キャンプを趣味にしている方なら、OD缶とCB缶という言葉を聞いたことがあるでしょう。キャンプをオールシーズン楽しむ方も増えていますが、冬キャンプにはOD缶がおすすめなのをご存じでしょうか。
この記事では、冬キャンプでOD缶をおすすめする理由と、氷点下でも使えるタフなOD缶や、あると便利なおすすめアクセサリなどをご紹介します。寒い季節でも快適にキャンプしたい方、必見です。
冬のキャンプにOD缶をおすすめする3つの理由
CB缶とはカセットガスボンベのことで、家庭用カセットコンロなどでよく使われています。
OD缶はアウトドア缶の略で、アウトドア専用に作られたガス缶です。
キャンプや登山などでは、このどちらかのガス缶を使用することが多いでしょう。
CB缶とOD缶の両者を比較しながら、冬のキャンプにOD缶をおすすめする理由をご説明します。
その1 火力が安定している
実はCB缶もOD缶も、中に入っているガスの種類は同じです。
CB缶・OD缶ともに、プロパン・イソブタン・ガスノルマルブタンの3種のガスが使われていますが、異なるのはその比率です。
ガスには寒さに強い順番があり、この3種ですと寒さに強い順番は、プロパン・イソブタン・ガスノルマルブタンとなっています。
これらの3種のガスの混合比率によって火力の強さが変わってくるので、プロパンが多いほど寒さに強いということになるわけです。
CB缶は形状の都合で多くのプロパンを詰められないため、イソブタンやノルマルブタンが多く使用されています。
そのため安価で手軽に扱えますが、寒冷地では火力が保てなかったり火がつかなかったりすることがあります。
対してOD缶は、プロパンが多く使われているので、寒冷地でも安定した火力を保つことが可能です。
プロパンの含有量が多いほど、寒さに強いと考えて良いでしょう。
その2 サイズが豊富
細長い円柱の形をした一般的なCB缶は、容量は大体250gとなっています。
それに対してOD缶は、高さがなく直径があるので形も違いますが、容量も110g・250g・500gなどと、さまざまなサイズがあるので、冬のソロキャンプや冬山登山など、シーンに合わせてチョイスしやすいというメリットがあるでしょう。
その3 寒冷な環境に対応できる
OD缶はアウトドア専用に開発されているので、気化の勢いが強くなるようにガスが配合されています。
気化の勢いが強いほど寒さに強く火力も強いため、氷点下のような過酷な環境でも、ガスが勢いよく気化でき火力が強いという特徴があります。
また、ほとんどのOD缶にはノーマルタイプとハイパワータイプがありますが、特にハイパワータイプには多くのプロパンが使われています。
そのため、寒冷な環境でも安定した火力を維持することが可能です。
CB缶と比較すると価格が高いOD缶ですが、上記の理由により寒い季節のアウトドアシーンにおすすめなのは、安定した火力を保てるOD缶と言えるでしょう。
冬のキャンプにおすすめしたいOD缶
寒い時期のキャンプにおすすめなのはOD缶ということがご理解いただけても、OD缶は各アウトドアメーカーがさまざまなものを販売しており、選ぶのに迷ってしまうという方もいらっしゃるかもしれません。
ここでは、アウトドアショップやホームセンターで取り扱いの多い、入手しやすいアイテムを紹介します。
ガスの配合比率は公表しているメーカーと、そうではないところがありますが、問い合わせると教えてくれるメーカもあるようです。
プリムス:ハイパワーガス
オールシーズン対応の小型で軽いOD缶です。カートリッジの素材に気化を促進する特殊素材が施されているので、氷点下でも安定した火力を維持することができます。
2〜3年を目安にガスを使いきることがメーカーより推奨されています。
【配合比率】
プロパン :25%
混合ブタン:75%
MSR:イソプロ227
イソブタンとプロパンをミックスした、ハイパワーOD缶です。
寒冷地でも十分なパワーを発揮する、高い火力と安定感が魅力です。
過酷な冬場のキャンプでも、効率よくスピーディーに暖を取ることができるでしょう。
【配合比率】
プロパン :20%
イソブタン:80%
EPI 190エクスペディションカートリッジ
マイナス20度の極寒冷地でも使用可能なタフさが魅力のOD缶です。
厳冬期のアウトドアを楽しみたい方におすすめです。
内容量が190gの、190サイズのみ展開しています。
キャプテンスタッグ:レギュラーガスカートリッジ
登山キャンプやツーリングなどにもおすすめの、持ち運びに便利なコンパクトサイズのOD缶です。
小型な印象ですがガス容量が多いので、ガス切れの心配がなく使用できるでしょう。
キャプテンスタッグ製品専用のため、それ以外のコンロなどの器具には使用不可となっています。
コールマン:純正LPガス
混合されているプロパンガスにより、安定した高い火力を維持できます。外気温が10度を下回る時期はハイパワータイプがおすすめです。ランタンやキッチンバーナーなどにも使用できます。
保管時は必ずキャップをして、高温多湿を避け40℃以下の冷暗所に置きましょう。
OD缶対応のおすすめギア
OD缶に対応している、おすすめのキャンプギアについてご紹介します。
実際の使用感などが気になる方は、通販サイトのレビューやランキングサイトの口コミなどを参考にしても良いでしょう。
SOTO:マイクロレギュレーターストーブ
骨太な使用感でキャンパーに大人気の、SOTO(ソト)のOD缶用シングルバーナーです。
マイクロレギュレータで調圧されたガスが一定のガス圧でバーナーに供給されるので、火力を一定に保つことができます。
折りたたみ式の風防も付いているので、過酷な環境でも安定した火力を保つでしょう。
収納ケース付きで、持ち運びにも便利です。
コールマン:クイックヒーター
コールマンのOD缶を使用する、つけるとすぐに暖かくなるコンパクトなヒーターです。
音も静かなので冬キャンプのほかにも、寒い時期の釣りや野外でのイベントに役立つでしょう。防災アイテムとしてもおすすめです。
OD缶用おすすめアクセサリ
OD缶用の、おすすめのアクセサリをご紹介します。
スタビライザーやカバーを使うと、不安定な地面でも安定してOD缶を使えたり、缶を傷や衝撃から守ることができますよ。
スタビライザー
スタビライズとは、安定させるという意味です。
スタイビライザーをガス缶に装着すると安定性が高まり、河原のような不整地でもOD缶をしっかりと固定することができますよ。
おすすめのスタビライザーのいくつかをご紹介します。
PRIMUS(プリムス) ガスカートリッジホルダー
軽くコンパクトに折りたため、持ち運びしやすいスタビライザーです。
EPI(イーピーアイ) カートリッジスタビライザー2
3本足の中央部分が留めてあり、扇のようにさっと開く仕組みが便利な使いやすい製品です。
CAMPING MOON(キャンピングムーン) スタビライザー カートリッジホルダー
CB缶にも使える上に、OD缶の110・250・500サイズのスタビライザーとして使用できるので便利です。
カバー
OD缶用カバーは、おしゃれなキャンパーがよく付けていますよね。
カバーにはおしゃれなだけではく、缶を衝撃などから守り、触った時の冷たさから手を守ることもできます。
おすすめのOD缶用カバーの一部をご紹介します。
カバーの素材には、革・布・毛糸などがありますよ。
イエティ ガス缶カバー巾着
OD缶のフォルムがきれいに出るようにデザインされた OD缶250グラム用の巾着式カバーです。ワックスキャンバス製なので、使い込むほど味わいが出てきます。
ハイランダー レザーカバー
OD缶にフィットする、高級感のある100%革製のレザーカバーです。
ハイランダーのブランドロゴがプリントされており、キャンプギアが一気にドレスアップするでしょう。
ソトラボ ガスカートリッジカバーデニムⅡ
選りすぐりの国産セルヴィッチデニムを使用し、ステッチとロゴが印象的なカバーです。お手持ちのランタンやバーナーに被せるだけで、とてもスタイリッシュな雰囲気になりますよ。
チャムス ガス缶カバー
すべて手作業で作られた、ネパールニットを使ったチャムスのガス缶カバーです。
黒のベースに、赤地に白の「CHUMS」ロゴが際立ちます。
モンベル プロテクターカートリッジ
OD缶を保護するプロテクターです。表面に水分を保持しない素材を使用しているため、雪の上に直接置いても凍らず、ガスの消費量を抑えることができます。底面のカートリッジにスタビライザーを取り付けることができるので、安定して使用できるでしょう。
OD缶を安く買うには
OD缶は火力が強く過酷な環境の冬キャンプに適していますが、CB缶に比べると入手しにくく、価格も高いという特徴があります。
コスパを悪く感じ、安いCB缶からOD缶にガスを移し替えたいという方もいらっしゃるでしょう。
しかし、無資格者がガスを詰め替えることは違法になるケースがあります。
OD缶を安く買うには、アウトドアショップの実店舗などで行われる、まとめ買いセールなどで購入することがおすすめです。
OD缶はなぜ高い
OD缶にはプロパン・イソブタン・ノルマルブタンの3種のガスが使われていることを先にご紹介しました。プロパンの含有量が多いほど火力は強くなりますが、その分値段も高くなります。
したがって、寒冷地向けのOD缶ほど値段が高くなっていくでしょう。
このことにより、OD缶は高いと言われてしまうようです。
しかしコストを下げようとすると、イソブタンやノルマルブタンの比率が多いOD缶を選ぶことになります。
その場合の安いOD缶は、暖かい季節向きになるので冬キャンプには向いていないと言えるでしょう。
まとめ
CB缶とOD缶は、ガスの種類の比率によって火力の安定度が異なりました。
CB缶は安価で入手性が高く手軽に扱えますが低温に弱いので、やはり寒い冬キャンプには安定した火力を保つことができるOD缶がおすすめです。
各メーカーが氷点下にも対応できるOD缶を販売しているので、検討してみましょう。アクセサリなども上手く活用して、季節に応じて使い分けすることがおすすめです。