キャンプでの楽しみの一つは、おいしい料理という方も多いでしょう。キャンプ用ナイフの中でも料理に適したナイフを使うと、キャンプでの料理がさらに快適で楽しいものになります。
この記事では、料理用ナイフのメリットなどについて解説した上で、包丁との比較などもご紹介します。
使い分けよう!キャンプに料理用ナイフが必要な理由
薪を割ったり枝を削ったり、ロープを切ったりと、キャンプシーンでナイフは出番が多いもの。
アウトドア用ナイフにはいろいろ種類があり、その中には料理に適したものがあることをご存じでしょうか。
キャンプでの料理は、包丁しか使ったことがないという方も多いかもしれません。
しかし、せっかくの非日常を味わうキャンプシーンでは、料理用ナイフにチャレンジしてみることもおすすめです。
アウトドアナイフで料理をしたい時、用途や目的に合わせて使い分けることが大切な理由を以下にご説明します。
衛生面の配慮
薪割りしたり枝を切ったりしたナイフで、そのまま料理をすると衛生面が心配です。
たとえきれいに見えても、木を切ったり野外で使用したナイフは清潔とは言えません。
気持ちよく料理するためにも、アウトドアでの料理には料理用ナイフを別に用意することをおすすめします。
- 料理用ナイフ
- 焚き火用の薪割りナイフ
- 缶切りなどの作業用ナイフ
上記のように、アウトドアではナイフを用途に合わせて使い分けると衛生面でも安心です。
調理しやすい
料理用ナイフは、料理に特化して調理がしやすいように作られています。
料理用に作られていないナイフで調理をすると食材が切りにくく、怪我をする恐れもあるでしょう。
料理用ナイフは刃が薄く包丁のように使えるものや、尖った刃先で肉の切り分けがしやすいものなど、食材が切りやすいように工夫されています。
キャンプなどのアウトドアの調理では、食材が切りやすい料理用ナイフがおすすめです。
キャンプの料理では包丁とナイフどちらが良い?
結論から言うと、慣れや好みによるのでどちらが良いとは一概に言えません。ただ、調理ナイフには調理ナイフ特有の使い心地があり、包丁にはないメリットもあることが確かです。
一般的に料理は、やはりナイフよりは包丁のようが調理しやすいものです。
しかしながら、自宅とは違う環境であるアウトドアでは、包丁にはない調理ナイフならではのメリットがあります。以下に、調理ナイフのメリットについてご説明します。
調理ナイフのメリット
- 安全性に優れている
包丁は刃がむき出しなので、持ち出す際には刃をカバーするものを用意する必要があります。
タオルなどで包丁を包んでいても、万一それが外れたりしたら危険です。
刃がむき出しの包丁を落とした時も危ないですし、刃が欠けてしまうこともあるかもしれません。
その点、刃を折りたたみできるタイプの調理ナイフを使用すれば、カバーも不要ですし、刃がむき出しになって危険にさらされることもありません。
- 携帯性に優れている
カバーが必要な包丁は、身軽に動きたいキャンプシーンでは携帯性に優れているとは言えません。
また、常に刃がむき出しになっている状態なので、持ち運びには気をつかうでしょう。
その点、刃を折りたたむことができる調理ナイフなら、サイズもコンパクトになりますしいちいち刃を気にしながら持ち運ぶ必要もないので、携帯性に優れていると言えます。
キャンプで使う料理用ナイフの選び方
アウトドアナイフはさまざまな種類があり、それぞれに違った持ち味があります。キャンプでナイフを使って料理をしたいなら、刃の特徴や仕様、サイズ感なども考慮しながら安全に使えるものを選びましょう。折りたたみ式のナイフは、刃が飛び出さないようになっているロック仕様のものが安全です。
サイズで選ぶ
キャンプで使用する料理用ナイフは、まな板のサイズに合わせて選ぶと失敗しません。キャンプではまな板もコンパクトなものを選ぶケースが多いかと思いますが、それに合わせてナイフも小さめものにすると使いやすいでしょう。
大は小を兼ねると言いますが、料理用ナイフに限ってはそうではありません。大きいナイフの重さで手元が狂うと危険です。まな板の大きさなども考慮して、手に馴染むものを選びましょう。
素材で選ぶ
キャンプでのナイフは野外で使用されるものなので、潮風の吹く浜辺や風雪など悪天候の下で調理する可能性もあるでしょう。
そうしたことを考慮し、料理用ナイフは錆にくさや耐摩耗性に優れたものを選ぶことがおすすめです。
- ステンレス
錆びにくく頑丈なので刃こぼれも少なく、手入れが楽な素材です。
耐熱性もあり太陽光や塩水にさらされても安心です。
- セラミック
耐摩耗性・耐腐食性に優れ、柑橘系の果物を切っても傷みにくい素材です。
ダイヤモンドの次に硬い素材のため、切れ味は抜群。軽いので女性にもおすすめです。
これらの素材のナイフは扱いやメンテナンスも簡単なので、手軽にキャンプに持っていけるでしょう。
料理に適したフォールディングナイフの刃の特徴
フォールディングナイフとは、折りたたみ式になっていてハンドル部分に刃を収納できるナイフです。
刃先などを完全に折りたたむことができるので、コンパクトに収納できる上安全に持ち運ぶことができます。
フォールディングナイフは汎用性が高く、多くの種類があります。
以下に、フォールディングナイフの刃の形状について、料理に適しているものをご紹介します。
- フラットグラインド
刃の断面が鋭角の三角形のような形で、刃の側面は真っすぐで平らな形状です。料理で必要な細かい動きにも対応します。
- ホローグラインド
切れ味の良さに特化したナイフです。刃の側面が薄く削ぎ落とされているため、切れ味抜群。包丁のような切れ味の良さを求めている方におすすめです。
キャンプで使いたいおすすめの料理用ナイフ
多くのキャンパーが、おすすめのキャンプギアについてブログなどで発信しています。
以下に、ブログなどにも取り上げられることの多い、キャンパーたちお墨付きの人気の料理用ナイフについてご紹介します。
オピネル
オピネルは、折りたたみ式ナイフなどを製造しているフランスの刃物メーカーです。デザイン性の高さも魅力で、イギリスの博物館により「世界で最も美しい100のプロダクト」の一つに選ばれているほどです。
オピネルのナイフには、製品によってナンバーが振られています。
定番サイズはNo.7〜No.10ですが、料理に適しているのはNo.10に近いものでしょう。No.10は刃渡りが10cmあり、調理の細かい作業でも使いやすいタイプになっています。手の大きさや自分の使い方なども考慮して選びましょう。
ユニフレーム
ユニフレームは、金属加工で有名な新潟県燕三条に拠点を置くアウトドア用品メーカーです。1985年の創業以来、高品質な純日本製アウトドア用品を送り出してきました。
ユニフレームでは、ギザ刃キャンプナイフが調理用としておすすめです。
理由は、手頃なサイズ感と安心の切れ味。
刃渡りは9.5cm、全長22cmですが、折りたたみ式なので収納時は約12cmと大変コンパクトになり携帯に便利です。このギザ刃キャンプナイフの刃の部分は、刃物の名産地である岐阜県関市で製造されています。
そのため、切れ味は抜群。先端のギザ刃の部分がしっかり食品をホールドするので滑ったりすることもなく、安心して料理をすることができます。
ソロキャンプでも活躍!頑丈なシースナイフ
シースナイフとは、刃と持ち手が一体化していてケースに収納できるナイフです。小型のものが多く、使用しない時はケースに収めて持ち運びます。
汎用性が高く、肉や魚をさばいたり薪割りまでこなすことができるので、荷物を少なくしたいソロキャンプにもおすすめです。
以下に、シースナイフの種類と特徴についてご紹介します。
フルタングタイプ
フルタングは、刃と持ち手が一体化しているタイプで、最も強度高いシースナイフです。刃が折れにくい構造になっているため、バトニングにも適しています。
バトニングとはアウトドア用語で、ナイフを使って薪割りをすること。
火起こしする時に大きな薪では点火しにくいので、小さな薪を作りますが、この時ナイフを使って、太い薪を細い薪に切る作業をバトニングと言います。
刃が折れにくく頑丈なフルタングタイプは、バトニング用として最強のシースナイフですが、重くて錆びやすいという特徴があります。
コンシールドタイプ
コンシールドタイプは、フルタングよりも薄く細身な刃が特徴のシースナイフです。
フルタングよりは軽いため力がなくても扱えますが、あまり流通していないので入手しにくいようです。
ナロータングタイプ
ナロータングタイプは、幅が狭い刃を持ち手に差し込み、ネジや樹脂で固定されているシースナイフです。
レトロな雰囲気を感じるデザインが多く、軽量ですが堅固さには劣ります。
安全にナイフを使うために
切れ味の悪いナイフは余計な力が入るため、滑ったりして危険です。ナイフはしっかりメンテナンスして、良く切れる状態で使用しましょう。
作業時は手元を明るくするようにし、内もも付近で作業はしないようにします。内もも付近には大動脈が走っており、万一ここを傷つけてしまうと命に関わります。
さらに、ナイフを使わない時は必ずケースに収めたり、折りたたんでおきましょう。刃を出したままキャンプ場に置き忘れるなどは、以ての外です。
ナイフは刃物ですので、使用する時は常に危険意識を持つことが大切です。