焚き火で使用できるケトル。お湯を沸かすだけならば、他の道具でOKと思う方も多いようですが、焚き火で使えるケトルには、キャンプシーンを盛り上げてくれる魅力がたくさんあります。
初めて焚き火用のケトルの購入を考えている方、ワンランク上のキャンパーを目指している方は、ぜひ今回の記事で、焚き火ケトルの魅力、そして種類や材質、おすすめのケトルやコーヒーのドリップに向いているケトルを知り、購入を検討してみてください。
キャンプに焚き火で使えるケトルがおすすめな理由
焚き火ケトルは、「お湯を沸かす」に特化した道具です。
お湯を沸かすならば、鍋やメスティンなどで代用できますし、わざわざ買い足す必要がないと思われがちですが、焚き火ケトルに1つあるだけでキャンプの気分を盛り上げてくれる魅力がたくさんあります。
焚き火やテーブルに雰囲気を出す
焚き火ケトルの最大の魅力は、ケトルを焚き火にセッティングし、ゆらゆらと揺れる炎に癒やされながらお湯が沸くのを待つ贅沢な時間、そして沸いた後のテーブルに置いた時の様子は鍋などでは出すことのできない空間になります。
このような時間や空間はキャンプの雰囲気を一気に上げてくれます。
直火ならではの経年劣化を楽しめる
焚き火ケトルは、焚き火の上に置いて直接火をかけるので当然「すす」がつきます。
家庭用のやかんや鍋に付くすすはすぐに落としたくなりますが、アウトドアで使う焚き火ケトルはそのすすでさえも「使っている感」が出てキャンプの雰囲気を高めてくれます。
その汚れと思われがちなケトルの見た目の変化こそがキャンプの味となります。
ベテランのキャンパーの様になれる
何と言っても焚き火ケトルは、シンプルかつ、機能的なデザインが多いため、キャンプ道具の中でもワンランク上のキャンパーが持つ感じがします。
また、焚き火ケトルは多くのキャンプ用品やアウトドアメーカーからさまざまなタイプが販売されているので、あらゆるキャンプ道具を同じメーカーで統一することも可能です。
キャンプの焚き火用ケトルの選び方
焚き火ケトルは、その一番の特徴が「直火で使える」ことです。
通常、ご家庭で使われているやかんでも直火で使えるものもありますが、使われている部品などが直火に耐えられないものも中にはあります。
その点、焚き火用として作られているケトルは部品まで直火に耐えうる材質や素材でつくられています。
ケトルの材質・素材
焚き火用のケトルとしておすすめな材質は主に以下の5つです。
ステンレス
サビにくく、耐熱性に優れた材質で、メンテナンスが簡単です。
ただし、熱伝導率が他の材質と比べて低いので、お湯が沸くまでの時間がかかります。
アルミニウム
軽量でサビにくく、熱伝導率が高いので、お湯が沸くまでの時間が短時間ですみます。
他の材質に比べると融点が低いので、炭火で使う時には注意が必要です。
銅
5つの材質の中で最も熱伝導率が高い銅は、お湯を沸かすのに適しているだけではなく、おしゃれなデザインが多く、使い込むほど味が出てくる様子を楽しめます。
ホーロー
保温性に優れ、カラーなどが豊富でおしゃれなデザインの多いホーローは熱伝導率、融点なども高い特徴があります。
ただし、他の材質に比べると重量があり、衝撃に弱い点があります。
チタン
5つの材質の中でも最も強度があり、サビにくく、軽量で、融点も高く、まさしく焚き火ケトルとして最強の材質です。
しかし、値段の高さが少し難点です。
ケトルの形状
焚き火ケトルは、キャンプで使いやすいような形状をしており、大きく分けると以下の3つのタイプがあります。
やかんタイプ
ご家庭でも使われることの多いのやかんの形状です。
底が広いので、お湯が沸くまでの時間が早く、軽量でコンパクトなタイプが多いのでソロキャンプ、または少人数でのキャンプに向いています。
中には焚き火での使用ができないタイプもあるので、注意が必要です。
縦長タイプ
焚き火用のケトルで一番スタンダードな形が縦長タイプです。
大容量タイプのものが多いのでファミリーキャンプに向いています。
寸胴タイプ
鍋の様な形状をしたケトルで、注ぎ口がついてます。
インスタントラーメンを作るなどお湯を沸かす以外の使い道が豊富ですが、ケトルとしての使い勝手は他のタイプに比べると劣ります。
ケトルの容量
材質や形状の他に、容量を考えることもケトル選びのポイントです。
目安としてはコーヒーを一杯淹れるのならば、150~200ml、カップラーメンならば300~500mlのお湯が必要です。
ソロキャンプならば、1リットル以下、ファミリーキャンプならば1リットル以上ある容量を選べば良いでしょう。
好みのデザイン選びも大切
前述でお伝えした通り、お湯を沸かすだけならば、焚き火ケトルではなくてもできます。
しかし、多くのキャンパーに焚き火ケトルが選ばれている理由はその見た目であると言っても過言ではありません。
このような事から、徹底的に自分の好みに合ったデザイン、またはインスピレーションを受けたものを選ぶことも焚き火ケトルを購入する方法の1つです。
キャンプにおすすめの人気焚き火ケトル
それでは、多くのキャンパーに人気のある焚き火ケトルをご紹介します。
購入する際の参考にしてみてください。
スノーピーク
- 「クラシックケトル」
- 「フィールドバリスタケトル」
焚き火の他、炭火でも使える縦長タイプのケトルです。
また、本体の側面のハンドルが比較的大きめで持ちやすく、上部にもハンドルが付いているので、焚き火の上に吊るしてお湯を沸かすことも可能です。
注ぎ口にフタが付いているので、焚き火などから出た灰の進入を防いでくれるところも魅力的なポイントです。
材質:ステンレス
容量:1.8リットル
一番のおすすめポイントはハンドルの脱着が可能で、使い勝手、収納が抜群なところです。
また、注ぎやすい形状の注ぎ口で、シンプルなデザインが魅力です。
材質:ステンレス、ブラス、天然木
容量:1リットル
ユニフレーム
- 「山ケトル」
底の広いやかんタイプのケトルです。
ステンレスでできたハンドルには穴が空いていて、熱くなりにくい設計になっています。
また、人数や使い道に合わせた3種類のサイズから選べます。
材質:本体・フタ(アルミニウム、アルマイト加工)、ハンドル(ステンレス)、ツマミ(フェノール樹脂)
容量:山ケトル700(0.7リットル)、山ケトル900(0.9リットル)、山ケトル1500(1.5リットル)
コールマン
- 「ファイアープレイスケトル」
他のメーカーに比べると低価格で手に入るオールステンレス製の縦長タイプのケトルです。
本体側面の他に上部にハンドルが付いています。
材質:ステンレス
容量:1.6リットル
イーグルプロダクツ
- 「キャンプファイヤーケトル」
ステンレス製のケトルですが、本体の底が銅でできているので、熱伝導率が高くなっています。
シンプルながらおしゃれなデザインで、多くのベテランキャンパーから支持されています。
ソロキャンプに便利な0.7リットルから、大容量の4リットルまでのサイズ展開が人気の1つです。
材質:本体(ステンレス)、底部(銅メッキ)
容量:0.7リットル、1.5リットル、4リットル
ロゴス
- 「LOGS ザ・ケトル」
- 「大型吊りケトル」
底の広いやかんタイプのケトルで、アルミ製のため、重さが150gと軽量で持ち運びに便利です。
また、本体がハードアルマイト加工により傷が付きにくくなっています。
材質:アルミニウム
容量:0.75リットル
直火の他、IHにも対応の寸胴タイプのケトルです。
本体の側面と上部にハンドルが付いているので、吊り下げて使うことができます。
材質:ステンレス、木材
容量:3リットル
ハイランダー
- 「焚き火ケトル」
寸胴タイプとやかんタイプがミックスされた形状で、上部のハンドルの他に、本体の側面上部にもう1つ小さなハンドルがあるためお湯が注ぎやすい構造になっています。
材質:ステンレス
容量:1.8リットル
キャプテンスタッグ
- 「CSブラックラベル ホーローケットル」
- 「キャンピングケットルクッカー」
表面がガラス質の加工が施されたホーローのケトルです。
黒一色のデザインが男前な雰囲気を演出する縦長タイプのケトルで、ニオイや色が移りにくいところも魅力の一つです。
材質:ホーロー用鋼板
容量:1.1リットル
ハンドルの向きを変えることで、ケトルとクッカーの両方の使い道ができる便利なケトルです。
材質:ステンレス
容量:0.9リットル、1.3リットル
モンベル
- アルパインケトル
軽量で、熱伝導性の良いアルミ製のやかんタイプのケトルです。
モンベルで人気の「アルパインクッカー16」に収納ができるサイズで、コンパクトな持ち運びが可能です。
ただし、持ち手、フタの部分は焚き火の炎で溶けてしまう可能性があるので、注意が必要です。
材質:本体(アルミニウム合金)、ハンドルカバー(シリコーン)
容量:0.6リットル、0.9リットル
焚き火で使えるおすすめのコーヒードリップケトル
コーヒーのドリップする時のケトルはゆっくりとお湯が注げる注ぎ口が細い形状がおすすめで、焚き火で使えるケトルもあります。
ハリオ
- 「V60 ドリップケトル ヴォーノ・カパー(取っ手カバー付き)」
銅製のケトルで熱伝導率が高いため、お湯が早く沸きます。
取っ手カバーはシリコーンゴム製です。
材質:本体・フタ(銅)、ハンドル(真鍮)、フタツマミ(天然木)、取っ手カバー(シリコーンゴム)
カリタ
- 「Cuケトル600」
- 「SSケトル700」
使い込むたびに本体の見た目に味の出るコーヒー用の銅製のケトルです。
材質:銅
容量:0.6リットル
丈夫なつくりのステンレスケトルです。
焚き火で使うたびに変色する姿も楽しめます。
材質:ステンレス
容量:0.7リットル
ニトリ
- 「ドリップケトル1.2L(ナガレ)」
ガス火とIHで使えますが、アウトドア用のケトルではないため、使用する際にはハンドルとツマミなどに注意をしましょう。
材質:本体(ステンレス)、ハンドル、ツマミ(耐熱温度150度のフェノール樹脂)
容量:1.2リットル
100均のやかんもキャンプで大活躍
比較的小さなサイズが多く、大手のアウトドアメーカーのデザインをオマージュしたものも多い100均のやかんは、ソロキャンプの方や、リーズナブルに道具をそろえたい方に人気があります。
ただし、100均で売られている多くのやかんは、火にかけてもOKな素材ではできていますが、直火が禁止のものが多いので使用する際には注意が必要です。
また、フタやハンドル部分が火に弱い素材のものもあるので、DIYが得意な方は、100均で売られている他の金具などに交換して使っている方も多いようです。
このような事から、100均で安いやかんを手に入れたならば、安全で、安心に使えるようにカスタマイズなどをして使うことをおすすめします。