キャンプや登山のようなアウトドアには、安全に気を使った服装で挑む必要があります。
野山には蜂や蚊が多く生息していますし、他にも毒を持つような虫や植物が案外多いものです。
そこで、虫対策のために肌を露出しないことも大切ですが、色選びに気をつけることも重要なんですよ。
他にも、様々な要因によって安全な色と危険な色があります。
この記事では、アウトドアで安全な色と危険な色についてご紹介していきます。
登山やキャンプに適した服装ってどんなもの?色も大切なの?
登山やキャンプなど、屋外で行うアクティビティでは、なるべく長袖長ズボンを着用するようにしましょう。
肌の露出を減らすことで蜂や蚊のような刺す虫のほかに、知らないうちにヤマビルに噛まれたり、ウルシのような毒草に触れてかぶれることを未然に防いでくれます。
夏のような暑い時には半袖でもいいですが、山間部は夜間に冷えやすいため、寒さ対策も兼ねて長袖を用意していつでも羽織れるようにしておいたほうがいいでしょう。
アウトドアでは、重ね着のことを専門用語でレイヤリングと呼びます。
具体的には、ベースレイヤーと呼ばれる肌着の上に、体温を維持するための温かいミドルレイヤーを着て、状況に応じて風雨から身を守るためのアウターレイヤーを着るのが基本です。
これらの服装の組み合わせで、常に適切な体温をキープしましょう。
ベースレイヤーには、寒い時期には保温性の高いものを、暖かい時期には速乾性のあるものを選ぶと安心できます。
ミドルレイヤーには、季節に合わせてフリースのジャケットやマウンテンパーカーなどを選びましょう。
アウターレイヤーは、撥水性が高くて風を通さないものがおすすめです。
服装の役割と選び方が判ったら、次は色について見ていきましょう。
服装を好きな色でコーディネートするのもいいですが、アウトドアでは安全のために望ましい色や避けたい色もあります。
登山やキャンプで避けたい色は?危険を避ける服装で挑む!
アウトドアを快適に過ごすための服装の基本がわかったところで、アウトドア用ウェアの色を選ぶ方法をお伝えします。
普段着を買う時には、流行の色や好きな色、既に持っているアイテムとの兼ね合いから色を選ぶことが多いのではないでしょうか。
しかし、アウトドア用ウェアの色を選ぶ目的は、安全に登山やキャンプを行うためです。
おしゃれさに気を使うのも大切かもしれませんが、そのために機能性や安全性を無視してしまうと万一のときに楽しく過ごせなくなってしまう恐れがあります。
これからご紹介する色が普段なら絶対に着ない色だという人も、アウトドアでの安全性のために挑戦してみてください。
これまでは避けていた色だけれど、着てみると案外似合うかもしれませんよ。
緊急時に命を救う色!登山では目立つ色を服装に取り入れて!
登山には危険がつきものです。
切り立った崖や不安定な足場をクリアして、山の頂に立つのは気持ちがいいです。
しかし、そこまでの過程でちょっとしたミスをしてしまうと遭難してしまったり、滑落して行方不明になってしまう危険性があることを忘れないでください。
もし万が一、登山をしていて遭難した場合には、遭難者をヘリコプターなどで捜索します。
その時、目立つ色の服装をしていると発見してもらいやすく、早い段階で助けてもらえる可能性が高まります。
遠くから発見してもらいやすい色として、蛍光色や青色があります。
蛍光色は自然界に無い色なので、自然の中に紛れた状態でも目に付きやすいです。
また、自然界で青色をしているものは空と水以外にはあまりありませんので、青色も山中では非常に目立ちます。
白も目立つ色ですが、雪の積もった場所では目立たないので、場所によっては避けたほうがいいかもしれません。
以上のことから、安全性を考慮して登山を行いたい場合には、なるべく蛍光色や青色のウェアを選びましょう。
逆に、モノトーンやアースカラーは山の中では目立ちません。
迷彩色はもっての外です。
これらはなるべく避けたほうがいい色と言えるでしょう。
虫刺されを防ぐ!虫対策になる色は何色?
続いて、登山やキャンプの最中にうっとうしく感じるのが、蜂や蚊のような虫です。
周囲を飛び回られると非常に不快ですし、もし刺されてしまったら激痛を伴ったり、そうでなくてもかゆみに襲われるので気分がガタ落ちしてしまいます。
実は、そんな虫を避けやすい色もありますので、覚えておいてください。
山に住む蜂は、濃い色のものを優先して襲いかかる習性があります。
天敵である熊や他の動物は黒いことが多いことためそういった習性があると言われていますが、とにかく蜂対策には色が濃いものを避けることが賢明だとわかりますね。
蜂の駆除を行う人が白ずくめのスーツで作業をしていることからも、有効性が見て取れます。
同様に、刺されるとかゆい蚊も濃い色の服装をした人によっていく習性があるようです。
明るい色の服装で、キャンプや登山の最中を快適に過ごしましょう。
山の猛獣『熊』を避ける色
登山やキャンプで恐ろしいのは、熊との遭遇です。
熊は日本列島で最大の野生の獣です。
ニュースで稀に耳に入るように、熊と出会った場合にはケガするだけならまだいい方で、最悪の場合には命を落とすこともありえます。
こういった熊による殺傷事件を聞くと、熊は人を意図的に襲っているように感じるかもしれません。
しかし大部分の熊は、意図的に人間を狙って襲うことはしないと言われています。
熊と遭遇して最悪の事態になってしまうケースのほとんどは、熊が突然人間に出くわしてしまって、驚きから攻撃してきたことのよるものだとされています。
つまり、知らず知らずのうちに熊に接近してしまったことで熊を驚かせてしまうのが、熊に攻撃される原因となるのです。
一般的には熊鈴やラジオで熊に人間の存在を知らせることが熊対策になると言われています。
そこに加えて、目立つ服装をすることで先に熊に見つけてもらい、熊の方から身を引いてもらうようにしましょう。
目立つ服装とは、先程の項でお伝えしたように自然界にあまりない色のものです。
ただし、熊対策に100%の方法はありません。
さまざまな熊対策方法が囁かれていますが、どれも確実ではありません。
とにかく熊に近づかないように気をつけて、万が一のときに備えて熊対策スプレーなどを入手しておくといいでしょう。
ここまで熊の怖さをお伝えしてきましたが、より恐ろしいことがあります。
それは、熊やイノシシのような動物と見間違えられてしまうことです。
時期や場所によっては、山の中にハンターがいます。
ハンターはお互いを誤射しないように、目立つオレンジ色の服を着て区別しながら狩りをしています。
もしそんな中に動物のような紛らわしい服装をして侵入してしまったら、誤射されてしまう危険性があります。
実際に、誤射された方もいらっしゃいます。
登山者もハンターも不幸になる事故の原因になりますので、なるべく目立つ服装で登山をしましょう。
登山やキャンプで服装に取り入れたい色!
ここまでにお伝えしたことから、登山やキャンプの服装に取り入れたいおすすめの色は以下にまとめたものです。
・明るい青色
・蛍光色
これらの色は周囲からの視認性が良くて、自然の中に混ざらずに見つけてもらえます。
また、熊にも見つけてもらいやすいので臆病な熊は先んじて逃げてくれますし、虫も寄りにくいです。
快適なアウトドアにするために、全身とまでは言わなくとも、ジャケットやザックにこういった色を取り入れてみましょう。
一方、避けたい色は以下のものです。
・アースカラー
・黒
・迷彩
これらは自然に紛れてしまう色ですから、万が一のときに危険な目にあってしまう恐れがあります。
特に、アウトドア感があってかっこいい迷彩ですが、本来自然に紛れるために作られた模様なので、絶対に避けてください。
なお、視認性が良くて目立つように感じる白ですが、雪山では逆に溶け込んでしまいます。
キャンプや低山登山ならOKですが、雪が積もっている可能性のある高山では避けたほうが賢明でしょう。
以上のように、アウトドアを楽しむ環境によって使い分けましょう。
登山やキャンプの服装に取り入れたい色と避けたい色はこれ!
ここまで、登山やキャンプに取り入れたい色と避けたい色をご紹介してきました。
様々な要因から、ぜひ取り入れてほしいおすすめの色は青色と蛍光色です。
一方、アースカラーや黒、迷彩は、普段着ならいいですが、アウトドアでは避けるべき色です。
色選びだけで、万が一の時に助かるか助からないかが分かれてしまうかもしれません。
普段は着ない色でも、アウトドアのときだけは身につけてみてください。