「今度のキャンプでは焚き火に挑戦したい」という方もいるのではないでしょうか。また、焚き火には薪が必要なので、薪割りにも挑戦しようと考えていることと思います。
ただ薪割り初心者にとって、薪割りするにはナイフ、斧、鉈のどれが適しているか、薪割りのやり方は?など、知っているようで知らないことも沢山あるでしょう。
そこで今回は薪割り初心者の方に向けて、薪割りをする際に必要な道具と薪の種類、薪割りのやり方とポイントなど詳しくご紹介します。
キャンプで薪割りをおすすめする理由
キャンプで薪割りをおすすめする理由は
- 薪など市販のままでは大きくて使いづらい場合がある。
- 枯れ木なども長さを調節しやすい。
の2点。
焚き火をするなら薪割りは必須ですし、薪割りをするためにはナイフや斧、鉈を用意した方が大変便利なのは確かです。
また、薪割りの技術を身に付けることで、キャンプの楽しさが倍増するのは確かなので、ぜひ楽しみながら薪割りに挑戦してみてください。
キャンプで薪割りをする際に必要な道具と薪の種類
キャンプで薪割りをする際に必要な道具の特徴、薪の種類についてご紹介します。
薪割りをする台
そもそも「薪割り台は必要?」と考えてしまいますが、結論から言えば必要です。
それは、薪割り台があることで安定して薪割りができ、ナイフなどの刃や地面、芝生を痛めずに済むからです。安全に薪割りをするためにも薪割り台は必ず用意しましょう。
一般的に薪割り台として丸太を利用しますが、キャンプ場に丸太があるとは限りません。ネットなどで薪割り台が購入できますので、事前に購入しておきましょう。
ナイフや斧など薪を割る道具の特徴
次に薪割りにもっとも必要な道具、ナイフや斧、鉈、ノコギリについて特徴を交えて詳しくご説明します。
ナイフ
ナイフは、キャンプ場に落ちている木や枝を割ったりする際に大変便利な道具です。
コンパクトで持ち運びしやすく軽量なので、薪割り初心者や女性にも使いやすいのが一番の魅力。太い薪を割るというよりは、焚き火の着火剤として枝や薪を薄く削るのに役立ちます。
また、薪を細かく裂くだけでなく、魚をさばいたり肉を切ったりするなど料理にも使えるので、荷物を最小限に抑えたいソロキャンプの方にもおすすめです。
斧
薪割りの道具として代表される斧。
キャンプ用の斧には、刃が薄い小型のものから刃が厚い大型のものまで色々ありますが、薪割り用として選ぶなら、刃が厚い大型の斧がおすすめ。硬く大きな薪もスムーズに割ることができます。ただ、細かい作業には向きません。
薪割り初心者の方には、手斧と呼ばれる持ち運びしやすい、片手でも両手でも扱え、小さく振り下ろしても薪を割れるタイプがおすすめ。長さ30〜40cm前後を目安に選ぶといいでしょう。
鉈(ナタ)
鉈が斧と異なる点は、刃渡りの長さと薄さ。薪割りだけでなく、木を削ったりなどナイフのような扱いもできます。
重量があると確かに割りやすいですが、おすすめは500g前後。扱いやすく、手首に負担をかけることがありません。鉈は安価で入手しやすいので、もしナイフか斧で迷っているなら、鉈を選択するという方法もありです。
ノコギリ
ノコギリは木を切るのにもっとも適した道具。
例えば手持ちの薪が焚き火台よりも大きい場合、ノコギリがあれば安全かつ簡単にカットできますし、薪が長すぎると割りにくいですが、ノコギリで短くカットすることで初心者でも楽に薪が割りやすくなります。
アウトドア用の折りたたみできるノコギリには、細目・粗目・万能目と3つの刃の粗さがありますが、おすすめは幅広い用途に使用できる万能目、太さのある木をカットするなら200mm以上の刃渡りがあるものをおすすめします。
また、100均にも一見してカッターナイフのようなノコギリも販売しており、枯れ枝をカットする程度なら簡単に行えますので、斧や鉈の補助として購入してみては?
作業用グローブ
怪我をしないために用意したいのが作業用グローブ。
選び方としては、
- フィット感があり指が動かしやすいか
- 生地の厚み、強度などの耐久性
- 耐熱温度の高いグローブ
の3点に注目し、薪割りから焚き火、調理など全てに使えるようなグローブを選ぶといいでしょう。
薪の種類
薪の種類は主に2つ、"広葉樹"と"針葉樹"です。
- 広葉樹
- 針葉樹
広葉樹は日本でもっとも人気のある薪の種類で、平べったい葉をつけ、時間をかけて成長するため密度が高く硬いものが多いです。火持ちが良く、針葉樹に比べ煙も少ないことも人気のひとつです。
広葉樹には、クヌギ、ナラ、ケヤキ、シラカバ、ヤナギ、サクラなどの種類があります。
針葉樹は葉が針状に尖っており、広葉樹に比べて密度が低く油分や空気を多く含んでいるので、火起こしなどの焚き付けとしてよく使われています。広葉樹よりも安価なのも魅力のひとつです。
針葉樹には、スギ、マツ、ヒノキなどの種類があります。
広葉樹か針葉樹かで迷いますが、キャンプ用として薪を選ぶなら広葉樹がおすすめ。ただ、着火用としては針葉樹の方が向いているので、針葉樹で着火して火を安定させ、広葉樹で火持ちさせるという方法がベストです。どちらにしても薪を選ぶ際は、手に持った時に重量があり、しっかりと乾燥されているものを選ぶといいでしょう。
薪はホームセンターの他、ネットでも購入できますので、口コミを参考に購入するといいでしょう。
【初心者必見】薪割りのやり方とポイント
薪割りのやり方やポイントについて、今回は初心者が扱いやすいナイフを使ったバトニングのやり方を順を追ってご紹介します。
バトニングは薪選びもポイントのひとつ。硬く節のあるものはバトニングに向かないので、軽くて割りやすい針葉樹を選ぶことが大切です。
バトニングのやり方
- 台の上に薪をまっすぐに立てる。
- ナイフの根本を薪に押し当てて固定し、上から別の薪で軽く2~3回叩く。
- ナイフの背中部分を優しく叩き進め、薪の7割程度まで進んだら止める。
- 力を緩めながら叩いて、薪が自然に割れたら完成。
今回はナイフを使った薪割り方法をご紹介しましたが、斧や鉈で薪割りをする場合も手順は同じです。
また、薪割りをする際は周囲に人がいないことを確認した上で行いましょう。
薪割りが楽になるポイント
斧や鉈で薪割りをする場合、初心者は空振りしたりなかなか割れなかったりと、慣れるまで割るのに苦労することが多いですが、そんな時に役立つアイテムが薪割り用のクサビです。
使い方は、まずクサビの先を木目と同じ向きになるよう置き、先端が食い込むまでハンマーを使って垂直に振り下ろします。後はハンマーで木の割れ具合をチェックしながら打ち込んでいくだけ。
太い木なら、2本のクサビを使って交互にバランス良く打ち込んで行くと割れやすくなります。
薪割りに苦労する広葉樹もしっかりスパッと割ることができますので、斧とセットで購入するのもおすすめです。
また、安価で手に入りやすい平タガネも、薪割り用クサビの代替品として活用できます。
キャンプにおすすめの使いやすい薪割り道具
キャンプにおすすめのナイフや手斧、鉈をご紹介します。
選ぶ際のポイントは、握りやすくしっかりと手に馴染むかどうか、グリップ性能、長時間使用しても疲れにくいかなどです。
購入しやすい価格かどうかも重要なポイントなので、ぜひ参考にしてください。
ナイフ
- モーラナイフ コンパニオン ヘビーデューティー
- MOSSY OAK シースナイフ
- ハイマウント オピネル ステンレススチール
初心者におすすめ。リーズナブルながら木を削ったり薪割りもできる万能型。
グリップ部分が天然ウッドの高級感あるナイフ。ケースの背部にクリップが付いているので、ベルトにも付けられます。
ブレードはサビに強いステンレススチールでお手入れも簡単。折りたたみ式、安全ロック付きです。
手斧(ハンドアックス)
- ハスクバーナ 手斧38cm
- ファイヤーサイド プランデイ キャンプハチェット
- 新越ワークス ユニフレーム 燕三条乃斧
コンパクトで使いやすく、価格としても初心者におすすめ。ハンドルのカーブも握りやすく、デザイン性に優れている1品です。
斧だけでなくハンマーとしてペグ打ちなども出来る2wayタイプ。刃先をカバーする本革ケース付き。柄は木目と鶯(うぐいす)、今鶴羽(いまつるは)、狐(きつね)の3色から選べます。
斧として叩き割るだけでなく、背面ではテコの原理で薪を折ることもできます。グリップは手にフィットしやすい形とゴム素材なので滑りにくく安心して薪割りができます。
鉈(ナタ)
- 土佐渓流鉈
- 大進 マスコット鉈
デザイン性が高いキャンパーに人気の商品。両刃でコンパクトサイズで持ち運びしやすく、ブッシュクラフトにも使えます。
価格がリーズナブルで、キャンプでの薪割りにちょうどいいサイズ感です。両刀で切れ味も良く、耐久性にも優れています。
キャンプで薪割りが必要か必要ないかの判断基準と注意点
そもそも薪割りって必要?必要じゃないのでは?といった疑問を感じることがあります。
結論から言えば、キャンプで薪割りが必要か必要ないかの判断基準としては、訪れるキャンプ場で薪割りが可能かどうか、焚き火がOKかどうか、そして一番のポイントが、自分自身が不安なく安全に薪割りができるかどうかです。焚き火をするなら薪割り用にナイフや斧、鉈など準備したいところなので、この記事を参考に、扱いやすい、安全性も考慮した道具を揃えるようにしましょう。
焚き火をするには薪が必要ですが、多くは市販された薪や小枝を小さなサイズにカットするする程度。キャンプ場で大きな木を薪用に割ることはほとんどないと思いますが、ただしそれらも含めて、全てキャンプ場のルールに従うのが鉄則です。
また、ナイフや斧は、キャンプで使うという正当な理由があれば所持しても問題ないですが、それ以外で持ち歩くのは違反とみなされますので、ナイフなどは必ずキャンプ道具と一緒に保管するようにしましょう。
最後に
これまで薪割りについて詳しくご紹介してきました。
大きい薪をカットせずにそのまま使うと、なかなか燃えず煙だけ出てしまうので、薪を使うならやはり薪割りは必須です。
面倒に感じてしまう薪割りも、キャンプ場で行うと不思議と楽しいイベントのひとつになるに違いありません。
薪割りに必要な道具を揃えて、安全面に考慮しながら薪割りを楽しんでみてください。