OD缶とCB缶を使用する時の注意点-詰め替えは違法?

最終更新日:2022/02/21

od缶 詰め替え

アウトドアで便利に使えるバーナーなどの火器は、キャンプが趣味の方なら一台は持っているでしょう。
しかし、その燃料にはOD缶やCB缶などガスカートリッジを使用するので、詰め替えや補填などを無資格者の素人が行うと事故を起こす危険性もあります。
この記事では、ガスの詰め替えは違法なのかを説明した上で、OD缶とCB缶を使用する際の注意点をご紹介します。
使用するガス缶の種類や使い方を確認して、安全に使いましょう。

OD缶とCB缶とは

キャンプの際、調理や暖房の燃料として使われるガス缶には大きく分けて2種類があるのをご存じでしょうか。特徴によって、使用シーンにも向き不向きがありますよ。
以下に、それぞれの特徴をご紹介します。

OD缶

「Outdoor缶」の略で、アウトドア専用の燃料です。寒さに強いプロパンなどでできているため、寒冷な環境でも安定した火力を維持することができます。
形状は長さがなく、直径が大きめなことが特徴です。
サイズが豊富でシーンに合わせて使えますが、高価でホームセンターや専門店での取り扱いしかありません。
缶の重さはメーカーにより違うので、登山などに使いたい時は重さの違いも確認しましょう。
寒い時期や高山でキャンプ、登山する方におすすめです。

CB缶

カセットボンベの略で、家庭用のカセットコンロで使われるガスボンベと同じ規格で製造されています。
形状は細長く、カセットコンロやガスバーナーで使用できます。
家庭で使用しているカセットコンロを、キャンプに持って行きたい場合にも使えますね。
安価でコンビニやスーパーなどでも購入でき、扱いやすいことが特徴です。
一方、アウトドア用に開発された製品ではないので、寒冷な環境では中のガスが気化できず、火力が保てません。寒い時期のキャンプや、登山しない方におすすめです。

OD缶とCB缶は互換性があるのか

OD缶とCB缶には、基本的に互換性はありません。
各メーカーに指定された燃料のみの使用が推奨されていますので、トラブルがあっても自己責任となり、メーカーの保証対象からは外れます。

OD缶はCB缶より高価なので、OB缶を使うシングルバーナーユーザーにとって経済的ではないように感じられることもあるでしょう。
コストパフォーマンスを重要する方のために、CB缶からOD缶にガスを補充できる変換アダプターが、楽天やamazon、メルカリなどのインターネットで通信販売されています。スノーピークやコールマンなど、主要メーカーのガス缶に対応できると記載されているアイテムもあり、魅力的に感じるかもしれません。そういった変換アダプターは、OD缶からOD缶へ対応できるというものも販売されており、中には自作する方もいるようです。

しかし、OD缶にガスを補充することは、どのメーカーも禁止しています。ガスカートリッジの正しい使い方ではありませんし、ガスの移し替えの際、ガス漏れによる引火や爆発の危険性があります。
万が一事故が発生しても、メーカーの保証を受けることは不可能です。

それゆえCB缶からOD缶、OD缶からCB缶、そしてOD缶からOD缶へも、たとえ移し替えの回数が少なかったとしても、ガスの入れ替えは基本的におすすめできないと言えるでしょう。

OD缶とCB缶の詰め替えは違法なのか

無資格者によるガスの詰め替え行為は違法となり、罰則の対象になることがあるようです(容器保安規則第8条)。
インターネット上には、詰め替え君など詰め替えアイテムの紹介や自作方法なども紹介されているようですが、リスクを含む行為と考えられるかもしれません。

OD缶とCB缶のおすすめ製品

ガス缶にはOD缶とCB缶の2種類があるのはわかったけれど、どのようなガス缶を選べば良いかわからないという時のために、それぞれについておすすめの製品をご紹介します。

OD缶のおすすめ製品

各アウトドアメーカーがOD缶を販売していますが、アウトドアショップやホームセンターなどで扱いの多い、入手しやすいものをご紹介します。

コールマン:純正LPガス

安定した火力です。秋口まではレギュラー、外気温が10度を下回る冬はハイパワータイプがおすすめです。

キャプテンスタッグ:レギュラーガスカートリッジ

コンパクトなデザインにも関わらす、ガス容量が多いのでガス切れなどが起こりにくい製品です。かさばらないので収納性と携行性に優れます。

CB缶のおすすめ製品

家庭用のカセットコンロでもおなじみのCB缶は、スーパーやドラッグストア、100均などでもよく見かけますよね。
入手しやすいCB缶ですが、おすすめは下記のようになります。
イソブタンの含有量が多いほど、火力が強くなりますので覚えておくと良いでしょう。

ユニフレーム:プレミアムガス

イソブタンの混合比率が95%で、寒い冬のキャンプでも強い火力を維持できる頼もしい存在です。

イワタニ:カセットガス オレンジ

暖かい時期のキャンプに、経済性を重視したい方へおすすめです。イソブタン降雨号比率は30%ですが、スーパーやドラッグストアなどでも販売されており、入手しやすいアイテムでしょう。

OD缶・CB缶対応のおすすめギア

OD缶とCB缶に対応している、おすすめキャンプギアについてご紹介します。

SOTO:レギュラーストーブST-310

CB缶対応のガスストーブです。折りたたみ式でコンパクトに収納でき、携行性も抜群。
CB缶を横に配置できるので、安定した火力を維持できるのが特徴です。
SOTOが独自開発したマイクロレギュレーターを搭載しているので、CB缶のウィークポイントであった火力の弱さも克服し、寒冷な環境でも安定した火力を保つことができます。

スノ−ピーク:HOME&CAMPバーナー

CB缶が、アウトドア用と家庭用で使えるバーナーです。
ゴトクが折りたためるので、カセットコンロの弱点であった携行性の悪さを解消しました。
筒状になりコンパクトに収納できるので、持ち運びしやすいことが特徴です。
シングルバーナーにも関わらず、弱火のコントロールもできるので、繊細な火力調整をしたい方にもおすすめです。

コールマン:バーナーパワーハウスLPツーバーナーストーブ2

火口が2つあるので便利に使える、ツーバーナーです。
OD缶対応なので、過酷な環境でも安定した火力を維持できます。
同時進行で調理ができるので、たくさんの料理を作りたい方や凝った料理を作りたい方にもおすすめです。

ガス缶の取り扱いで注意すること

手軽に見えてもガス缶は火器ですので、取り扱いには十分な注意が必要です。
以下に、アウトドアで注意したいガス缶の取り扱いについてまとめました。

テント内では使用しない

テント内など密閉された室内でガス缶などの火器を使うと、不完全燃焼し一酸化炭素中毒を引き起こすことがあります。
一酸化炭素中毒は無臭のため、気づくのが遅くなりがちです。テント内には一酸化炭素中毒警報機を取り付けると安心です。

ガスコンロで炭火を起こさない

炭火での火起こしは面倒なので、シングルバーナーなどで火を起こせたら手軽だと感じる方もいるかもしれませんが、これは大変危険な行為です。

炭は輻射熱といって熱を放射するため、その熱にガスボンベが熱されて爆発する危険性があります。バーナーで火を起こしたい場合は、トーチバーナーが安全です。
おおすすめのトーチバーナーのひとつをご紹介します。

SOTO:フィールドチャッカー

タフな使用感で大人気のアウトドアメーカー、SOTOでは、フィールドチャッカーST-430が炭火を起こす時に便利と高い評判を得ています。

炭火を起こす際は、SOTOのフィールドチャッカーのようなトーチバーナーを使えば、炭火が放射する輻射熱にガス缶をさらすことなく安全に火起こしすることが可能です。

ガスコンロは2台並べない

2台以上の複数のガスコンロを並べて使ったり、ひとつの鉄板を複数のガスコンロで加熱することはやめましょう。お互いのガスコンロから出る熱によって、ガス缶が温まり破裂する危険性があります。

ガス缶は高温になる場所に放置しない

体を冷やす冷却スプレーなどが車内に放置され、爆発する事故も起こっていますが、ガス缶は日光が長時間当たるような場所で保管しないようにしましょう。
車内のほか、ストーブや焚き火の近くなど、ガス缶が高温になる場所には置いてはいけません。

ガス缶は再補填しない

先にご紹介したように、ガスの移し替えはすべてのメーカーが禁止しています。
OD缶はCB缶より値段が高いため、余ったCB缶のガスを使用済みのOD缶へ再補填したくなる方もいるでしょう。

しかし、ガスを移し替える際、ガス漏れが発生する可能性があります。
ガス漏れは、引火や爆発を引き起こす大変危険な行為なので控えましょう。

捨てる際もガス漏れに注意

ガス缶を処分する時は、お住まいの自治体の指示に従い、必ず使い切ってから捨てましょう。
中身が残っているとガス漏れし、ゴミ収集車やゴミ処理場などで爆発や火災の危険性があります。
キャンプ場にガス缶専用のゴミ捨て場が備えられている場合は、そこを利用しても良いでしょう。

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