登山初心者の方は登山経験者と一緒に登山を楽しむのがベストですが、周りに登山をする方がいない場合一人で始めることになります。
そのような時はできるだけ、初心者の方でも登りやすい山を選んで登山をする必要があります。
また、登山は楽しいことがたくさんありますが、危険もたくさんあるため、一人で登山をする際には一層注意する必要があります。
今回は初心者の方が一人で登山をするにあたり、必要な知識や注意点などについてご紹介いたします。
どんな山を選べばいい?初心者にも登りやすい山の選び方!
登山初心者の方が山を選ぶに際してどのような山を選べばよいのかをご紹介いたします。
一般的な方法としてはガイドブックを購入したり、インターネットで近くの山を調べたりすることです。
山のレベルを示したグレーディング表というものがあるのでそれを参考にしてもよいでしょう。
また山にはいくつものコースが用意されていることが多いです。
コースごとに難易度や山の見所も違うのでどのコースが初心者向けなのかどのコースのどこが見所なのか調べて登山をしましょう。
また、「近郊の山を選ぶ」ということも重要です。
遠方の山を選ぶと移動時間だけで心身共に疲弊してしまいます。
登山の知識に乏しい初心者の方が一人で疲れた状態で山に入ると思わぬ事故につながる可能性があります。
できるだけ近郊の山を選んで心身共に万全の状態で山に入りましょう。
初心者に必要な登山のルールやマナー!
登山では守らなければならないルールやマナーがあります。
山で故意に火器を扱ったり、ごみを捨てたりするということは論外ですが、それ以外にもほかの登山者に迷惑をかけないために、守らなければならないことがあります。
守らなければならないルールやマナーはこちらです。
●挨拶
登山中はほかの登山者とすれ違ったり前を歩いている登山者に追い付いたりすることがあります。
すれ違う時は「こんにちは」などの挨拶が必要です。
前を歩いている方を追い抜く際には「お先に失礼します」など先に行かせてほしい旨の意思表示をする必要があります。
マナーでもあり、身の安全を守るためでもあります。
大抵の方は後ろの人が追いついてきた場合には、道を譲ってくれると思いますが、譲ってくれなかったり気づいてくれなかったりした際には声をかけましょう。
●すれ違いは登りが優先
登山道というのは道幅が狭く歩きづらい箇所が多くあります。
そのため、すれ違う際には譲り合う必要があるのですが、譲り合う際は基本的に登りの方が優先になります。
●山小屋の利用
山小屋を使用する方は自分一人だけではありません。
誰もいなくても公共の場であることを忘れずに、汚したりごみを捨てたりといったことはやってはいけません。
●植物などは傷つけない
登山中には様々な植物と触れ合うことができます。
しかし、見るだけにとどめましょう。
綺麗な植物の中にも人体に有毒な種類はたくさんあります。
初心者の方はどの植物に毒があるのか判断することが難しいですし、環境を守るためにも見るだけにとどめましょう
初心者は特に注意!一人で登山をする際のリスク!
一人で登山をする際のリスクについてご紹介いたします。
●道に迷いやすい
周りに仲間がいない単独登山では、他の登山者が周りにいない時は誰にも相談することができません。
自分一人で誤った判断をしてしまい道に迷うということがあります。
そんな時は落ち着いて地図を見て現在地を把握しましょう。
来た道が分かるのであれば道がわかるところまで引き返すことも有効です。
特に初心者の方は、慌ててしまいやみくもに動いてしまう場合も多いかと思いますが、遭難する可能性が高くなりますのでやめましょう。
●助けを呼べない
滑落や転落をしてしまっても助けを呼ぶことができません。
山奥だと携帯の電波も届かないため、連絡手段もありません。
もし滑落や転落をしてケガを負ってしまい自力で下山することができない時には、ホイッスルやライトでほかの登山者に知らせましょう。
●荷物が多くなる
仲間と一緒に登山をした際には忘れ物があっても仲間と共有すれば補える場合がありますが、一人だとそういうこともできません。
荷物はすべて自分が一人で用意しなければならないので、単独登山の際は荷物が多くなってしまいます。
一人でしか味わえない!単独登山の魅力
単独登山は複数人での登山よりもリスクが高いので注意する必要がありますが、単独登山でしか味わえない魅力もあります。
その単独登山の魅力についてご紹介いたします。
●好きな山に登れる
初心者の方が難易度が高い山に一人で登るということは推奨されません。
しかし、登りやすい山や一度登ったことがある山など自分の好きな山に登ることができるということが単独登山の魅力です。
●自分で計画を立てることができる
始めのうちは「計画なんて面倒だ」と感じるかもしれません。
しかし、単独登山をして様々な計画を立てるうちに楽しくなってきます。
時間やルートや登山後の計画を自分で自由に立てられるということが単独登山の魅力です。
●自分のペースで登山ができる
登山には景色を見たり、動植物と触れ合ったりといった魅力がたくさんあります。
単独登山ではそういった魅力を仲間の意見に左右されずに自分のペースで味わうことができます。
●登山スキルが格段にアップする
単独なので仲間に助けてもらうということができません。
すべてを自分一人でやらなくてはならないので、登山スキルが飛躍的にアップします。
その飛躍的なスキルアップを実感できるということも魅力の一つです。
一人登山では特に要注意!山にいる危険生物
登山には危険が付き物ですがその中の一つとして危険な生物に注意する必要があります。
初心者が一人で登山をする際には特に注意しなければなりません。
また、それらの存在は動物の足跡やフン、食べ跡といったフィールドサインによって事前に察知することができます。
●マダニ
成虫の体長が2~3mm程度と非常に小さいため、フィールドサインが無く、草むらならどこにでもいる可能性があるので注意が必要です。
マダニ対策としては長袖長ズボン、帽子などを着用しできる限り肌の露出部を少なくすることです。
もし、刺されていても無理に離そうとしてはいけません。
無理に離そうとすると、ダニの体の一部が皮膚に残ってしまうことがあるのでダニに刺されてしまった際は皮膚科を受診しましょう。
●熊
日本に生息している熊はヒグマやツキノワグマなどの種類がいますが、毎年多くの被害が報告されています。
登山中は見通しがきかないので思わぬところで熊と遭遇することがあります。
熊除けの方法として音を出していれば近づいてこないといわれていますが、中には逃げていかない熊もいます。
もし、ばったり出会ってしまったら、慌てず騒がないことが重要です。
●蜂
毎年、蜂による被害も多く発生しています。
特にオオスズメバチは日本に生息している蜂の種類の中では大型で毒も強力になるので注意が必要です。
しかし基本的には蜂の巣は登山道から外れたところに作られることが多く、登山道に蜂の巣があるということは滅多にありません。
そのため、登山道を歩くということが大事になってきます。
蜂は興奮状態になると黒色を真っ先に攻撃するといわれているので登山の際は黒色の服などを身に着けるのは控えましょう。
もし、刺されてしまったときの応急処置として、「ポイズンリムーバー」を持っていれば毒抜きをし、水で洗いましょう。
●蛇
日本にはヤマカガシやマムシ、ハブなどの毒蛇がいます。
草むらなどを歩いていると、知らない間に足元にいて噛まれるということがあります。
蛇の毒にはポイズンリムーバーも効果が薄いとされているので、噛まれた際はすぐに下山し、病院へ行くようにしてください。
道中に他の登山者がいれば毒蛇に噛まれたことを伝えて助けを求めましょう。
●イノシシ
イノシシは子育て時期になると気性が荒くなりやすく注意が必要です。
しかし興奮させない限りは基本的におとなしいので、もし出会ってしまっても焦らずに落ち着いて距離を取りましょう。
また、イノシシは高い木には登ることができないので、近くに登れそうな木がないか確認しておきましょう。
●ニホンザル
群れで行動することが多いニホンザルは、知能が高く人に対しても引っかいたり噛みついたりして、持ち物を奪われるということもあります。
猿は、目を合わせないようにすることが重要です。
しかし、食べ物を持っていると襲ってくることがありますが、即座の対処として、持っている食べ物を与えて食べている隙に逃げましょう。
まずは計画!登山計画書の作成について!
登山に行く前には入念に計画を立てる必要があります。
その計画は登山届として管轄の警察署や登山口においてある登山ポストに入れる必要があります。
登山届を提出しなくても罰則などはありませんが、初心者が一人で登山をする際には提出することをおすすめします。
登山届には登山のメンバー、スケジュール、登山口とルート、宿泊の有無や場所などといったことを記載する書類です。
こういった書類を作成することは一手間ですが、自分が立てた計画を再確認することができ、不安なところや足りないところを把握することができます。
また、提出することによって、遭難してしまっても警察官や消防隊などが捜索しやすく、早期発見に繋がります。
一人で登山をする際は登山届を作成しましょう。
一人でも楽しめる単独登山
単独登山は複数人で登山をした時とは別の楽しみがあります。
自分のペースで登ったり、自分で好きな計画を練ったりと魅力がたくさんあります。
しかし、楽しさもありますが荷物が増えたり助け合ったりすることができないというリスクもあります。
また、単独登山では山にいる蛇や熊といった危険生物に、特に注意する必要があります。
正しい知識を身に付け、楽しい単独登山をしていきましょう。