登山の持ち物は特殊なものも多く、初心者がすべてを揃えるのは大変です。
そもそも、まずは何が必要なのかもわかりませんよね。
初心者はまずどのような持ち物が必要なのかを知って、自宅にあるもので代用できるものは代用し、代用できないものは登山用品のレンタルを活用しましょう。
登山の服装や持ち物は、山や季節によって大きく異なります。
今回の記事では、基本の服装や持ち物について解説します。
山や季節によって服装や持ち物が変わるのが登山
山を登るという行為はシンプルながら奥が深く、登る山や季節によって難易度が大きく変わります。
それに合わせて、服装や持ち物も変えなければなりません。
わかりやすくいうと、富士山を登るときと高尾山を登るときの服装や持ち物はまったく異なりますよね。
それぞれの山に合わせて準備をする必要があります。
また、冬の富士登山と夏の富士登山でも、服装や持ち物は全く異なります。
服装や持ち物は、季節によっても変えなければなりません。
山は季節によって気温や環境がまったく異なるということを覚えておきましょう。
登山というと、泊まりがけで何日も登ることもありますが、今回の記事では初心者が日帰りで登山をするという前提のお話をいたします。
先程は富士山と高尾山では服装も持ち物も異なるとお伝えしましたが、基本となるものは共通です。
基本の服装や持ち物をおさえておけば、次回からの登山でも役立ちますよ。
登山は重ね着で体温調節!
登山における服装の基本は、重ね着です。
山の上は平地とは違い、朝晩と昼間の気温に大きく差があります。
また、日差しの有無によってもかなり体感温度が変わってきます。
脱ぎ着できるような重ね着をすることによって、これに対応するのです。
重ね着は「ベースレイヤー」「ミドルレイヤー」「アウターレイヤー」の3つのレイヤーが基本になります。
ベースレイヤーは肌着になるため、登山中にかいた汗を吸収し速乾する化繊のものを選びましょう。
夏場は特に。速乾性の肌着が快適な登山のために必要になってきます。
冬場になると、ウールのベースレイヤーを選ぶこともあります。
ウールは汗を吸収すると発熱する性質があるため、保温性が高まるのです。
避けてほしいのが綿素材のベースレイヤーです。
綿は速乾性が低いため、汗をかいたあとに体が冷えてしまう可能性があります。
そのため登山において綿素材のベースレイヤーはおすすめしません。
次に、ミドルレイヤーです。
ミドルレイヤーはベースレイヤーからの汗を発散させ保温をする役割を持ちます。
通気性が良いシャツ、化繊インサレーション、フリース、ダウンジャケット、ソフトシェルなど、山や季節によって選択肢が変わります。
使用するシーンに合わせて選びましょう。
秋冬であれば保温性、春夏であれば通気性・透湿性を重視すると良いですよ。
最後に、アウターレイヤーです。
アウターレイヤーは基本的に秋冬での登山で使用することが想定されますので、防風性や防水性が重要になってきます。
着たまま登山をすることを考え、透湿性も重要です。
これらの登山用ウェアをすべて揃えるのはお金もかかりますし大変です。
初心者でしたら、まずはお手持ちの服装でも行けるような夏の低山から始めるのがおすすめです。
次に、登山の持ち物についてご説明します。
初心者でもここはおさえよう!基本の持ち物
服装の次に、登山に必要な基本の持ち物をご紹介します。
初心者であっても、ここはおさえておいてください。
▲バックパック
しっかり体にフィットするものを選びましょう。
日帰りでしたら20リットルから30リットル程度の容量で大丈夫です。
▲レインウェア
登山用の防水透湿性のある素材のレインウェアがおすすめです。
安いビニールカッパは透湿性がなく、蒸れて内側から汗で濡れてしまいます。
登山中に体が濡れてしまうと体温が低下してしまい、体調が悪化してしまう可能性があります。
アウトドアブランドのレインウェアは高価ではありますが、その分高性能です。
できるだけしっかりした性能のものを準備することがおすすめです。
▲帽子
山の上の紫外線は強いため、日に当たりすぎて体調を崩すことも考えられます。
紫外線対策として帽子を持っていきましょう。
▲地図
スマートフォンに登山地図のアプリを入れておくと便利です。
しかし、電池切れや端末トラブルのことを考え、必ず紙の地図も持ち物のひとつに入れておきましょう。
▲タオル
登山中は汗をかきますので、タオルでこまめに汗をぬぐうようにします。
また、救急時にもタオルが使えます。
速乾性素材のタオルが良いですよ。
▲ビニール袋
何かと使えるビニール袋は、何枚か持っていきましょう。
着替えや濡れたものを入れる、雨が降ったときバックパックのカバー代わりにする、シートとして使う、など使い勝手が良いです。
▲行動食
手軽にエネルギー補給が行えるような行動食を選びましょう。
ドライフルーツやクッキーなどは高カロリーでバックパックにも入れておきやすいのでおすすめです。
▲水分
調理やケガの処置にも使える水と、糖分や電解質を摂取できるスポーツドリンクの、2種類を持っていくと良いでしょう。
ハイドレーションであれば水分補給も楽にできますが、ペットボトルでもOKです。
必要に応じて揃えておきたい登山の持ち物
登山する山によっては、前項でご紹介した持ち物以外にも、さらに持ち物が必要になることがあります。
初心者でしたら、すべてを揃えるのは難しいかもしれませんが、家にあるものでも代用できるものがありますのでできるだけ持ち物として揃えておくと良いですよ。
▲ストック
腰や膝の負担を軽減してくれます。
バランス良く歩行でき、疲労しにくくなります。
▲ヘッドランプ
山では暗くなると、道が見えなくなります。
暗いうちから登るなどの予定がある場合は必要です。
▲腕時計
スマートフォンがあれば時間はわかりますが、登山中にいちいち取り出すのは大変で、歩行の邪魔になります。
腕時計があると便利です。
▲クッカー・バーナー
日帰りの登山であれば必須というわけではありませんが、山頂でいただく温かい食事は別格です。
食事でなくても、コーヒーを淹れてみてください。
そのおいしさに驚くことでしょう。
▲虫よけスプレー
夏場は虫が多いため、あると便利です。
▲ファーストエイドセット
ちょっとしたケガをしたときの絆創膏や常備薬があると安心です。
持ち物ははじめから揃えなくても良い!初心者はレンタルも活用
さて、登山の服装や持ち物をご紹介してきました。
登山用品は特殊な機能が必要なものも多く、初心者のうちにすべてを揃えるのはお金がかかり大変です。
そのため、はじめからすべて揃えようと思わなくても大丈夫です。
持っていないものは、家にあるものやレンタル品で代用しましょう。
そして、初心者のうちは、ハイキングの延長のようなコースから始めましょう。
そのようなコースであれば履きなれたスニーカーでOKですし、お持ちのザックでも大丈夫です。
登山のレベルが上がってきたら、徐々に持ち物を揃えていけば良いのです。
もし、本格的な登山用品を試してみたいというのであれば、登山用品のレンタルショップを利用しましょう。
登山用品は高額なものも多いため、せっかく買ったのに使わなかった、合わなかったではもったいないです。
レンタルして気に入ったら購入するのがおすすめです。
登山の服装や持ち物がいろいろ必要で、尻込みしてしまったという人もいるかもしれませんが、レンタルできるのであれば気軽に挑戦できますね。
自宅にあるものやレンタルを上手に使って、まずは登山を楽しんでください。
初心者にもおすすめしたい登山の楽しみのひとつ、山ごはん
最後に蛇足かもしれませんが、初心者にもぜひおすすめしたいのが「山ごはん」です。
登山では苦しいことも多いのですが、そんな中でも山ごはんは疲れた体を癒してくれます。
山の上で食べるごはんはなぜかとてもおいしくて、ごはんを楽しみに登山をするという人もいるようですよ。
前の項でもお話ししましたが、お湯を沸かしてコーヒーを淹れるだけでも感動的においしいです。
難しい調理は不要のフリーズドライ食品を使えば、さらに簡単に山ごはんを楽しむことができますよ。
少し持ち物は増えますが、一度山ごはんを味わったらクセになることでしょう。
山ごはんに必要な持ち物を簡単にご紹介しておきます。
▲コッヘル
▲食器
▲バーナー
▲食品(フリーズドライ食品やインスタントコーヒーなど)
▲カトラリー
そこまで大きな持ち物ではありませんので、余裕がある場合に挑戦してみてください。
持ち物をひとつずつ揃えていくのも楽しい
登山では、持ち物ひとつが命取りになることも考えられます。
ぜひ忘れ物がないように、しっかりと準備してくださいね。
まずはお手持ちの道具やレンタルの道具を使ってみて、自分に合っている装備や道具を見つけていってください。
それから買い揃えても遅くはありません。
徐々に装備や道具を揃えていくのも楽しいですね。