強風に打ち勝つテントの設営場所の選び方とおすすめのテント3選

最終更新日:2022/04/26

テント 強風

強風の中でのキャンプで心配事といえば、キャンプ道具が飛ぶ、またテントの設営が難しいなどさまざまです。
中でも強風の中でのテントは、飛ばされる他に、倒壊、損壊などの危険の他に、設営や撤収が難しいなどの問題が考えられます。
この記事では、強風の中でのテントに関する対策法について、テントを設営する場所選びや、テントの張り方の他、強風に強いテントの選び方、人気のテントなどをご紹介します。
ぜひ、強風の時のキャンプにお役立てください。

キャンプ場での強風でテントが倒壊

テレビなどで見かける、強風のニュース。
イベント会場や運動会でテントが強風で飛ばされ、被害が出るケースも少なくありません。
強風の被害に会うのは、自然の中で行うキャンプ場においても一緒で、テントが飛ばされてしまった、または、テントが飛んで部品の一部が壊れたなど、強風がもたらす被害は至るところにあります。

キャンプの聖地と呼ばれる静岡県のふもとっぱらキャンプ場は、とにかく広く、開放感のあるエリアが魅力と人気のキャンプ場ですが、その広大な敷地ゆえ、突然の強風、突風によるテントの倒壊に悩まされるキャンパーが多いことで有名です。
また、強風に悩んだ経験のあるキャンパーのブログなどを覗いてみると、登山者に人気の白馬岳登山でのキャンプで爆風に遭い、テントが飛ばされそうになったり、風が強い時のわかさぎ釣りでテントが破れるケースもあるようです。

このように、自然の恵みを受けながらも、自然との戦いの場でもある、キャンプ場での強風によるテントを守るための方法をご紹介します。

キャンプ場で強風がもたらすトラブル

それでは、強風の日にキャンプを行うことで起こるトラブルをいくつか挙げてみます。

テントが倒壊、または飛ばされる

テントが倒壊してしまった。もしくは飛ばされしまうトラブルを多くのキャンパーが経験しています。
その場でテントが倒壊した時は、設営をし直すことですぐに解決しますが、テントが飛ばされてしまうと、他のキャプギアを巻き込んでしまったり、他のキャンパーのサイトに迷惑をかけてしまいます。
このようにテントが飛ばされることで一番に気をつける事は、火を扱う場所へは絶対に飛ばさないことです。
焚き火や炭火など火を扱う場所へテントが飛んでしまうと、テントが破損するだけではなく、思わぬ火事につながります。

体感温度が低くなる

天気の良い日であっても、風速が1m/s上がると、体感温度は1℃下がるといわれています。
もしも、天気の変化によりどんどん風が強くなると、その分気温は低くなり、寒さを感じます。
そのため、風を通さない素材の上着や帽子など、強風により体温を奪われないための対策が必要です。

サイトに置いてあるアイテムが飛ばされる

強風の日は、キャンプ用のテーブルや椅子などの他、食事の途中の食器やゴミ袋なども簡単に飛ばされます。
特にゴミ袋は、袋が開けっ放しのまま飛ばされてしまうことが多いので注意が必要です。

焚き火や炭火などの火が飛ぶ

風を受けることで火の勢いが強くなる焚き火や炭火は、火の粉の飛び散りに注意です。
また、ライターやマッチなどで着火をする時も、強風で手に火がかからないようにしましょう。

強風とは風速何メートル?

天気予報などで数値を確認してもよくわからない風速ですが、風の感じ方や周辺の状況でおおよその風速を判断できます。
キャンプ場で強風と感じる時の風速が何メートルで、どのような状況なのかを見てみましょう。

  • 風速10~15m/s未満・・・歩きにくく、大枝が動く、傘がさしにくい
  • 風速15~20m/s未満・・・転倒の可能があり、木が全体的に動く、小枝が折れる
  • 風速20m/s~・・・立つのが困難で、建物の損壊の恐れがある

このように、風速10m/sを超える強風の中でのキャンプは、危険を伴うことが多いので、注意をする、もしくはキャンプを中止しましょう。

テント設営に重要な強風に強いサイト選びのポイント

強風が予想される日のキャンプでの重要なポイントは、強風が吹きにくい、そして影響を受けづらい場所を選ぶことです。
見晴らしの良い山の中や丘の上、海や川など水辺の近いキャンプ場は、突然の強風が吹くことが多いので注意です。
このような場所を避け、強風に影響を受けにくい一番おすすめのキャンプ場は、林間サイトのあるキャンプ場です。
木の間にテントを設営する林間キャンプ場では、木が風を遮る役割を果たすので、強風の影響を受けにくくなります。

しかし、林間サイトであっても、風通しの良い場所、つまり「風の通り道」には注意が必要です。
風通しが良い場所は、湿気がこもらずに快適な印象を受けますが、風通しが良い場所は、常に強風が吹く可能性があるということです。
昼間は快適に思える風も、夜には寒さを持ち込む敵となる場合もあります。
できるだけ風の通らない場所選び、強風に負けないテント設営をしましょう。

テントが飛ばされないための強風対策

強風はいつやってくるかわかりません。
そのため、強風予報の有無にかかわらず、普段のキャンプからしっかりとした強風対策をしておきましょう。

強風に強いテントの張り方

強風に強いテントを設営するには、上記のような風の通らないサイトを選ぶ、または、テントの前に車を置くなどの対策方法が有効ですが、テントの張り方をしっかりとすることで、さらに強風に強い対策ができます。

●テントの向きを考える

テントの入り口が風の入る向きに面していると、入り口を開けた時にまともに強風を受けてしまうので注意しましょう。
テントの設営の時は、風に背を向けるようにし、撤収の時は、風下からペグを抜くと、作業がしやすくテントが飛ばされにくくなります。

●ペグ打ちと張り網をしっかりと

テントやフライシートを固定するペグや張り網(ガイロープ)は、いつも以上にしっかりと固定しましょう。

ペグはアルミ製のものは、強風時にテントが引っ張られることで抜けてしまったり、しっかり打ち込もうとした時に曲がってしまう可能性があります。
そのため、強風の日のテントには、スチール製の鍛造ペグがおすすめです。
スチール製のペグは重さがあるので持ち運びは不便ですが、その分強度があり、テントが強風で飛ばされることを防ぎます。

また、張り網(ガイロープ)をきちんと使うことも重要です。
テントの中に荷物を入れるから大丈夫だろうと、張り網を省略してしまう方をよく見かけますが、テントは思っている以上に強風をまともに受けます。
思わぬトラブルを防ぐためにも必ず張り網をしっかりとペグに固定して使いましょう。

さらに、ペグと張り網の角度を90度にし、深めにペグを打つとさらに強風に強い張り方ができます。

強風に強いキャンプ用のテント選びのコツ

行きたいキャンプ場が常に強風、またはこれから強風に耐えるテントを購入したいと思っている方は、購入前にテント選びのコツを知ると便利です。

キャンプ場で強風に強いおすすめのテントのタイプは主に3種類です。

ワンポールテント

円錐型の形状のワンポールテント(ティピ)は、その特徴のある形が上手に風を流すので、ある程度の強風に耐えられます。
ただし、テントを支えるポールが頑丈なものを選びましょう。

ドーム型テント

天井の低いドーム型のテントは、風の影響を受けにくく、人数の多いキャンプの時におすすめです。

2ルームテント

比較的天井が低い2ルームテントは、強風対策としておすすめのテントです。
スカート付きのテントを選ぶことで、さらに安定感が増し、強風に耐えるテントとして活躍します。

強風に負けない人気のテント3選

年間を通して人気のある、強風に負けない人気の高いテントを厳選してご紹介します。

スノーピーク:「アメニティドーム」

天井が低い設計で、強風の影響を受けにくいテントです。
安定感のある形が、強風の日も安心と、人気があります。
アメニティドームは、ファミリーキャンプ向きの5~6名用の「アメニティドームエルフィールド」と「アメニティドームL」、5名用の「アメニティドームM」の他、カップル向きの3名用の「アメニティドームS」から選択できます。

ロゴス:「ナバホ Tepee」

おしゃれでかわいいテントとして人気のロゴスのワンポールテントです。
組み立てが簡単なので、風の強いキャンプはもちろん、フェスなどで活躍します。

コールマン:「4sワイド2ルーム コクーン/カーブ」

広さのある2ルームタイプのテントで、季節を問わず使えると人気です。
強度のあるアルミ合金ポールとクロスフレーム構造が強風にも強く、フルスカート仕様のため、風の進入の心配がありません。
また、付属のペグがスチール製と安心のテントです。
4sワイド2ルームは、5~6人用のコクーンと4~5人用のカーブの2種類があります。

テントと同時に気をつけたいタープの強風対策

テントよりも強風の影響を受けやすいタープは、食事の時や荷物置き場として便利ですが、強風の日はできるだけ使わないことをおすすめします。

特に強風の日は、テントや他のアイテムの対策が最優先で、日除けや雨避けのためのタープは必ずしも設置する必要がありません。
さらに、強風の日は、体感温度も下がりやすいので、テントの中で過ごす方が安心です。

どうしても強風の日にタープが必要な場合は

  • 低く、斜めに設置(風上側を下げる)
  • 張り網を増やして強度アップ
  • ペグを2本使い、深く打ち込む
  • ポールを斜めに使う(内側に入れ込む)

以上のような方法が有効です。

テントの強風対策まとめ

強風の日のキャンプは、普段以上にしっかりとした対策が必要です。
以下にテントの強風対策をまとめてみました。
・強風の影響を受けにくい場所選び(風通しの良い場所はNG)
・強風に強いテントの張り方をする
・強風に強いテント選びが大切
・タープは必ずしも必要ではない

強風の日は、キャンプ場の天気がいつ、どのように変わるのを予測することが難しく、夜間寝ている間にもキャンプ道具が飛ばされる心配もあります。
また、強風の中でのテントの設営や撤収は、危険を伴い、さらに焚き火などを行うことで、火の粉が飛ぶ可能性もあります。
そのため、このような日はキャンプを行わない決断も必要です。

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