暑い季節のキャンプを快適に過ごすことができるテント、それがメッシュテントです。自分の使い方に合った扱いやすいものを探そうと思っても、多くのメーカーからメッシュテントが販売されているので、選ぶときに迷ってしまうかもしれません。
そこで今回は、メッシュテントのメリット・デメリットを解説した上で、シーンに合わせた選び方やおすすめのメッシュテントをご紹介します。メッシュテントを選ぶ際の参考にしていただければ幸いです。
メッシュテントとは
メッシュテントとは、メッシュ生地を使用したテントのことです。ダブルウォールタイプのテントの中に張るメッシュインナーテントとしても用いられ、通気性と虫よけ効果が特徴です。ワンタッチで設営できるシンプルなものから、夏場だけでなく寒い季節にも対応できる本格的なモデルまで、さまざまな種類のメッシュテントが各アウトドアメーカーから販売されています。
メッシュテントのメリット・デメリット
メッシュテントはメリットがたくさんある魅力的なテントですが、デメリットもあります。以下に、メッシュテントのメリットとデメリットについてご紹介します。
メリット
- 通気性が良いため、暑い夏キャンプでも快適
- 蚊帳としても使え、寝るときの虫よけ対策になる
- 全面メッシュのテントは、インナーテントとフライシートに分かれていることが多く、虫よけ対策として有効
- 通気性が良く蒸れないので、結露しにくい
- フライシートを使用せずに設置すれば、より軽量化することができる
- タープを天井として使うことで、雨天でも対応できる
- ポリエステル素材のものなど、軽量でコンパクトに収納できる
- 軽量なので、登山や山岳キャンプなどにも向いている
- メッシュなので生地の汚れが落としやすく、カビも発生しにくい
- 4面の大きな窓にメッシュスクリーンをあしらったフルオープンタイプなら、抜群の開放感を味わえる
- ワンタッチテントなどはコンパクトに収納できるため、保管に場所を取らない
デメリット
- 薄くて破れやすい
- 秋冬は寒い
- 雨が入ってくる場合もあり、天候により快適性が左右される
- 基本的に春夏のキャンプで使用することを想定して作られているため、秋冬などのキャンプには向いていないものも多い
- 寒い時期に使いたい場合は、フルクローズできる本格的なものが必要
- 冬キャンプでは、保温性を高めるためにフライシートにスカートを取り付けることが必要
- 氷点下になるような本格的な雪山キャンプなどでは不向き
メッシュテントの選び方
メッシュテントは各アウトドアメーカーがさまざまなものを販売しているので、どれを選べば良いかわからなくなるかもしれません。
以下に、失敗しないメッシュテントの選び方について考察してみました。
使う時期など、シーンに合わせる
夏場は快適に使用できるメッシュテントですが、寒い季節は肌寒く感じるでしょう。そのため、秋冬用にメッシュテントを使いたい場合は、フルクローズドメッシュテントがおすすめです。
フルオープンとフルクローズができるので、使用シーンに合わせてメッシュスクリーンを調節し、快適に使用することができます。
素材の機能性
メッシュテントを購入する際は、素材の機能性を考慮して選ぶと良いでしょう。
以下のようなポイントをおさえて選ぶと、機能的で快適なメッシュテントを選ぶことができますよ。
- 耐久性
メッシュ生地でできているメッシュテントは、破れやすい傾向があります。厚めの生地がおすすめです。 - 耐水性
1,000〜3,000mmがおすすめですが、耐水圧の高いコーティングはその分通気性が悪くなることがあります。 - 遮光性
メッシュの密度(「D」で表されるデニールの数値)が高いほど遮光性が上がります。
設営のしやすさ
デザインなどが気に入ったテントでも、あまりに設営方法が複雑だと、キャンプに行くこと自体が億劫になってしまうことにもなりかねません。
特にキャンプビギナーには、設営のしやすいテントを選ぶことがおすすめです。
以下のようなシンプルなメッシュテントなら、設営が簡単なので手軽に扱うことができるでしょう。
- フレームを広げるだけで設営できるワンタッチメッシュテント
- 1本のポールで設営する、ワンポールタイプのモノポールメッシュテント
- ポールを立ててしまえばフックにかけて簡単に設営できる、吊り下げ式のメッシュテント
ワンタッチのメッシュテントはカンガルースタイルにも
カンガルースタイルとは、大型テントやシェルター内にテントを入れるキャンプスタイルのことです。
ワンタッチのメッシュテントなら、大型テントのインナーテントとして、簡単にカンガルースタイルで使用できますよ。公園などでも数分で広げることができるので便利です。
軽量性と収納製
キャンプ道具を軽くして持ち運びを楽にするには、携帯性をチェックしておくことも大切です。特にソロキャンプや山岳キャンプなどでは、荷物はなるべく軽量にして身軽に動きたいものですよね。
軽さと収納性を調べておけば、携帯性に優れていて扱いやすいテントを探すことができるでしょう。
メッシュテントの補修方法
メッシュテントはどうしても破れやすい傾向がありますが、破れたままにしておくとほつれが広がります。破れて穴があいてしまったら、どのように補修すれば良いのでしょうか。自分でできる修理方法と、便利な補修グッズをご紹介します。
キャプテンスタッグのシームレステープで密着させる
キャプテンスタッグのシームレステープは、丈夫なテープなので、メッシュ部分にあいた穴やほつれをしっかり補修してくれます。
コールマンのリペアシートで修復する
メッシュテントにあいた穴が小さい場合は、リペアシートで補修することが可能です。
コールマンのリペアシートは、アイロンで圧着するだけで簡単に補修できます。あて布などを使用し、シワにならないよう丁寧に圧着しましょう。
ロゴスのテント&タープ補修 透明マジックシールを貼る
リペアシートには、アイロンで貼り付けるタイプとシールタイプがありますが、こちらは必要な大きさにカットして貼り付けるだけで、穴や破れを補修できる手軽なシールタイプ。透明シールなのでメッシュ生地の色を気にする必要がなく、使いやすいです。穴や破れの周りの汚れを拭き取ってから、貼り付けるようにしましょう。
100均のダクトテープ・ナイロン補修シート
ダクトテープは銀色のイメージが強いですが、100均のダクトテープはおしゃれな柄入りのものがあります。
また、ナイロン生地の穴あきや破れの補修に使うナイロン補修シートは、黒や白が多いようです。
これまでご紹介してきたアウトドアメーカーの補修アイテムは透明タイプが多かったですが、100均のものは透明ではないので、メッシュ生地の色によっては使用することをためらう方もいるかもしれません。穴や破れを放っておくと広がってしまうので、とりあえずの応急処置におすすめです。
小さな穴なら網戸補修シールも使用できる
100均のダクトテープやナイロン補修シートも応急処置に使用できるアイテムですが、補修グッズがメッシュ生地の色とかけ離れていると、急ぎの処置とはいえ使用するのに躊躇するものですよね。
メッシュにはメッシュを、と考える方には、100均などの網戸補修シールがおすすめです。
メッシュ生地の裏側と表側の両方に貼ると良いでしょう。
メッシュテントは後付けすることも可能
虫よけや結露対策に効果的なメッシュテントは、後付けすることができるタイプのものが通販などで販売されています。タープテントの内側に取り付けるだけという、非常に簡単な作業でメッシュタープテントに改造することができますよ。
通販サイトにはメッシュシートも販売されていることがありますので、メッシュシートとマジックテープで、自作メッシュテントを完成させてしまう方もいるようです。
おすすめの人気メッシュテント
通気性が良く扱いやすい、有名アウトドアメーカーの人気のメッシュテントをご紹介します。
ロゴス:スクリーンドゥーブル
ロゴスが独自に開発したメッシュ、「デビルブロックST」を使っている2ルームテントです。こちらの独自メッシュは虫をシャットアウトし、遮光性に優れていることが特徴です。テントの6箇所にバランスの良い配置で採用されているため、高い通気性で風通しよく過ごせます。
スノーピーク:メッシュシェルター
安心の日本製の品質が海外からも注目されるスノーピークでは、「メッシュシェルター」が定番シェルターとして不動の人気を誇ります。
寒い季節は暖かく、夏は虫をシャットダウンしてくれる快適さが魅力です。
メッシュ窓が広く天井も高いので、広々した印象ですよ。
手持ちのドームテントなどと合わせて使っても快適性が上がります。
モンベル:レラドーム4型
モンベルも扱いやすいモデルが多い日本の人気アウトドアメーカーです。扱いやすさも人気ですがリーズナブルな価格帯のものが多く、そのコストパフォーマンスの良さもたくさんのキャンパーから支持を得ています。
モンベルでは全面にメッシュ生地をあしらった「レラドーム4型」が、暑い夏でも快適に過ごせると評判が高いようです。
テントの中央部分から張り綱を引っ張ることができるので、一般的なレインフライよりも前室を広く取れることができます。
リビングとして使ったり荷物やコットを置いたりと、スペースを有効活用できますよ。
ケシュア:2SECONDS FRESH & BLACK 2人用
フランスのスポーツ用品メーカー、デカトロン社が運営するケシュアでは、設営が簡単なポップアップテントが主流商品です。ケシュアでは「2SECONDS FRESH & BLACK」が3シーズン使える上に、短時間で設営と撤収ができると人気です。
ベルトを外すと自動的にテントが広がるので、設営は約5分で完了という方も。
力を入れなくても展開できるので、女性にもおすすめです。
2SECONDS FRESH & BLACKは、遮光性もありインナーテントの上半分がメッシュになっていますが、メッシュが細かいため、風がそれほど入ってきません。そのため、春秋冬が使用するのにベストなシーズンと言えるでしょう。
2人用のテントですが、外国仕様のためか大きめな印象で広々と使うことができます。
ローベンス:クロンダイク
デンマーク生まれのアウトドアブランド、ローベンスでは定番のワンポールのベル型テント「クロンダイク」が、流行のグランピングにも適していると注目されています。
クロンダイクは見た目がおしゃれなだけではなく、丈夫で風にも強いということと、通気性が良いということが魅力。
フロントドアや天井、テント下部がメッシュになっていて、大変風通しが良くなっています。
キャンパーズコレクション:フルメッシュシェルター
株式会社山善が運営するアウトドア用品ブランド、キャンパーズコレクションでは、「フルメッシュシェルター」が風に強いと人気です。前面がフルメッシュ仕様なので、フロアを砂やほこりから守ることができます。フルメッシュをすべて閉めると荷物が風に飛ばされることもありません。
MSR:ZOIC
MSR(エムエスアール-マウンテンセーフティーリサーチ)はアメリカ発のアウトドアメーカーです。MSRではZOIC(ゾイック)シリーズのテントが、軽量で長持ちすると人気があります。
ZOICシリーズのテントには高温や湿度に耐性のあるコーティングが施されており、経年によりテント生地にベタつきが生じる加水分解という現象が進みくい生地になっています。それにより従来のものよりも、テントが約3倍長持ちするとのこと。
加えてシームテープを無くして、より軽量化できるよう工夫しました。
さらに、インナーのマイクロメッシュ面積が大きいことも特徴で、高い通気性で結露の発生を軽減します。シンプルな構造なので、簡単に素早く設営できますよ。
まとめ
メッシュテントは通気性があり虫も侵入してこないので、暖かい季節のキャンプにぴったりのテントです。
使用時期に合わせた設営しやすく持ち運びしやすい、機能的なメッシュテントがおすすめです。タープと合わせるなどして、シーンに合った快適なキャンプを楽しみましょう。