バーベキューコンロを使用して行う焼肉などは、アウトドアの花形ですよね。
タレの焦げる匂いの誘惑から抜けられず、またバーベキューをしたいと考える方も多いことでしょう。
しかし、バーベキューに使用した炭の後始末は意外と大変です。
特に、火が残っている状態の炭は、完全に消火しないと危険が伴います。
そして、消火して持ち帰った炭も、そのままゴミとして捨てている方が多いのではないでしょうか。
そこで今回は、炭の後始末方法と持ち帰った炭の活用方法をご紹介します。
バーベキューで燃え残った炭は後始末して持ち帰ろう!
河原バーベキューなどをした後の現場では、燃え残った炭が河原に放棄されているのを見かけることがあります。
これは、環境保護の観点からも、河原を利用するマナーとしても、してはいけません。
燃え残りの炭を河原に捨てるとゴミの不法投棄になりますし、火事の原因にもなりますよね。
炭火は、数時間後でも消えていないことが珍しくありませんので、完全に消火させることが必要です。
昔の家では、火鉢の残り火を翌日の炭起こしに利用していましたそうです。
つまり、炭火は半日以上経過しても消火していなかったことになります。
キャンプ場などに、燃え残りの炭を回収する設備があれば、指定場所へ廃棄することができます。
しかし、専用の回収設備のない場所でバーベキューをするときには、燃え残りの炭は必ず後始末して持ち帰るようにするのがマナーです。
火のついた炭を後始末する容器をバーベキューの道具に加えよう
バーベキューをすると、どうしても燃え残りの炭が出ますよね。
バーベキューが終わっても、まだ1時間以上燃えると思われる炭がコンロに残っていても珍しいことではありません。
バーベキューをするときに、未使用の炭を入れる容器を用意する方は多いですが、後始末する容器を用意している方は少ないのではないでしょうか。
炭の後始末に使用する道具は「火消しつぼ」とよばれるもので、たくさんの種類があります。
いずれも、火のついた炭を直接入れて密閉することで窒息消火させる構造です。
価格は、スチール製で2千円程度のものから陶器製で数万円のものまで様々です。
バーベキューに使用する目的であれば、高価な製品を購入する必要はありませんので、バーベキュー道具に加えてみてはいかがでしょうか。
ここで、手に入れやすい代表的な火消しつぼ3種と特徴をご紹介します。
【商品名:アルスター火消しつぼM】
スチール製の缶で、一番オーソドックスな製品です。
メーカー:キャプテンスタッグ
参考価格:1,990円
【商品名:火起こし兼用火消しつぼ】
炭の着火と火消しの両方に使用できるスチール缶で、あると便利な製品です。
メーカー:グリーンライフ
参考価格:2,690円
【商品名:鉄鋳物火消しつぼ大】
鉄鋳物の火消しつぼで、耐熱性が高く、炭が消火していなくても持ち運ぶことが可能な製品です。
重厚な雰囲気から、良いものを持っているという満足感が得られます。
メーカー:東伸販売
参考価格:8,890円
炭の後始末は完全消火がバーベキューの鉄則!
バーベキューで出た燃え残りの炭は、完全に消火するよう後始末することが大切です。
たとえ、火のついたまま保管できる火消しつぼでも、車での運搬中に倒れると危険ですので、完全に消火させることをおすすめします。
消火する方法は、どの程度炭が残っているかによって変わりますので、こちらを参考にしてください。
【炭の燃え残りが大量にある場合】
・早く後片付けしたいときには、炭をバーベキューグリルから外に取り出して、水を大量にかけて消火した後に火消しつぼに入れます。
水で消火させる前提であれば火消しつぼを使用せず、金属のバケツやペール缶で代用すると作業が楽になるでしょう。
バーベキューグリルに直接水をかける消火方法は、グリルが傷みますし、水蒸気により火傷することがあり危険ですのでおすすめできません。
水をかけた後、水蒸気が上がらなくなり、手で触っても熱くなければ消火完了です。
・後片付けに時間をかけても問題ない場合には、火消つぼに火がついたままの炭を入れ、蓋をして窒息消火します。
キャンプなどで宿泊し、バーベキューで使用した炭を翌朝再利用する場合などは、この方法が便利です。
火消しつぼを手で触って、温度が下がっていれば消火完了です。
なお、再燃焼を防ぐため、消火するまでは絶対に蓋を取らないでください。
【炭の燃え残りが少ない場合】
・時間は少々かかりますが、完全に燃やし切って灰にすることをおすすめします。
また、燃やし切った灰は持ち帰りましょう。
・時間がないときは、前述した水で消火する方法と同じ様に処理してください。
バーベキューで後始末した炭と灰は分けて持ち帰ろう
バーベキューの後始末では「水に濡れた炭や窒息消火した炭」「燃え残りの灰」は分別して持ち帰ることをおすすめします。
そのため、灰を入れるためのクッキーや煎餅などが入っていた缶などを持参すると良いでしょう。
もしも、水に濡れた炭と灰を一緒の火消しつぼに入れると、かたまりになってしまい、取り出すことが困難になります。
また、火消しつぼ自体の掃除がしにくくなってしまいます。
そこで、炭と灰を分別することで、取り扱いしやすくなるだけではなく、消火した炭や灰を再利用することが可能になります。
消火した炭は火消しつぼに入れますが、燃え尽きた灰は再出火の心配がありませんので、缶に入れて持ち帰ることができます。
なお、車に積み込むときには、火消しつぼや灰を入れた缶の底が熱くなっていないか、など危険でないことを必ず確認しましょう。
後始末で持ち帰った炭は次回のバーベキューで再利用できる!
後始末の際に水で濡れた炭を長期間火消しつぼに放置すると、火消しつぼが錆びてしまうことがあります。
そのため、バーベキュー当日か翌日には必ず中身を出して、火消しつぼを乾燥させることが大切です。
取り出した炭が濡れている場合、天日で数日間干すと再利用することができます。
また、窒息消火した炭は乾燥していますので、干す必要はありません。
乾燥させた後はビニール袋に入れて密閉し、湿気を吸わせないように保管すると良いでしょう。
次回バーベキューをするときに、乾燥させた炭や窒息消火した炭は新品よりも簡単に火がつきますので、火起こしの際に使用すると便利です。
なお、使い残しの新品の炭についても、密閉保管しておくことをおすすめします。
湿気を吸った炭は火がつきにくく、煙の量が多くなってしまいますので、必ずビニール袋に入れて密閉保管してください。
捨てるべからず!残った炭や灰の有効利用の仕方は?
後始末で消火した炭の再利用方法は前述しましたが、灰も有効利用することができますので、ゴミとして捨てないようにしましょう。
おすすめの利用方法は、草花や樹木の肥料として使うというものです。
灰はバーベキューをするたびに出来るものなので、バーベキューをする度に補充することができますよ。
灰には窒素とリン酸が含まれていて、鉢植えや花壇などに散布すると良いと言われています。
もう一つの利用方法は、仏壇のお線香立てとしての灰です。
持ち帰った灰をふるいにかけ、古くなったお線香立ての灰と交換すると良いでしょう。
近年では、プラスチックなどが混ざっていない灰が手に入りにくいため、仏壇が自宅にあるお知り合いに分けても喜ばれるでしょう。
また灰だけではなく、乾燥した炭も砕いて肥料にすることができます。
濡れた炭を燃料として再利用したくないという方は、炭を砕いて灰と一緒に肥料として利用することをおすすめします。
バーベキューで燃え残った炭は持ち帰って有効活用しよう!
バーベキューで燃え残った炭や灰は、その場に捨てずに後始末し持ち帰ることがマナーです。
燃え残りの炭は、火消しつぼなどを利用して完全消火し、きちんと後始末をして処理をすれば次回のバーベキューでも再利用できます。
また、余った炭や灰を分別してとっておけば、草花の肥料や線香立ての灰としても利用できます。
バーベキューで使用済みの炭や灰を無駄にせず、活用してみてくださいね。