焚き火や炭火、ガソリンなどキャンプで使える熱源はいろいろとあります。その中でもガスバーナーは、キャンプが初心者の方でも比較的に簡単に扱えると人気です。そこで今回はガス缶を使うバーナーの中でもOD缶を使用したシングルガスバーナーの魅力や使い方、注意点とおすすめのメーカーをご紹介します。シングルガスバーナーの簡単なメンテナンス方法にも触れていますので、ぜひご覧ください。
シングルバーナーで活躍するOD缶とは
OD缶とは、アウトドアで使うことを想定して作られた液体ガスで、「OutDoor」の「OD」がその名の由来です。
同じガス缶でも、一般家庭のカセットコンロで使われるタイプは「CB(カセットボンベ)缶」と呼ばれます。この二つの違いは後ほどご紹介します。
それでは、キャンプで大活躍のOD缶の魅力を見てみましょう。
・火力が安定している(風に強い)
・コンパクト
・小型軽量なタイプが多い
・ランタンなどに使うこともできる
・使用量にあわせたサイズが選べる
このように、OD缶はアウトドアに特化した特長が多いので、キャンプだけではなく、登山やツーリングをする方にもおすすめです。
OD缶の種類
OD缶は主に3種類の容量から選べます。
- 110g(小サイズ)
- 250g(中サイズ)
- 500g(大サイズ)
持ち運びで気になるOD缶の高さのサイズは、メーカにより異なりますが、小サイズで65~70mm前後、中サイズで80~100mm前後、大サイズで150mm前後です。
直径はそれぞれのサイズで90~110mm前後です。
さらに、燃焼時間で比較してみると、小サイズが約20~30分、中サイズで約60分、大サイズで120分です。この燃焼時間は、気温などに左右されますが、おおよその目安で知っておくと便利です。
またOD缶のサイズによる使い分けは以下の方法も参考にできます。
- 110(小)サイズ…日帰りやソロキャンパー、登山者向き
- 250(中)サイズ…連泊キャンプ、ちょっと手間のかかるキャンプ飯を作る時
- 500(大)サイズ…大人数のキャンプや、ランタンなどに使用する時
OD缶とCD缶の違い
先ほども少し触れましたがOD缶(アウトドア缶)とCD缶(カセットボンベ)は、それぞれ違うガスバーナーを使用するタイプと、どちらのガスバーナーでも使用できるタイプがあります。
OD缶とCD缶の違いは、缶の火力の安定感とサイズとです。
OD缶はアウトドアに特化しているガス缶なので、天候の悪い日のキャンプシーンなどでも活躍してくれますが、CD缶はキャンプシーンを想定した作りではないものが多いので、風の強いキャンプ場などには向いていません。
サイズ面では、OD缶は先ほどご紹介したとおり、110g(小サイズ)と250g(中サイズ)、500g(大サイズ)の3種類が展開していますが、CD缶は250g前後が一般的です。
値段の面で見ると、OD缶がアウトドアショップや登山用品店などのお店450円前後販売されてるのに対して、CD缶はスーパーでまとめて安売りをしていたり、100均などでも購入できますので、コスパだけを考えるとCD缶の方が良いと思われます。
このようにOD缶とCD缶を比較すると、どのようなキャンプにするのか、そして値段の面でどう考えるのかでどちらのタイプを選ぶのかを決めると良いでしょう。
OD缶とCD缶がどちらも使えるタイプのバーナーなら、どちらかのガス缶をメインとして持って行き、一方を予備にすると安心です。
OD缶を使ったバーナーの種類
OD缶が最も活躍するシーン。それは、料理をする、お湯を沸かすなどが挙げられますが、OD缶を使ったバーナーは以下の2種類があります。
シングルバーナー
持ち運びに便利なシングルバーナーは、大きく分類すると2つのタイプがあり、ソロキャンプや、登山、荷物をコンパクトにしたい方におすすめです。
直結型
OD缶とバーナーの部分を直結して使用するタイプで、OD缶本体が土台で、上にゴトクが乗っている様なイメージです。
OD缶の上にバーナーが乗っている状態で使用するので、大きな鍋や安定しない場所での使用には注意が必要です。
分離型
OD缶とバーナー部分がホースでつながっているタイプで、OD缶の位置とバーナーが分離されていることで、比較的大きな鍋を使用しても安定感があります。
直結型のバーナーと比較すると、少しだけ収納と使用時のスペースが必要です。
ツーバーナー
ツーバーナーは、使えるコンロが2口あるタイプのガスバーナーです。
パスタを茹でながら横でソースを作ったりできるところが魅力です。
2口コンロが並んでいるので、フレームが安定していて、風防(風除け)が付いているタイプなどもあるので、料理に力を入れるキャンプをするなら、ツーバーナーがおすすめです。
ただし、ツーバーナー本体とOD缶が2個必要になるので、その分荷物は増えます。
OD缶のシングルバーナーの基本の使い方
それではシングルバーナーの基本的な使い方をご紹介します。
今回は、直結型の使い方についてご説明します。
- バーナーの燃料調節口が閉まっていることを確認します
- OD缶のフタを取り、バーナーをセットします
- 平らな場所にシングルバーナーを置き、ゴトクを開きます
- 燃料調節口を開き、着火します
- 使い終わったら燃料口を閉めて消火します
シングルバーナーを使う時の注意点
シングルバーナーを使う時は、思わぬ事故を防ぐために以下の点に注意をしましょう。
- テント内では使用しない(一酸化炭素中毒と火事を防ぐため)
- 安定した場所に設置する
- 風の強すぎる日は風防を使う
- 輻射熱(鍋の熱がOD缶に伝わる現象)に注意をする
輻射熱は長時間加熱した鍋の熱がOD缶へ伝わってしまう現象ですが、最悪の場合爆発をする可能性があるため、注意が必要です。輻射熱を防ぐ方法は、遮熱テーブルや遮熱板を使う方法がおすすめです。
遮熱ができるテーブル(板)の下にOD缶を置いて使うので、鍋を置いた時に安定感があります。
使い終わったOD缶を捨てるには
OD缶に限らずガス缶は引火性が高いので捨てる時は正しい処分方法を知っておく必要があります。
OD缶の捨て方
まず、OD缶に残ったガスを使い切ります。少しだけ残っている場合は、お湯を沸かしたり、目玉焼きを焼いたりなどしましょう。
次に、OD缶に穴を開けますが、この方法はお住まいの自治体によって異なりますので、ガイドブックやホームページなどで確認をしてください。
OD缶にガスが全くなくなった状態で、自治体の支持に従って処分します。
違うメーカーのOD缶は使っても大丈夫?
さまざまなメーカーから販売されているOD缶とバーナーですが、基本的にOD缶は他のメーカーとの互換性がなく、メーカーからも純正品を使うようにアナウンスがされています。
形状や使い方がほぼ同じなので、他社製品同士の組み合わせでも使えそうに思われますが、使えたとしても不具合が多い、また壊れるなど大切なギアが使えなくなる可能性があります。
ランキングを参考に・人気の高いOD缶の直結型シングルバーナー
キャンプや登山などのおすすめのOD缶用のシングルバーナーをご紹介します。中にはシングルバーナーで最強と言われているタイプや、持ち運びに便利な最小サイズのものなどを厳選してお伝えします。
SOTO:「マイクロレギュレーターストーブ ウインドマスター」
風に強く、寒さに強いマイクロレギュレーターで風防を使わなくても火力が安定するタイプのシングルバーナーです。
標準装備で着脱式の3本ゴトクがセットになっていますが、別売りの4本ゴトクを使うとさらに安定して調理ができます。
スノーピーク:「ギガパワーストーブ 地 オート」
スノーピークのシングルバーナーでロングセラーを続けるモデルです。
このシングルバーナーの最大の魅力は、世界最小とも呼ばれるほどのコンパクトさです。ソロクッカーに収まるほどのサイズにもかかわらず、安定した高火力で、スイッチで着火が可能なオートイグナイタが装備されているところも人気の理由です。
コールマン:「ファイヤーストーム」
折りたたみ式のゴトクが収納性抜群と人気のファイヤーストームは、点火装置付きで、火力の安定性に定評のあるタイプのシングルバーナーです。
バーナー本体の大きさは手のひらサイズで、バーナーヘッドが防風構造のなっているので風の強いキャンプでも安心して使えます。
キャプテンスタッグ:「オーリック小型ガスバーナーコンロ」
他のメーカーと比較すると安い値段で購入が可能なシングルバーナーです。
圧電着火方式が採用されいるので、初心者の方も安心して使用できます。
安定した調理なら分離型のシングルバーナーがおすすめ
スペースは取るけれど、鍋を置いた時の安定感と輻射熱の心配のない分離型は、料理をメインとするキャンプにぴったりです。
プリムス:「ウルトラ・スパイダーストーブⅡ」
分離型のシングルバーナーの中でも軽量化されたタイプです。X状に設置されたゴトクが風防を兼ね、延長ゴトクが装備されているので鍋を置いた時の安定感があります。
火力を安定させるためのプレートヒートパイプが装備されているところも魅力の一つです。
SOTO:「ストーム ブレイカー」
ストームブレイカーの最大の魅力は、ノズル交換が不要で、OD缶とガソリンのどちらの熱源も使えるところです。
すり鉢状のバーナーヘッドや300個の炎口数が風に強く、無駄な燃料消費を防ぎます。
回転収納式のゴトクはコンパクトな持ち運びが可能で、メンテナンスキットがセットになっているところも魅力です。
OD缶のシングルバーナーのメンテナンス方法
最後に使用後のシングルバーナーのメンテナンス方法をご紹介します。
ガスバーナーがうまくつかない、炎の色が青くならないなど、この様な症状を防ぐためにも以下のポイントで大切なバーナーを長持ちさせましょう。
メンテナンスのポイント
- バーナーの汚れや水分をタオルで拭き取る
- 真鍮ブラシを使い汚れを取る
- Oリングをチェックする
以上の3点を使用後に行いましょう。
Oリングは、OD缶とバーナーを接続する部分にあるゴム製のパッキンです。Oリングは消耗品なので、定期的にチェックをして、硬くなっていたり、ひび割れなどを発見した時はすぐに交換をしましょう。