テントの購入を考え調べていると、フライシートやインナーテントなどの言葉がたくさんあってよくわからないという方もいるのではないでしょうか。
この記事では、フライシートとはどのようなものなのかをテントの作りと一緒にご紹介します。また、テントの選び方や、おすすめのフライシートありのテントなどをご紹介します。
貼り方やたたみ方、メンテナンスについてもご紹介するのでぜひ参考にしてください。
テントのフライシートとは
テントにはインナーテントという寝室部分があり、そのまわりにかぶせて使うのがフライシートになります。
フライシートは防水性があるので雨対策になりますし、外の影響を受けにくくするので、紫外線や強風からインナーテントを守ってくれます。
インナーテントとフライシートの間に適度に空間を作れば結露対策にもなります。
また、テントを調べているとグランドシートやインナーシートという言葉も出てくることでしょう。
グランドシートはテントの下に敷くシートで、石などでテントが傷つくことを防止し、テントの底からの浸水を防ぐ役割をしてくれます。
インナーシートはインナーテント内に敷くシートで、地面の凹凸を軽減し湿気や冷気を遮断してくれます。
いろいろなシートがあるので、購入するときはシートの種類を確認し間違わないようにしましょう。
キャンプ用テントの選び方
キャンプ用テントを選ぶ時には見た目、大きさ、設営のしやすさはとての重要なポイントですが、フライシートがありなのか、なしなのか、耐水性はどのくらいかを確認することも大切です。
下記でフライシートありとなしの違いについてや耐久性をご説明します。特徴を知って自分に合うテントを選びましょう。
フライシートあり
フライシートありのテントは「ダブルウォールテント」と呼ばれ、インナーテントとフライシートで構成されたテントです。
ドームテントやワンポールテント、ツールームテントなどでファミリーキャンプを楽しみたい場合は、こちらのタイプを選ぶことがおすすめです。
また、スカートと呼ばれるフライシートの裾部分に生地がつけられているタイプもあります。スカートがついていることで、外からの冷気や雨などの侵入を防いでくれます。
フライシートありのテントは、インナーテントとフライシートで構成されている分設営に時間がかかりますが、外の影響を受けにくいので快適にキャンプを楽しむことができます。
耐水性
雨からテントを守るためには、耐水性についても確認することがおすすめです。フライシートには耐水性が記載されているものも多くあります。
大雨が降った時で1500mmほどなので、フライシートの耐水圧は1500mm以上のものを選ぶと安心です。
フライシートなし
フライシートなしのテントは「シングルウォールテント」と呼ばれ、生地が一枚で作られています。
ワンタッチテントやポップアップテントなどに多い作りで、とても簡単に設営ができます。
フライシートがない分軽量なので、登山などに使われることが多いです。フライシートがないので外の影響を受けやすく結露などで濡れることもあります。
コンパクトで軽量なので、サイズや重さを重視するならこちらのタイプがおすすめです。
フライシート付きおすすめテント
テントはホームセンターなどの店舗で実際に見て購入したり、Amazonなどのサイトでの購入も可能です。
しかし、いろいろな店舗に見に行くのは大変であったり、サイトで調べているといろいろ出てきてどれがよいかわからなくなる方もいると思います。そこで、下記でおすすめのテントをご紹介します。ぜひ参考にしてください。
コールマン
コールマンの「ツーリングドームST」は1~2人用のテントです。横幅が120cmあるのでゆったりと過ごせます。
前室があるので雨天時でも雨が入り込まず荷物などを置くことができます。フライシートはポリエステル素材で耐水圧は約1500mmです。しっかりとした作りなのに手頃な価格で購入できるので人気があります。
スノーピーク
スノーピークの「ヘキサイーズ」はソロ用のテントで、インナーテントをフライシートに吊り下げて設営するので簡単です。
フライシートがタープになり、前室にキッチンやリビングとして十分な空間が作れます。
耐水圧は1800mmあるので雨が降っても安心ですし、暑い日はフルメッシュにするなど天候によってアレンジできます。
アライテント
アライテントの「エアライズ」は軽量でコンパクトなテントなので持ち運びが楽にできます。
どんな場所でも設営できるようにいろいろな工夫がされているので、簡単に素早く設営ができます。耐水圧は2000mmで、認識しやすいオレンジとグリーンの2色の展開です。
エスパース
エスパースの「マキシムナノ」は、山岳テントとして人気があるテントで、夏山から雪山まで快適に過ごすことができるテントです。
冬に凍って開閉できなくならないように、入り口は吹き流し式になっています。
耐水圧2000mmのマキシムフライやスーパーフライなどのフライシートをオプションで選んで購入できます。
クイックキャンプ
クイックキャンプの「ダブルウォールツーリングテント」は、ワンタッチ式なので設営がとても簡単です。
耐水圧は3000mmで、自立するのでキャンプだけでなく避難時にも活躍できます。
ノースフェイス
ノースフェイスの「バスティオン4」は耐風性に優れる4人用のドーム型のテントです。耐水性1500mmの、黄色と黒のデザインのフライシートなのでとても目立ちます。
また、バスティオン4のインナーテントは、フライシートはいらないのではと思わせるようなおしゃれなデザインです。
カンガルースタイルという、シェルターや大きなテントの中の寝室として使う方もいます。
フライシートのみでも購入できる
フライシートのみでの販売を行っているメーカーもあります。フライシートは外の影響を受け痛みやすいので、傷んできたらフライシートだけ交換するということも可能です。
また、フライシートはあったほうが良いアイテムですが、必ずしも必要というわけではありません。
インナーテントの上にタープを張ればフライシートの代わりになるので、夏の天気の良い日などはフライシートがなくても過ごせます。
フライシートは専用のものを使わなくてはいけないという決まりはないので、自分なりにタープなどで自作するのもおすすめです。
ただし、過酷な環境の中で使うテントは、専用のフライシートがなければ過ごせない場合もあるので注意は必要です。
下記でフライシートのみで販売しているおすすめのシートをご紹介します。
モンベル
モンベルの「ステラリッジテントのレインフライ」は、世界最高レベルの軽量性と耐久性を持ったフライシートです。
耐水圧は1000mmですが、保水しない性質を持っていて、通気性を損なわない撥水加工もされています。
フライシートの張り方
ここまでフライシートのおすすめについてなどをご紹介しました。ここからはフライシートを使う上で必要なことについてご紹介します。まずはフライシートの張り方についてです。
テントによって組み立て方は違いますが、基本的な張り方をご紹介します。
- インナーテントを組み立てる
グランドシートを敷き、その上に入り口の位置などを確認しながらインナーテントを広げて、四隅をペグで固定します。
メインポールを通し穴に通して吊り上げられるようにして、長方形の形をしているテントなら短い辺のポール2カ所の先端を金具に差し込み固定し、反対側に行ってテントを押し曲げながら立ち上げポールの先端を固定します。
- フライシートをかける
フライシートの入り口などの位置を確認しながらフライシートをインナーテントの上にかけます。
内側にベルクロがついていてフレームに固定できるようになっているものや、裾にフックやバックルがあるのですべて固定しましょう。
- 張り網を固定する
張り網を4隅から順に固定します。対角ごとに止めていくとしっかり固定できます。張り網はテントから1mほど離れた位置に統一して固定するのがおすすめです。
テントを設営するときは、ロープにテンションをかけるために自在金具を使うことが多いですが、結び方を間違えるとちゃんと固定されないので、使用方法をよく確認しましょう。
フライシートのたたみ方
フライシートの基本的なたたみ方をご紹介します。
- 天井の4隅をひっぱる
天井の4隅をもち引っ張って地面に置きます。台形のような形になります。
- 両端を折る
両端を内側に折り四角い形にし、さらに中央に折りたたみ小さくします。
- 半分におって空気を抜く
半分に折って小さくし裾側から空気を抜けば終了です。
フライシートは空気が抜けにくいので、空気の抜ける場所を確保しながらたたむのがきれいにたたむコツです。適当にたたむとしわになるので、できるだけきれいに収納しましょう
フライシートのメンテナンス
フライシートは汚れがついたままにしておくと臭いが発生したり、カビてしまうことがあるので、使用したあとはきちんとお手入れをすることが大切です。
汚れがついている場合は、洗濯できる素材かを確認し中性洗剤をつけたスポンジでこすって落とします。
洗剤をつけたあとは水でしっかり流して乾燥させましょう。乾燥させるのに乾燥機を使うという方もいるようですが、テントを痛める可能性があるのでおすすめできません。
テントを乾燥させるときは直射日光が当たらない場所で陰干しするのがおすすめです。
また、テントを洗うことでコーティングが取れてしまうこともあります。防水スプレーなどを使って補修しましょう。
テントをしっかりメンテナンスしていても劣化で加水分解してしまうこともあります。加水分解してしまったテントはメーカーに頼んでも修理不可能です。劣化するのは仕方ないことですが、扱いが悪いことで劣化するペースが早まります。しっかりメンテナンスをして管理しましょう。