焚き火は見ているだけで癒され、囲みながら語らうなどさまざまな楽しみ方があります。その中でも焚き火を使った料理は、ワイルドだけれどちょっと難しいイメージがあると思います。しかし、焚き火料理は、使うアイテムの選び方を知り、ちょっとした工夫をすることで、荷物がコンパクトになり、便利になるとしたら、試してみたいと思いませんか?
今回は、焚き火料理が楽しくなるアイデアやアイテム選びのポイントなどを幅広くお伝えします。
焚き火で料理をする魅力
焚き火で料理をすることはガスバーナーやコンロを使うよりも少し手間がかかるので、料理と焚き火は別に楽しんでいる方が多いと思いますが、キャンプの荷物をコンパクトにするなら、焚き火を使った料理はとてもおすすめです。
焚き火料理の魅力はなんと言っても焚き火の炎に癒やされながら料理もできるところです。
焚き火料理のコツ
焚き火料理は、最初の薪が燃えている状態では鍋や食材が表面だけ焦げてしまう可能性があるため、熾火の状態で料理を行うのが一般的です。熾火は薪が燃えて炭になり、その芯が真っ赤になっている状態のことで、火力が安定していてとても調理がしやすく、火力の調節もしやすいので、覚えておくとよいでしょう。
また、焚き火料理をする時の薪選びも大切です。焚き火用の薪は主に針葉樹と広葉樹が代表的な種類ですが、針葉樹は燃えやすく着火に便利で、広葉樹は火持ちがするところが特徴です。このようなことから、着火の時や炎を勢いをつけるまでは針葉樹を使い、火が安定したら広葉樹を追加すると焚き火も料理も長く楽しめます。
焚き火料理のデメリット
焚き火料理は、上記の様に焚き火と料理を同時に堪能できますが、いくつかのデメリットもあります。それは、焚き火の煙の匂いが服に着いたり、火の粉がテントやタープに飛び散る危険性があるところです。しかし焚き火料理に煙や火の粉は付き物なので匂いが着いても大丈夫な服選び、そして火の粉に強いテントやタープを使うと安心して焚き火料理ができます。
キャンプ飯におすすめの焚き火台
焚き火はキャンプ場によってできるところとできない場所があります。焚き火ができるキャンプ場は、直火がOKな場所も中にはありますが、基本的には焚き火台を使うようにしましょう。その理由は、焚き火の火や灰が地面に飛び散ると自然に悪影響を及ぼす可能性があるからです。せっかく楽しい時間を過ごさせてくれるキャンプ場です。自然を大切にマナーを守って焚き火料理をしましょう。
また焚き火台を使用すると、残った灰や炭の後片付けもしやすくなります。
それでは焚き火料理に便利な焚き火台をメーカー別にご紹介します。
【キャプテンスタッグ】
ヘキサステンレスファイアグリル
ソロキャンプからファミリーキャンプまで幅広く使える六角形の焚き火台です。平らに折りたたみができ、専用の収納袋でコンパクトに収納できます。付属の網でBBQが楽しめ、25cmのダッチオーブンも使用できます。サイズはMサイズもあります。
V型 スマートグリル
コンパクトなサイズでソロキャンプや少人数のキャンプに向いている焚き火台です。BBQ用の網の他、鍋を乗せる時に便利なゴトクがセットです。
【ユニフレーム】
薪グリル
暖炉の様な形をした焚き火台で、比較的大きな鍋も乗せることのできる安定感があります。ゴトクの高さを3段階で調節できる他、別売りのユニセラサイドトレーを使えばトングや調味料を側面に置けます。
ファイアグリル
四角い焚き火台のツメに網を乗せて使うので、火力調節がしやすいタイプの焚き火台です。組み立てが簡単でダッチオーブンを置いても安定感があります。
【スノーピーク】
焚き火台
過去にグッドデザイン賞を受賞したこともあり、スノーピークの本社工場にてひとつひとつ社員の手によって生産されている焚き火台です。サイズがS~LLまで展開しているので、ソロキャンプやファミリーキャンプなど人数に合わせた選択が可能です。
スノーピークの焚き火台で料理をする時は、別売りの焚き火台グリルブリッジや焼アミの他、グリルプレートを使うと便利です。
焚き火で鍋料理を作るには
焚き火で鍋料理をするには、専用の焚き火鍋やクッカー、またはメスティンを使う方法がおすすめです。焚き火用の鍋を選ぶポイントは、ハンドルが炎で溶けないタイプを選ぶことで、鍋の本体とハンドルが同じ素材で出来ているものなら、溶ける心配はありません。また煤が付着しても落としやすい、もしくは気にならないタイプを選ぶと長く使えます。
焚き火におすすめの鍋
焚き火に使う鍋には以下のポイントがあります。
素材で選ぶ
- 鉄製鍋
重みがあり、熱伝導率や蓄熱性が高い素材です。元から鍋の色が黒色なので、煤の汚れが目立ちません。 - ステンレス製鍋
煤の汚れを落としやすく、錆の心配のいらない素材です。 - アルミ製鍋
軽くて薄いタイプは長時間の焚き火には不向きですが短時間の調理なら大丈夫です。ただし、アルミ鍋は素材が柔らかいので焚き火で使用すると変形してしまう可能性があります。
焚き火調理におすすめの鍋料理
鍋を使って焚き火で調理をするなら、子どもも大人も大好きな「餃子鍋」がおすすめです。
餃子とお好きな野菜、鍋の素を使い、煮込むだけで出来上がる餃子鍋は、自宅で食材などを切っておけば、キャンプ場ですぐに調理ができます。
おすすめのスープの素は、坦々鍋の素やキムチ鍋の素で、野菜は、白菜やもやしの他、キャベツやニラが良く合います。また、旬の野菜を中心に作るのも良いでしょう。
焚き火料理はフライパンにおまかせ
短時間でさっと料理を作るなら、フライパンがとても便利です。焚き火用のフライパンを選ぶポイントは、好きな大きさや持ち手のタイプを決めることです。大きさは、何を作るのをメインとするのか、そして持ち手のタイプは、持ち運びがしやすいものなら、折りたためるものや、キャンプ場に落ちている木を持ち手にするタイプのものを選ぶと良いでしょう。さらに、鍋と同様にフライパンも素材選びが大切です。
焚き火用フライパンを選ぶなら
焚き火で使うフライパンの一番のおすすめは鉄製フライパンです。熱伝導率の高さで料理が冷めにくく、短い時間で高温調理が可能なので、お肉を焼いたり、炒め物をするなら鉄製が便利です。
その他には、ステンレス製やチタン製、アルミ製などがありますが、手入れ次第で次世代まで受け継ぐことのできる鉄製フライパンは、キャンプ向きと言えます。
焚き火で作るフライパン料理
フライパンで作る料理は、とにかくカリカリに焼ける食材を使いましょう。代表的な食材は肉やピザなどの他、焼きそばや朝食用のベーコンエッグがおすすめです。
特にステーキ肉を焼くときは、スパイスにこだわってみるのはいかがでしょうか。最近ではアウトドア用のスパイスがたくさんあり、代表的なものは「マキシマム」や「ほりにし」、「バカまぶし」などが人気です。それぞれ入っているスパイスが違うので、味の違いを楽しむのも良いかもしれません。
焚き火で焼き芋を作る方法
焚き火で楽しむスイーツと言えば「焼き芋」ですよね。焼き芋はアルミホイルや新聞紙、トングなどをそろえるだけで簡単に作れますので、ぜひ挑戦しましょう。
焼き芋作りに必要なものと作り方
まずは必要なものを用意しましょう。
【用意するもの】
- サツマイモ
- アルミホイル
- 新聞紙
- 塩
- トング
- 軍手もしくは耐熱グローブ
【作り方】
- サツマイモをよく洗い、塩をまぶします
- 濡らした新聞紙にサツマイモを包み、さらにアルミホイルで包みます
- 熾火になった焚き火の中にサツマイモを埋めて20
分ほど待ちます - 20分後に一度サツマイモをひっくり返しさらに20
分程度焼きます - サツマイモを取り出し、余分な塩を取り除き、軽い力で串が入ったら完成です
サツマイモをアルミホイルから取り出すときは、トングや軍手などを使いやけどに注意をしましょう。
焚き火で作る焼き芋におすすめの品種
焼き芋におすすめのサツマイモの品種は以下の通りです。
- 紅あずま
ほくほくをした食感で甘さが控えめです - 安納芋
濃厚な甘さでねっとりとした食感です - 紅はるか
しっとりとした食感で、蜜のような甘みが特徴です
この他にもサツマイモの品種はたくさんありますので、お好みの品種を探してみるのも焼き芋を楽しむ一つの方法です。
食後は焚き火を見ながらコーヒーを
焚き火でお湯を沸かして、ドリップ式のコーヒーやインスタントで飲む方法も良いですが、キャンプの長い夜をゆっくりと過ごすなら、コーヒーが焚き火によって出来上がるまでの時間が楽しめるパーコレーターはいかがでしょうか。
パーコレーターの使い方
パーコレーターは、やかんの様なフォルムをしたコーヒー抽出用の器具です。使い方は、バスケットと呼ばれるパーツに挽いたコーヒーをセットし、バスケットをセットせずにまずは本体でお湯を沸かします。お湯が沸いたら一度焚き火から本体を下ろしてバスケットをセットします。フタをして再び焚き火に戻し、弱火でコーヒーを3〜4分抽出します。抽出が終わったら、コーヒーの粉が落ち着くまで待ち完成です。
パーコレーターで淹れたコーヒーは、火加減や抽出時間により味わいや濃さが変わるので、お好みのコーヒーを見つける楽しみもあります。また、パーコレーターで淹れたコーヒーは酸味が出やすいので、酸味が苦手な方は深煎りで粗挽きのものがおすすめです。
パーコレーターは、バスケットを外せば、お湯を沸かすやかんとして、さらにバスケットには紅茶や緑茶の葉もセットできるので、さまざまな飲み物を入れるのにとても便利です。
薪の燃える音とコポコポとコーヒーが抽出される音を聞きながら淹れるコーヒーはきっとキャンプの夜を特別にしてくれるはずです。
焚き火ハンガーがあれば焚き火料理は簡単
焚き火を楽しむ、そして便利に使うなら焚き火ハンガーを一つ持っているととても便利です。
焚き火ハンガーは、一本の鉄の支柱に、アームを設置して使うパイルタイプと、ブランコのフレームの様な形状のブリッジタイプの2種類があり、どちらも鍋やスツールを吊り下げて使います。
焚き火ハンガーが活躍するシーンは、焚き火台に鍋が乗らない、もしくはごちゃごちゃしたキャンプギア(主に調理器具)を一つの場所にまとめたい時です。
また、焚き火ハンガーは高さの調節ができるものが多いので、焚き火の火から鍋を遠ざけたい、または近づけたい時など自由自在に動かせ、小さくて焚き火に埋もれてしまうようなサイズの鍋を使う時にも重宝します。
また、焚き火ハンガーは、焚き火に使わない時には、ランタンハンガーや、洗った後の鍋の乾燥用としても使えます。