火起こしから後始末まで・炭火でバーベキューを楽しむ方法とコツ

最終更新日:2022/10/07

バーベキュー 炭

アウトドアで楽しむバーベキューは、自然という環境がスパイスとなりおいしいと感じますよね。特に炭火を使ったバーベキューは味が格段に上がると感じる方が多いです。しかし、キャンプの初心者の方や、アウトドアに慣れていない方は、炭の扱いを難しく感じて敬遠している方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は炭火でバーベキューをする魅力と、おすすめの炭の種類、さらに簡単な火の起こし方と後始末の方法など炭火に関する情報をたくさんご紹介します。また、炭火でバーベキューをする際の食材の焼き方のコツや、あると便利なアイテムもお伝えしますので、ぜひ一度ご覧ください。

炭火バーベキューがおいしい理由

キャンプなどのアウトドアで行うバーベキューがおいしいと感じるのは、いつもよりも解放感がある、また楽しい仲間との食事などいろいろ考えられますが、それと同時に使う熱源によっておいしさの違いがあると感じる方も多いと思います。
アウトドアで行うバーベキューで使われる熱源は主に炭火やたき火、そして炭を使わないガスコンロやバーナーがありますが、どちらも食材を焼く目的としてはとても便利です。しかし、飲食店で食べる炭火で焼いた焼き鳥やうなぎなどは格段においしいと感じませんか?なぜおいしいと感じるかは、実は炭火を使う点に理由があります。

それでは炭火で焼いた食材はなぜおいしいのでしょうか。その理由をいつくか挙げてみます。

赤外線効果

炭火は燃焼中に遠赤外線と近赤外線を発しています。遠赤外線は食材の表面に熱を、近赤外線は食材内部に熱を加える性質があります。この2つの赤外線の効果によって食材の表面を固めてうま味を閉じ込め、中がふっくらジューシーになるのです。

炭火の水分の少なさ

ガスの火を使った調理は、燃焼中に水分が発生し、鍋に水滴がつきますが、炭火はほとんど水分を含まないので、食材の表面をパリッとさせる効果があります。

炭の香り

炭火での調理は、食材からでる脂などが落ちて煙がでます。この煙が食材に移り、まるで燻製のような仕上がりになります。

高火力

炭火で食材をおいしく焼くには遠火の強火が基本です。炭火の温度は500℃前後で、うちわで扇ぐことで一気に火力がアップします。その温度は1000℃近くまで上がると言われていて、食材を一気に熱します。

炭の成分

炭は焼けたら灰になります。その灰にはミネラルやカリウムが含まれています。そのためアルカリ性の灰が食材に付着することにより、うま味成分がアップすると言われています。

炭火は体に悪い?

炭火料理は煙が出ますし、ちょっと目を離すと焦げたりもします。そのため炭火は体に悪いのでは?と思う方も少なくありません。
国によっては使う木炭の種類を推奨しているところもあり、気になるところです。
炭火の煙は少なからず有害物質を発していますが、キャンプで行うバーベキュー程度ならあまり神経質になる必要はないかと思います。

また、焦げすぎてしまった食材は口にしない方が無難です。
炭火の煙が有害物質であるかないかにかかわらず、煙は人によっては臭いと感じる方もいます、そのため、バーベキューを行う時は、他の人のテリトリーに煙が行かないようにする気遣いが必要です。

バーベキューにおすすめの炭

バーベキューを炭火で行う時は、バーベキューに適した炭の種類を選ぶことと、人数に合わせた量を用意する必要があります。

炭の種類

炭はもともと木を焼いて作られています。そのため、炭にするために使われる木の種類によってそれぞれ特徴が違います。

黒炭

炭火バーベキューで使われることの多いスタンダードな炭です。火が着きやすく、形が整っているものが多いので炭を継ぎ足して火力コントロールをする時に便利です。またホームセンターやアウトドアショップなどのお店で手に入り、値段も比較的安いので初めて炭火を扱う方におすすめです。使われている木の種類はナラやクヌギなどです。燃焼時間は2〜3時間ほどです。

白炭

煙と灰が少ない白炭は、備長炭の名で親しまれています。比較的値段が高く、着火がしにくいので、炭火に慣れていない方には向いていません。ただし、一度着火すると長時間燃焼するので、炭の消費量を考えるとコスパの良い炭と言えます。使われている木の種類は樫などです。
備長炭は炭火として使う他に、水道水のカルキ抜きや、ご飯を炊く時にも使われます。

マングローブ炭

マングローブやユーカリなどを原料とした木炭で、ホームセンターの他、100均やコンビニなどで販売されているタイプがこのマングローブ炭です。値段や安く、火がつきやすいですが、燃焼時間は1〜2時間とあまり長くありません。炎が出やすいので、いろいろなタイプのある炭の中では薪に近いタイプと言われています。
マングローブ炭は売っている場所が身近なので炭が足りなくなった時にすぐに追加用として買いに行けるところが便利です。

オガ炭

木材を製材する時に出たおがくずをまとめて成形して作られた炭です。炭の真ん中に丸い穴が開いているところが特徴的で、この穴は、炭がガスによって割れないために作られていています。オガ炭は若干火がつきにくいですが、ニオイや煙が少なく、燃焼時間も4〜5時間と比較的長いのでじっくりとバーベキューを楽しむ方に向いています。

バーベキューに必要な炭の量

上記の通り、炭は種類によって燃焼時間が変わります。そのため、バーベキューをする人数と燃焼時間が炭の量を決めるポイントです。
それでは一度のバーベキューには何キロの炭が必要なのでしょうか。
バーベキューに使う食材の内容によりますが、一般的に大人一人あたりで炭を使う量は1kg前後が目安になります。これを基準に考えると人数x炭の量で計算するとだいたいの予想ができます。その上で炭の種類を選ぶと何時間バーベキューを行えるのかの目安にもできます。


去年の炭は使える?

去年使った炭を物置に保管してあった、もしくは荷物の整理をしていたらいつ購入したのかが不明な炭が出てきたなど、思いがけないタイミングで炭を見つけてしまうことはよくあることです。それでは、その古い炭は使えるのでしょうか。
結論から言うと「古い炭でも使えます」なぜなら炭に使用期限がないからです。ただし、古い炭が使えるかどうかは保管の状態によっても異なります。古い炭が使える条件は乾燥しているかどうかです。湿気のある場所で保管をしていた場合は、火が着きにくいので、しっかりと乾燥させることで再び使えます。古い炭は追加で継ぎ足し用の炭として使うと便利です。

炭火バーベキュー用コンロの種類

炭火でバーベキューをする時に使えるコンロは、脚付きのスタンドタイプ、たき火のように使えるロータイプ、ソロキャンプに便利な折りたたみ式のコンパクトコンロ、大人数で使える大型のタイプ、テーブルの上で使える卓上タイプ、そして七輪などがあります。それぞれのタイプによりサイズが異なるので、使う人数によって選ぶと失敗がありません。また、ホームセンターや大型スポーツ店、100均などではコンロに炭がセットされている使い捨て用の炭火コンロが販売されています。自宅に炭火コンロを収納できるスペースがない方は、この様なタイプを使われてはいかがでしょうか。

バーベキュー用の炭火の起こし方

炭火でバーベキューをする1番重要な作業は「着火」です。ここを失敗してしまうといつまでもバーベキューを楽しめませんので、しっかりとやり方をおぼえましょう。

準備するもの

  • 炭火用のコンロ
  • 着火剤
  • 耐熱グローブもしくは軍手
  • うちわ
  • マッチもしくは柄の長いライター
  • 目皿(なくても可)

炭の着火方法

  1. コンロに置いた目皿に着火剤を乗せて、その上に3〜4本の炭を組みます
  2. 着火剤にマッチもしくはライターで着火します
  3. 炭に火が回ったら、うちわで扇ぎ火を大きくします
  4. 炭全体に火が回ったら、木炭を少しずつ追加します
  5. 炭から炎が上がらず、白くなってきたら調理ができます

火の着け方のコツは、炭と炭との間に空気が抜ける道を作ることです。火が回らないうちに炭を足すとなかなか火が着かないので注意しましょう。
火力が弱いと思ったら、うちわでゆっくり扇ぎ、炭を追加しましょう。

炭の組み方

コンロに炭を組む時は、コンロの大きさや、どのような料理をするかでやり方を変えると便利です。
着火の時に1番おすすめの炭の組み方は、3本の炭を使うならピラミッド型、4本の炭を使うなら井の字型に組むのがおすすめです。着火後は、炭を真ん中に集める、もしくはコンロの端に寄せる方法で遠火で焼くことができます。また炭をコンロ全体に敷き詰めると大きな食材を焼く時に便利です。

炭火の着火剤のかわりになるアイテム

市販の着火剤は固形タイプやジェルタイプなどがあり、ホームセンターやアウトドアショップ、100均などで購入できます。もしも着火剤を忘れてしまった場合は、他の代用アイテムを使って着火しましょう。着火剤として使えるアイテムは以下の通りです。

  • 新聞紙(丸めて使う)
  • 麻紐(ほぐして使う)
  • キッチンペーパー(食用オイルを少量染み込ませます)
  • 段ボール
  • ポテトチップス
  • 乾燥した松ぼっくりや枝
  • 割り箸(フェザースティックにする)

炭火が着火しない時の対処法

炭になかなか火がつかない時は、手順を間違っている可能性があります。

  • 炭の上に着火剤を置いている
  • 火が回らないうちに炭を足してしまっている
  • 頻繁に炭を移動させている。

炭に火がつかない時はこのような原因が考えられます。
炭火を上手に着火する方法は、着火剤を正確な位置に置く、そして炭に完全に火が回るまでは移動させない、そして炭が白くなったら全体に広げる。このポイントを守れば、着火に失敗をせずにすみます。

バーベキュー後の炭の後始末方法

バーベキューを楽しんだ後は、後片付けが最重要の作業です。ここで炭の後処理を怠ると思わぬトラブルを起こしたり、周りに迷惑がかかる可能性があるのでしっかりと炭の消し方と処理の方法を覚えておきましょう。
まず炭の後始末の方法として絶対に行ってはいけないNGな方法は、コンロにある炭に直接水をかける、そして砂や土に埋める行為です。
コンロにある燃焼中の炭に直接水をかけるとコンロが傷む他、灰が舞い上がり、やけどをする危険性があります。また、砂や土に炭を埋めると誤って踏んでしまう可能性があります。さらに炭は炭素なので、土に還ることはありません。
それでは炭の適切な後始末の方法をご紹介します。

炭が完全に消えるまで待つ

炭は火が消えているように見えても実は燃焼している可能性があります。燃え尽きるまでは放置せずに飛び火に注意をして待ちましょう。完全に鎮火した後は、炭捨て場、もしくは各自治体の指示に従った方法で捨てましょう。

火消し壺を使う

火消し壺は、燃焼中の炭を入れて蓋をすることで、酸素をシャットアウトし、密閉状態にさせて消火する便利なアイテムです。火消し壺の中で灰にならずに残った消し炭(備長炭やオガ炭)は次回のバーベキューの火種として再利用ができます。
火消し壺がない場合は、水を張ったバケツで消火をする方法もおすすめです。ただし、一気に炭を入れると水蒸気が発生する可能性がありますので、必ず1個ずつ静かに入れましょう。水で消火した炭も、しっかりと乾燥させると再利用できます。

余った炭の保管方法

バーベキューで使いきれなかった炭は、きちんと保管をしておくと、次回に使えます。
炭を保管する時は、湿気が少ない場所で、ニオイが付かないようにビニール袋に入れて、段ボールやプラスチックのケースに入れましょう。炭は消臭剤として使われることも多いので、とてもニオイを吸着しやすい性質を持っています。一度ニオイを吸着してしまった炭をバーベキューで使用すると、悪臭を放つ可能性があるので、ニオイの強いものを近くに置かないことが大切です。
湿気の少ない場所で保管をしていても、知らぬうちに吸湿しているおそれもあるので、長期間放置していた炭は、使う前に天日干しなどをして乾燥させておくと良いでしょう。

炭火バーベキューを楽しむ食材の焼き方のコツ

炭に着火ができたら、次は食材をおいしく焼きましょう。炭火で上手に食材を焼くコツは、先ほども触れましたが「遠火の強火」でじっくりと焼くことです。近火で強い火力で焼いてしまうと外はカリっとしますが、中は焼けていない状態で仕上がます。炭火の赤外線を利用すると外はパリっと中はふっくらとしたおいしいバーベキューが出来上がります。

食材別の焼き方のコツ

ステーキ肉

ステーキ肉は、常温に戻しておき、筋に切れ目を入れて、焼く直前に塩を振りましょう。また、焼き目がつくまでそのままにし、焼き目がついたら1回だけひっくり返してさらに焼いて仕上げます。

焼き魚

魚を焼く時は、網をしっかりと温めてから乗せます。またひっくり返すと魚の身が崩れてしまうので、できるだけいじらず、仕上げましょう。また、炭火が近いとすぐに焦げてしまうので、ちょっと弱いくらいの炭火で焼きましょう。

野菜

バーベキューで食べる野菜は丸焼きやホイル焼きがおすすめです。また、小さな野菜は串などにさして焼くと網から転げ落ちる心配がなくなります。野菜を焼く時は、ちょっとした下準備で簡単に調理ができます。例えば、ナスを丸焼きにする時は、破裂を防ぐために、竹串や爪楊枝などで何箇所か穴を開けておく、またアスパラなどは下の硬い部分を剥いておく、そしてサツマイモをホイル焼きにする時は濡れた新聞紙に包んでからホイル焼きにするとふっくらと仕上がります。

炭火バーベキューにあると便利なもの

炭火でバーベキューを楽しむには、あると便利なアイテムをそろえておくと良いでしょう。

火ばさみ

炭の移動をする時に便利です。メーカーによっては「炭バサミ」や「炭トング」の商品名で販売されています。

アウトドア用アルミホイル

通常のアルミホイルよりも厚手に作られていて、炭の下にこのアルミホイルを敷いておくと、コンロに油汚れが付かず、炭の後始末が楽になります。

ワイヤーブラシ

網に付いた汚れや焦げを落とす時に便利です。100均などでも販売されています。

火おこし器

サイズや形状がさまざまで、炭に着火をする時に役に立ちます。火を起こすのに自信がない方はぜひ活用しましょう。

バーベキューシート

網では焼けない料理、例えば焼きそばや、目玉焼きなどを調理する時に便利です。網の上に置くだけで鉄板のような役割をします。

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