマントルを燃焼塔に差し込む
- マントルの形を袋状に整える
- マントルに点火する
- ガスを出したり止めたりしながら、マントルが袋状の灰になるまで燃やす
- 灰状になったマントルを壊さないようにホヤとヘッドカバーを付ける
マントルの代用品について
マントルは消耗品なので、ランタンを購入した際やアウトドアショップに立ち寄った時などに、お手持ちのランタンに適合する予備のものを用意しておくことがおすすめです。
それでもうっかりしてアウトドアの現場でマントルが破けていた時などに代用として便利に使える、ホームセンターなどで手軽に購入できるマントルをご紹介します。
コールマン マントル21a
コールマンの純正マントルで21A型が2枚入っています。
コールマンのガソリンランタン用ですが、ホームセンターでも販売されているので、自己責任で代用品に購入する方も多いようです。
ほかにコールマンには、フロンティアpzに適合するルモ型マントルや、ケロシンランタンに適合する11型マントルがあります。
イワタニのランタンにも適合-スノーピーク2WAYランタン用マントル
イワタニのカセットガスジュニアランタンは多くのキャンパーに愛されてきましたが、廃盤になってしまったので互換性のあるマントルを探す方が多いようです。
イワタニで純正のマントルも販売されていますが、スノーピークの2WAYランタン用マントルがサイズも構造もほぼ同じで互換性があると話題になりました。
ほかに、プリムスEPIの2245マントルも互換性があるようです。
代用できるマントルを幅広く知っておくといざという時安心ですね。
マントルと適合機種
大手アウトドアメーカーが販売しているマントルと、適合機種などをご紹介します。
お手持ちのマントルランタンに合うかどうかの参考にされてください。
SOTO マントル ST-2101(3枚入)
適合機種:ST-210・211・213・220・230・231・233・ST-L212・ST-A210
キャプテンスタッグ
- マントルS
適合機種:ガスランタン(S)・クリアガスランタン(S)
- マントルM
適合機種:フィールドガスランタン(M)・ガスランタン(M)・トレイルクラシックガスランタン(M)
- マントルL
適合機種:フィールドガスランタン(L)・ガスランタン(L)・セイビアスライドガスランタン カートリッジ用・カルツェスライドガスランタン カセットボンベ用・スイングガスサーチライト
サウスフィ−ルド
サウスフィールドには、2枚入の「D-Xハイパワーマントル 」というマントルが販売されていますが、タイミングによっては在庫切れのこともあるようです。
そのほかのおすすめのマントル
上記でご紹介したほかに、入手しやすいおすすめのマントルをご紹介します。
- キャンピングガス…シンフォニー型3枚入
- ユニフレーム…UL-C・UL-G専用マントル各3枚入
- ティリー …純正マントル5枚セット・両穴タイプM・L各3枚入
- シーアンカー…加圧式石油ランタン用マントル12枚入
マントルランタンを使う際の注意点
過去にはマントルに石綿(アスベスト)が混入していることがありましたが、メーカーが自主回収しています。
マントルランタンは、テント内やテント付近など通気性の良くない場所では使用しないようにしましょう。
また、放射線物質トリウムを使うと光量が増すので、明るさを重視するマントルの中には、放射線物質トリウムが含まれているものがあります。
製品によっては「ポケットに入れて持ち歩かないでください」という注意書きがある場合もありますので、そのような時は注意書きに従いましょう。
マントルは現在、綿から製造されることが主流になってきており、放射性物質を含まない方向で改良が続けられています。